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フエの陵墓・王府祠堂巡覧 2015年3月6~10日

阮朝王宮

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阮朝王宮

現在15:15。今からホテルに戻っても16時にもならない。かといって適当なカフェに入って時間を潰してももったいないので王宮に入るか。さんざん見尽くしている王宮だが,復元のスピードには目を見張るものがあるし,17時までは中にいられる。空港までの車を予約したのが19時だから,まだまだ時間がある。

Lê Duẩn通りを東進し,Quảng Đức橋を渡って紫禁城へ。警備員に自転車を止められた。王宮前は車両通行禁止ということらしい。駐輪場があるということは聞いていたが,ここだったのか。値段を訊くと1万ドン。おつりで貰ったくたくたの5,000ドン札2枚をここで消費できた。

15:30。王宮へととぼとぼ歩く。もう急ぐ必要はないのでゆっくりだ。


太和殿の横を通って中心部へ。自転車を漕いでいたときは気がつかなかったが,ノドが乾いていた。中の売店で1.5万ドンという観光地仕様の価格でLaVieを購入。 珍しい阮朝の檔案史料が写真で説明されていたので,全て撮影した。他の観光客は全く興味が無いようだ。適切な復元かどうかは分からないが,そのスピードは速く,まだ余地はあるものの,ようやくこのような博物館的な側面も備えられるようになった。 王宮は修復が急ピッチで進められており,写真のような展示物が追加されていた。ようやく王宮に博物館的要素が加わった。 硃批の例。これは紹治帝のもの。かなり激しい硃批だ。 こちらはラストエンペラー保大帝の硃批。 これらはベトナム語の文書に対する保大帝の硃批。ただしベトナム帝国期の文書で,阮朝のものではない。左はベトナム語に漢字の「硃」批。右はベトナム語にベトナム語の硃批。 こちらはフランス語の文書に対する保大帝によるフランス後語の硃批。 今日巡ってきた王府の元の主たちの印章。 六部の印章。 16:30頃王宮を出た。入口である午門から出ることはできず,体仁門が出口になっている。2012年までは午門で出入りできたように思うんだけどな。 ゆっくりと駐輪場まで戻り,ここからホテルへと戻る。本屋に寄ってフエの地図でも買えば良かったかなとちょっと後悔。 この日は正午あたりに1時間ほど陽が出た他はずっと曇り。最高気温は29℃で,そのうえ体感温度も低かったので,サイクリングには最適だった。 17時にホテルに戻り,19時までロビーで休憩させてもらっていたらホテルの女性スタッフが日本語を教えて欲しいと言ってきたので,1時間ほど即席の日本語学校を開いた。簡単な挨拶・単語,ひらがな・カタカナは分かるので,ある程度突っ込んだ内容を教えることができた。日本語を教えるのは初めてで,いろんな発見があった。「おいしかった」という単語が理解できなかったようで,理由を尋ねると「なぜ形容詞に過去形があるのか」と悩んでいた。そこで「is goodとwas goodの違いだ」と伝えるとなんとか理解して貰えた。英語とは違い,語尾の活用で意味が変わることを教えないといけないが,それを説明できるだけの英語力が自分には無いのがもどかしい。ホーチミンで買った日越・越日辞典を紹介してあげた。 日本語学校を1時間ほどしたあと,ホテルのレストランで夕食をとった。主だったフエ料理・ベトナム料理は食べてしまったので,最後の食事はグローバルなものをと,サンドイッチにした。味が分かっているので安心して食べられる。疲れた体には何も考えずにぼーっとして食べられるこういうグローバルなものがちょうどいい。 食後,先ほど日本語を教えたスタッフAnne(ニックネーム)に,ホテルで働くのに必要な言葉をひらがなで書き,英語を併記したリストを渡した。 19時に空港までの車が到着,あとは帰国するだけだ。 