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第43回京の冬の旅 特別公開 2009年3月14日

安楽寿院

みょうこうじ

京都府京都市伏見区竹田中内畑町74

近鉄・京都市営地下鉄竹田駅徒歩6分

マピオン

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安楽寿院

京都市営地下鉄竹田駅で下車して安楽寿院を訪問。この辺りは、一般的な京都観光ではあまり訪問しない地域で、私も今回の特別公開で初めて竹田で下車した。

安楽寿院は真言宗の寺院。仏像の拝観は事前申し込みが必要だが、今回はそれなしに拝観できるとあり、たくさんの人が訪れていた。

観光ルートにない寺院でもあるから、普段の境内は静かなのだろう。

元々この辺りは鳥羽離宮の故地であり、安楽寿院の起源は、鳥羽上皇のプライベートな仏殿に由来する。他にも寺院はあったようだが、この安楽寿院のみが現在まで存続しているという。

まずは方丈庭園を拝観しよう。方丈へは玄関から入る。玄関へのアプローチには白砂がしきつめられており、苔部分とのコントラストが美しい。右写真は玄関側から山門側を振り返ったところ。禅宗寺院の塔頭とは少し趣きが違うが、こちらも清潔な雰囲気。

方丈前庭。苔が敷き詰められた枯山水庭園。砂と苔と少しの石という禅宗寺院とは違い、植木、石がバリュエーションに富んでおり、さらに高低差のある庭となっている。

方丈では、係員が一通りの説明をしていたが、全てを聴いていると時間がなくなりそう。今朝の電車の遅れのために予定がオシているので、メインとなる本尊の阿弥陀如来の拝観をお願いした。

阿弥陀如来は境内の宝物殿に安置されているとのことで、一度方丈を出なくてはならない。左写真は大師堂。古い密教寺院に典型的なフォルム。

右写真は境内で咲いていた花。早咲きの桜だろうか。ともかくも綺麗だ。

左写真は、鳥羽離宮の庭園の一部を復元したもの。使用されている石は、発掘された当時のものとのこと。ほとんどの石が高野山から運ばれてきたものらしい。真言宗の寺院ということで、大本山付近の石を持ってきたのだろう。

右が本尊の阿弥陀如来像が安置されている宝物殿。ものものしい雰囲気がある。

卍阿弥陀如来と俗称される阿弥陀如来。胸部中央に「卍」があることよりこう呼ばれている。宝物殿の中央に安置されていた。

阿弥陀如来より気になったのは、同じく宝物殿に展示されていた「一字金輪曼荼羅」。中尊として大日如来を描く曼荼羅だ。

忍者が使用することで有名な智拳印を結ぶ金剛界大日如来が中尊。

その周囲を、馬、女性、象など、統一感のないものたちが囲んでいる特徴的な曼荼羅。象は普賢菩薩を暗示したものらしいが、特に主兵宝は別名無能勝といい、蔵王権現のように片足を上げ、三つの顔を持つ特徴的な像だった。

何より興味深かったのは、大日如来が八頭の獅子に乗っていること。大日如来が獣に乗ること自体珍しい。しかも獅子とはいったい…。獅子は悟りを得た者、ブッダを案じするものだが、それが八頭ということで、より強調されているということだろうか。

こちらは近衛天皇の遺骨を納めたという多宝塔。ここは宮内庁の管理下にあり、安楽寿院といえども立ち入りできない。勿論拝観客も立ち入ることはできない。

名前も近衛天皇安楽寿院南陵であり、安楽寿院境内の一仏堂という位置づけでないことが判る。

多宝塔、三重塔、五重塔など、塔はそもそも釈迦如来の遺骨、舎利を収めるものであるので、天皇の遺骨を収めるということは興味深い。

境内にあった鳥羽離宮の復元図。奥にかすかに見えるのが大内裏だろうか。右のほうは東殿と呼ばれるが、まさにここに安楽寿院があったのだという。

さて、次は東福寺の二塔頭を訪問するが、既に時間がオシているので両方拝観できるかどうか非常に怪しくなってきた。どちらか一方を取るしかないだろう。

竹田からは近鉄で一度丹波橋まで行き、そこからバックする形で京阪に乗り換えて東福寺駅で下車。

左は東福寺駅近くの「ここはな」という喫茶店。まだ入店する機会に恵まれていないが、一度入ってみたい。

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