同慶帝廟(思陵)・墓
14:09。寝から75mほど西に離れた思陵の墓部分が見えた。寝と墓の間は松林になっていて日差しを遮ってくれる。つかの間だが涼しさを味わえた。
建築資材にセメントと鋼鉄を使用しており,宗主国フランスの影響を受けた造りとなっている。12代目の応陵(カイディン帝廟)もセメントでできており,そのはしりと言える。
皇帝の陵墓であることを示すように階段の両側には龍が。
かつては扁額が架かっていたと思しき門。
文官・武官,馬や象の石像,そして華表柱が並ぶ拝庭。
その中心に碑亭が建っている。
碑亭から正門方向。
碑亭の背後から奥の陵墓部分を撮影。三段高くなっている。
いよいよ中心部分を攻略へ。
最初の段から碑亭エリアを振り返る。
最上段。幾何学的な模様のタイルが敷き詰められている。立派だが,自分以外の観光客がいない。訪れる人が少ないために保存状態が良いのだろうか。
門の前から振り返る。
いよいよ内部へ。門に施されていたと思しき装飾はほとんど剥離してしまっているようだ。門の両側には狛犬のようなものが。屏風にはやはり皇帝を示す龍の彫刻。
皇帝だけあって中の彫刻も他の陵墓とは段違いに細かい。
屏風の裏,つまり内部側の彫刻の中心には逆さになった蝙蝠。
中心部分の宝城が囲まれているエリア。
宝城。シンプルな造りになっている。彫刻も庇もない。
裏手の屏風。背後の屏風の上には一対の龍,そしてその両脇に一対の鯉が。登竜門ということだろうか。かなり凝った装飾だ。
段に麒麟と亀とが据えられていた。麒麟は背に巻物,亀は背に箱を乗せている。
よく残っているものだ。これは左手(南)側。
これは右手(北)側。
ん,裏手の方に何かあるぞ? 気にはなったが,暑さと疲れであそこまで確認しにいくのも面倒だったので,ズームで撮影して終わりにしてしまった。このときは文字もしっかり撮れるだろうと思っていたのだが,拡大してもなかなか読み取るのが難しい。コントラストなどを工夫してみると「□王氏之□」のように見えた。皇帝の側室の墓かとは思うが,王なる姓はベトナムには存在しない。比定は難しい。再訪が必要か…。