金沢聖霊修道院聖堂
長町の武家屋敷群を抜けたところに一風変わった教会があるというので訪問してみた。
長町のはずれに建っている。周りに保育所や病院などがあり、すべて「金沢聖霊」の名がある。どこから入ればいいのか迷ったし、その前に開いているのかどうか怪しかった。 |
ようやく見付けた入り口から入って中の様子を伺う。「一風変わっている」というのは、畳敷きになっている点だ。しかし右側だけで、左側は通常の机になっている。ウロウロしていたら修道女の方が出てきたので、伺ってみると、元々は左側の机も無くて畳敷きだったようだ。なんと、机は後付けだったのだ。
修道女の方によれば、アーチ(左写真)の中央に描かれた手は神、その真下の白い鳥は聖霊、そしてその奥の中心に描かれているのがイエスということで、三位一体を表しているとか。
それにしても面白いつくりだ。中性初期の方式であるロマネスク様式だという。しかも木造。設計したのはスイス人マックス・ヒンデルという人物で、1931年にできたという。
ただし、柱は黒漆塗り、壁に群青など、金沢の伝統工芸の技術も取り入れられているという特異な建築になっている。
こちらは後ろ側。その隅にカトリック特有の告解部屋があった。見たのは初めて。告解部屋にはラテン語で"PAX CHRISTI EXSULTET IN CORDIBUS VESTRIS COL.3.15"とあった。帰って調べたところ、「コロサイ人(COLossians)への手紙」3章15節を表すもので、そこには「キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。」とある。
修道女の方がおみやげにと絵はがきをくれた。感謝の意を伝えて教会を後にする。
聖霊修道院の先には、無料で見学できる足軽資料館がある。こちらも曲水が取り入れられている。残っている建物は、野村家や高田家とは違った雰囲気。やっぱりクラスによってはっきりと違いが分かる。
右写真は「あま」とよばれる屋根裏収納。
屋敷内のパネルには「足軽ひとくちメモ」があり、結構面白かった。金沢にいる間はきつい仕事が多かったが、江戸へ参勤交代に行くと門番など気軽なものが多かったため、喜んで江戸に出る足軽が多かった、とか。
また、足軽は定員制で、一代限りの身分だったが、金さえ払えば町人でも農民でも足軽になれたため、空位になることがなかった、とか。
さて、長町はあらかた見尽くしたので、今度は大きく移動。金沢市の西側へと移動する。ちょっと時間がかかる。日も傾いてきたので急ぐ。