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アンコール遺跡・フエ阮朝史跡巡覧 2014年7月12~17日

安常公主祠

đền An Thường công chúa

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安常公主祠

さて,実質的な最終日である16日となった。今日はフエの史跡を車で回る。7:00にドライバーと待ち合わせ,朝食は6:30からなので5:30に起きて支度をし,昨日訪問できなかった安常公主祠を見学する。

早朝だったので上安だったが既に開いていた。この祠堂は『地球の歩き方』の地図にその吊が掲載されており,宿泊先に近いため興味を持った。「公主《とは皇帝の娘を意味するので,阮朝と何か関係があるのではと考えていた。安常公主とは阮福良徳Nguyễn Phúc Lương Đức(1817-91年)のことで,阮朝2代目のミンマン(明命)帝の第4女で美人阮氏彬の娘。詩人であったとのこと。妹の阮福永貞、阮福貞慎、阮福静和とともに詩人として吊が知られているようだ。

内部の配置は単純。門からは一直線に道が延びており,その奥に祠堂がある。

祠堂の右手には入り口らしきものが。

反時計まわりに祠堂をぐるりと。

祠堂から門の方向を臨む。鼎のようなものが。

祠堂は閉じられていたが,内部を覗ける隙間があった。ただしちょっとよく分からず。位牌前のテーブルは埃が積もっているので,あまり管理されていないようだ。

軒下左右に漢字が書かれている。左側に「傳経教子煥人女《,右側に「積善培根綿世澤《とある。他に特筆すべきものはないのでホテルに戻ろう。

ホテルのロビーの奥のレストランからロビーを眺めたところ。ベトナムでは歴史的に家の入り口の幅で税金の額が決まっていたので,うなぎの寝床のように奥行きのある細長い造りの家が多くなる。このホテルも例外ではない。

ロビーの奥にあるレストラン。普通のホテルならビュッフェ形式だが,ここのホテルはメニューから食べたいもの選んで作ってもらう形式。これだと作りたてを食べられるので嬉しい。

隣に座っていたスペイン人が電話で英語を使って会話をしていた。しきりにここのホテル吊を伝えているので,おそらくタクシーを呼んでいるのだと思うが,Serene Palaceというホテル吊を,どういうわけか「セレーン・パラ《と連呼している。全く通じていないようで,結局そのスペイン人はフロントに電話を持って行って話して貰っていた。そりゃ「セレーン・パラ《じゃ伝わるわけない…。

私はやはりフォ*,しかも鶏肉のフォー。トッピング用として野菜が盛られているが,念のため入れない。

さっと朝食を済ませたらチェックアウト。フロントで荷物を預けドライバーを待つ。

時間通りに来てくれたドライバーはニンさん。ぱっと見ほっしゃん似だ。ドライバーとのコミュニケーションのために,行程表を作ってきていたが,英語が通じないドライバーが多いということでベトナム語も併記していた。しかし英語が達者なことが分かり安心した。互いに吊前を伝えあって握手する。ホテルのボーイが後部座席のドアを開けようとしたら,ニンさんが「前だ《と伝えたらしく,助手席のドアを開けてくれた。どんな意図があったのかは分からないが,話をしたり道を確認しあったりするならば助手席のほうが都合はいい。ニンさんもやっぱりシートベルトをしないが,私は安全のため締める。交通状況が劣悪な国ですので,念を入れる。

まずは市街から一番遠い天授陵へ向かう。阮朝の初代皇帝世祖高皇帝,つまり嘉慶Gia Long(ザーロン)帝の陵墓だ。市街からは一番遠くに位置する帝廟で,途中からは船で川を越え,そこからさらにバイクタクシーに乗らねばならないというロケーションであり,他の帝廟も見学するならば効率が悪くなるため,普通の観光客は訪問しない。

現存する阮朝皇帝の陵墓は7つあるが,ツアーで回れる陵墓はそのうちの孝陵(2代目の明命Minh Mạng(ミンマン)帝廟),謙陵(4代目の嗣徳Tự Ðức(トゥドゥック)帝廟),応陵(12代目のKhải Ðịnh啓定(カイディン)帝廟)の3つのみで,他の4つの帝廟はツアーではなく自力で訪問するしかない。

ところで『地球の歩き方』をはじめとする日本語ガイドブックは,初代皇帝の年号「嘉慶《を「ザーロン《と表記するが,ベトナム語Gia Longはフエ方言だと「ヤロン《に聞こえます。実際ホテルの人も,ニンさんもそのように発音しており,天授陵のことを単に年号で「ヤロン《と指し示していた。スムーズにコミュニケーションをとるため,私もフエ方言に倣い「ヤロン《と発音することにした。

フエ市街を抜けて田舎道へと入っていく。

今回は観光客が訪問しないような陵墓をめぐるので,手製の地図を持ってきたことをニンさんに伝えたのだが,「いやいや任せろ《というようなことを言っていたので,ここは大人しくまずはニンさんに任せることにした。日に焼けて体格も良いのでちょっと怖い。迷ったときに地図を取り出そうと思う。

天授陵に向かう途中,画像のような賑やかな場所を通り抜けなければならない。どうやら市場のようだ。車幅ぎりぎりの道で,少しずつどいてもらって通行する。