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第43回京の冬の旅 特別公開 2009年3月14日

妙心寺三門

みょうしんじさんもん

京都府京都市右京区花園妙心寺町64

JR山陰本線花園駅下車徒歩5分

マピオン

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妙心寺三門

またまた日帰りで京都に行ってきた。例によってJR東海の1dayプラン利用。

1/10-3/18の会期で、「第43回京の冬の旅」と称する、京都の冬をプロデュースするイベントが開催されている。食事、寺院拝観、特別体験などが用意されているが、私の興味を一番惹くのは非公開文化財の拝観だ。また、3/13-22の「東山花灯路2009」と称して、通りの左右に灯籠を点したイベントが開催されている。 今日3月14日は、どちらも見ることができる唯一の土曜日だ。

ところで、13日の夜半から14日の朝方にかけて、首都圏では雨と強い風が吹いたため、 交通が乱れ、連れが予定の新幹線に乗れず、 東京駅で落ち合う予定が、京都駅で待ち合わせることになってしまった。 京都に着いたら着いたで、JR山陰線も信号トラブルで30分ほど遅れての運行。 不安含みのスタートだ…。

連れは一本遅れで追いかけている。新幹線は問題なく動いているので、とりあえずは心配ない。

とりあえず朝食に買った天むす弁当を。上の列はエビ天むす。下の列二つは、たこ天。えび天が美味しいのは当たり前だが、たこ天が美味しかった。塩胡椒がきいていておいしい。地味に付け合わせのきゃらぶきがおいしい。

塩辛くなったときは、箸休めに卵焼きを。リーズナブルだし、朝はこのくらいの量で充分だと思う。油っぽいのが辛いときはおむすび弁当をチョイスしている。

まずは妙心寺(みょうしんじ)。 JR花園駅で降りて向かう。 同じ車両に乗っていた大きなキャリーバッグを持った僧侶も降車。 勝手な推測だが、妙心寺のどこかの塔頭でこれから修行を始める雲水だったのかもしれない。

小雨が降る中、妙心寺に入る。今回の「京の冬の旅」では、妙心寺の三門と塔頭の衡梅院が公開されている。まずは入ってすぐの三門を。

妙心寺は塔頭寺院が多く、期間限定で公開されたりするので、最も訪問回数の多い寺院。そのたびに三門を撮っていたりするのだが、実は三門内部を拝観するのはこれが初めて。毎年6月18日に行われる法要で公開するだけなので、割とプレミアムな拝観だ(7月15日にも三門楼上で法要が行われるらしいが、その際に一般人も拝観できるかどうかは不明)。

ところで、「京の冬の旅」の特別公開を主催する団体と、春季秋季それぞれに特別公開を主催している団体(古文化保存協会)は別だ。拝観料については、後者は一件につき800円、前者は600円。ガイド役も後者は素人に毛が生えた程度の知識しかない学生ボランティアに対し、前者は年配の知識も充分な地元の人がガイドする。600円も決して安い拝観料ではないが、ガイドの知識が充実しているため、同じ物件を観るなら「京の冬の旅」のほうがいい。

三門の左右にある山廊から階段で三門の楼上へとアクセスする。相変わらず急な階段で、年寄りがいるとつかえてしまう。ちなみにのぼりとくだりが別なので、必要以上に混雑することはない。

三門楼上。公開中に鳥が入ってきてしまうのをふせぐためか、ネットが張られていて眺めが良くない。右写真はすぐ北に建つ仏殿。

これらは案内板を撮影したもの(右画像は後日行われた特別拝観のための案内板)。内部はまったく照明が無い上、あいにくの雨のため日が指さず、暗くてよく見えない部分があった。眼が慣れるまでずいぶんと時間がかかった。

説明によれば、三門が朱色なのは、俗世間と仏世界を隔て分ける機能を担っているからなのだという。

今回は、天井絵に注目してみた。天井や梁の側面に何が描いてあるのかを、左に示した。

まず、三門内部の柱には、水しぶき、あるいは向かい合う龍が描かれ、龍の仏法の守護としての、そして火除けとしての側面が期待されているようだ。

上の図を説明すると、まず中央奥に迦陵頻伽が描かれている。この直下に観音菩薩像が安置されている。迦陵頻伽は上半身が菩薩、下半身が鳥の合成獣(人ではないのは、涅槃図が描かれる際、必ず動物と同じ場所に置かれることから分かる)だ。極楽浄土に住むというが、この三門楼上が仏世界であることを暗示している。

中央部手前には、禅宗寺院でおなじみの龍図が。これも仏法の守護、そして火除けを期待されているに違いない。

その左右には、飛天が三体ずつ描かれているが、楽器を持っていたかどうかは忘れてしまった。あるいは注意して観ていなかった。音楽神だとすれば、キンナリーかもしれない。

三門の天井を東西に貫く梁は、中央部分で分断されているが、その端にピンク色に染まった木鼻の象が彫られている。

そして一番外側の天井部分左右には、それぞれ雅楽で使用されるような楽器が宙を舞うようなかたちで描かれていた。今思えば、道教で崇敬される八仙を暗示する暗八仙かと思ったが、雅楽独特の釣太鼓が含まれているため違うようだ。もし暗八仙だとすれば、なかなか興味深い天井絵なのだが…。

さて、梁の左右には、鳳凰や飛龍(翼を持つ龍)が描かれている。

ところで三門内部には、中央に観音菩薩像、脇侍として月蓋長者、善財童子、そしてそれらの左右に十六羅漢がずらっと並んでいて、他の三門と遜色ない。

月蓋長者は祇園精舎を建てた金持ちで、善光寺の縁起として阿弥陀如来に娘を助けられるというストーリーで登場するくらい。なぜこいつと、毘沙門天の子である善財童子が観音菩薩の脇侍になっているのか、よく分からない。

なお南禅寺の三門にも、脇侍として月蓋長者、善財童子が安置されているが、中心尊は釈迦如来だ。

京都の主な三門では、これまで知恩院、南禅寺(常時拝観可能)、東福寺、そして妙心寺のそれを拝観できた。残るのは大徳寺のみ。ただし、管見の限り大徳寺の三門が公開された記録を知らない。今後も情報に注意していきたい。

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