松任ふるさと館
朝食は宿の簡単なバイキング。これも宿代に入っていてお得。パンが美味しかった。今日もこの宿に泊まるので、荷物を置いていける。軽装で出発。
金沢駅から福井行きの電車に乗って10分くらいの松任駅で下車。今日最初の物件は駅からすぐの松任ふるさと館。 乗った電車は懐かしい雰囲気の車両だった。 |
「ふるさと館」は明治から昭和初期に金融・米穀・倉庫業等を営んだ吉田茂平の元邸宅。昭和57年に松任市(「平成の大合併」により閉市、現在は白山市)が譲り受けて成立した。
門の額には「紫雲園」とある。吉田氏が付けたものではなく、市が譲り受けた際に公募で決まった名前だ。
到着したのが8:50で、開館が9:00。で、次に乗る電車が9:19なのでかなり急ぎ。当初の思惑通り、公式開館時間より早く開いていたので入館。
池泉回遊式庭園。大正12年の完成という。縁からは見えないが、滝がある。兼六園の滝を模した物という。降りて観ることはできなかった(あるいは急いでいたので「しなかった」?)。やたらと石灯籠があり、全部で29ある。かつては機能していたのかもしれない。
係員の方が説明をしてくれたがかなり長くなりそうだったので、急いでいることを伝え途中で勘弁してもらった。
ふるさと館の見所は庭園だけではない。ベンガラ塗りの母屋も、昨日金沢で観た瀟洒な座敷となっていて飽きない。この間は地袋があるので、琵琶床だろうか? それとも床柱が省略されているだけだろうか。もうちょっと数寄を勉強しないとダメだな…。
付け書院があるが、残念なことに庭との間で戸が閉まっていて景観は良くない。ちょっと気を遣ってもらえると嬉しいかな。
たぶん「福寿草の間」だったと思う。たぶん。天井板は屋久杉だという。
福寿草の間から控えの間に向かって見たときの欄間。鶴亀、梅松をモチーフとしている。両面透かし彫りで、控えの間からも絵柄が見えるが、やっぱり福寿草の間の方からが表になっている。
こちらは朝顔の間。たぶん。天袋、違い棚、床、出書院。出書院の下に地味に地袋がある。北向きなので暗い部屋。 |
欄間には風情のある透かし彫り。梁からはヤニが出ていた。
引き手にも注目。左は扇子、右は蝶が意匠されている。
入ってすぐの北側の庭園。玄関前庭園という感じ。苔庭になっている。 |
隣接する中川一政記念美術館別館との間の通路。吉田氏庭園に出る。 |
力強い梁。寺院の庫裡のそれのようだ。 |
係員の方には失礼をしてしまった。急ぎ駅へ向かう。なんとか予定の特急には乗ることができた。加賀温泉まで20分くらいの乗車。