ホテルに戻ったのは17時を過ぎたあたり。ホテルスタッフに「19時までまだしばらく時間があるけど,どうするの」と訊かれたので「とりあえずロビーで休ませてくれないか。その後でレストランで夕食を摂りたい」と答えた。 ロビーの椅子に座って汗を拭き取ったり眼鏡を拭いたりとリフレッシュしていたら,ホテルスタッフがやってきて,お茶か水はどうだ?と訊かれたので冷たい水を所望。かなり嬉しい。汗がひいた頃,スタッフが話をしてもよいか,と訊いてきた。なんでも日本語を勉強したいから教えて欲しいとのこと。疲れているのでもう暫くじっとしていたかったが,こんな経験など滅多にできそうもないので二つ返事で引き受けた。 1時間ほど教えた頃そろそろ夕食を摂っておかないとまずいので,日本語教室をいったん終えることにした。夕食を摂っている間,教えて欲しいことを考えておいてと伝えた。 レストランでメニューを見たが,ベトナム料理は食べ尽くしたような感がある。そこで目にとまったのが洋食メニュー。サンドイッチを注文した。こういうグローバルな味は外れがない。安心して食べられるものだ。ベトナムでなぜNew York Club Sandwitchなんだ,と突っ込まれそうだが,疲れてしまうとこういうのを食べたくなる。しっかり20分かけて出て来た。食事を終えたのは18:40頃。あと少しで出なければならないな。 預けていた荷物を受け取ると,スタッフから「どうする? もう出るか? 実はドライバーがもう来てる」と言われたが,こっちはさっき食べたばかり。「ごめん,もう少し休ませて」と言ったら「OK。出るときに声をかけて」と。 もたれないように胃薬を飲んだり荷物を整理したり。それを終えると18:50になるところだった。ドライバーはユンさんではなかった。外はすっかり暗い。19:20頃に空港到着。最後のチップを渡してカウンターへ。出発は20:40で到着が早すぎたが,ロビーにいてもしょうがない。 ここで成田までのボーディングパスも渡されるものと思ったので,カウンターにウェブチェックインの内容を見せたが,結局渡されたのはホーチミンまでのボーディングパス。ホーチミンまでのフライトが遅れたらエライことだと思ってずっと心配していたが,遅延はないようだった。最悪の場合,すぐに空港周辺のホテルを手配できるにと身構えていたのだ。早々と保安審査を終えて出発ロビーへ。 眠くなってきた…。ひしひしと旅の終わりを感じる。もう使い道の無さそうな1000ドン札2枚を募金箱に投入。残りは1万ドン札,2万ドン札が1枚ずつ。奇しくも前回日本に持ち帰って,今回持ってきた額と同じだ。 通路側なので搭乗口に急ぐ必要はない。というか,沖漬けでバスに乗るので列に並ぶ必要が全く無いんだよな。それなのにベトナム人はせっかちだ。意味が分からん。 搭乗してiPhoneをフライトモードに。ホーチミン到着は22時直前となり,日本時間で日付が変わる。それ以降使ってしまうと海外パケット放題の料金が無駄にかかるので,このまま帰国までフライトモードで寝かせてしまう。 出発は20:34。少し早かった。 ホーチミンまではぼーっとした時間。風邪は少しよくなったと思うが,相変わらず耳がおかしい。 21:59。ホーチミン到着。少し遅れたようだった。 タンソンニャット空港国内線ターミナル。しばらくぶりだから懐かしいな。予想に反して大して蒸し暑くない。国際線ターミナルまでとぼとぼと歩く。 3分ほどで国際線ターミナルに到着。 現在22:15で0:30出発。余裕の乗換だが保安審査が長い行列を作っていたので慌てて並ぶ。 本格的な保安審査の前に,なぜか手荷物のX線検査があり,2台しかない上,誰もまともに並んでいないのでボトルネックになっていた。なんじゃこれ。本格的なX線検査はその奥でやるのにな。 23時頃にようやく抜けた。水は要らないと思っていたけど,ノドが乾いてしょうが無い。3万ドンを使い果たすために買っておくか。小さな売店で値段をチェックすると2.5ドル…。高っ! 3万ドンは1.5ドル弱。かなり微妙だが,1ドルと一緒に出して「足りる?」と訊いてみたら,混雑していてめんどくさいからなのか「OK」と言ってくれた。0.1ドル程度足りないんだが,それくらいなら許容範囲らしい。 恐ろしく高い水だが,あと1時間過ごすには充分すぎる量だ。目を付けていた椅子には他の人が座っていた。しょうがないので搭乗ゲート前のロビーへ。周りは見事に日本人だらけ。ホーチミンで遊んできたと思しき人もいれば,アンコールワットの話をしている人もいた。シェムリアップから飛んできたんだな。 定時に搭乗開始となった。日本人相手だと定時対応なんだよな。 タンソンニャットでは沖漬けではなかった。もう既に眠いのであのぎゅうぎゅうのバスに乗らずに済むのは嬉しい。 モニターとUSBポートのある機材だった。ホーチミン発の国際線の機材は大丈夫みたいだな。ただし故障しており,モニターの表示がおかしくなっていた。 隣に座ったのはベトナム人男性。動く度に肘が当たるので困る。寝てくれれば問題ないんだろうが…。 ほぼ定刻通りに離陸。 眠りたいのだが,隣の男性の肘が当たりまくる。そのたびに起こされてしまい,結局ぐっすり眠ることができなかった。 フライト自体は5時間程度。最初の1時間程度でドリンクなどが配られる。着陸2時間前に機内が明るくなって朝食が配られる。だから寝られる時間は2時間しかない。 最後の機内食。洋食を選んだが外れだった。朝食はいつもいまいちだ…。 到着は7:30。7:51に快速が出るので,急いで飛行機を出た。帰国審査をパスし,預け荷物はないので税関まっしぐら。申告するものは何もないし,荷物も少ないので5秒ほどの会話で終了。ホームに行く前に預けていたコートを取りに到着ロビーへ。南ウィングの店なので反対方向だ。無駄に時間が取られてしまう…。支払いを済ませると7:43となった。あとは残ったドルを両替したいが,近くの両替所では3人ほど並んでいたので諦めてホームへと直行した。グリーン券を買って乗車したのが7:47。預け荷物が無ければ,到着から17分で電車に乗れてしまうのか…。コートが無ければ15分で乗れたな。タンソンニャットからトイレに入っていないが,あと1時間くらい我慢しよう。列車内で冬服へと着替えをすませると電車が動き始めた。この車両には自分の他に誰も乗っていない。 今日は火曜日。通勤時間にバッティングしているため,グリーン車といえども客が乗り込んでくる。異様ないでたちの自分を乗客はどう観ていたんだろうか。旅行中は髭を剃らないので生え放題だし…。 最寄りの駅で,久々に3月初旬の東京の空気に触れた。やっぱり寒いなぁ。ザ日本食が恋しくなって,コンビニでカツカレー弁当を買って帰宅した。ちょっと早い昼食にしたが,やっぱりうまい。その後急激に強烈な眠気に襲われて3時間ほど仮眠。 ヨーロッパの出張帰りで,しかも風邪をひいた状態だったので不安があったが,結局は行って良かったと思う。ベトナムはやっぱりいいなぁ。バイクと一緒に自転車で走ってみて,分かったことがいろいろあったし,観光業でないベトナム人の人の良さも実感したと思う。 フエは好きだが,もう観るべきものがなくなった。それでもまた行きたいと思ってしまうところだが,そろそろ他の国も観たい。 ヨーロッパ出張を経ることで,ヨーロッパにも関心を持つかと思ったが,あまりそんなことはなかった。勿論日本との文化の違いはあるが,ベトナムほどの違いはなく,外国に来ているという実感はなかった。 やっぱりタイに行きたい。政情が安定しているが,どうせまた不安定化するのだから,今のうちに行っておきたい。スコータイとアユタヤを観たい。 あとはインドネシア。アンコール遺跡で仏教・ヒンドゥー教系遺跡に関心を持ったので,ボロブドゥールを訪れたいのだ。 残った100ドルはドルを扱う市井の金券ショップで円に両替した。両替というよりドルを売ったという感じかな。
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