会津越後異境巡礼 2003年1月6〜9日 柳津に至るまで

すっかり柳津の魅力にとり憑かれてしまった。一度は夏に行ってみたいとも思っているけど、冬の柳津の良さを知ってしまっているのでなかなか踏み出せない。

今回、周遊きっぷ(越後・新潟ゾーン)を使った。18きっぷでもいいのだけど、周遊きっぷだと10000円程、18きっぷだと、5日使えるが11500円になってしまう。ゾーン内では特急が乗り放題なので今回は周遊きっぷを採った。

周遊きっぷは3つのきっぷで構成されるセミオーダー式のきっぷ。各観光地に対して「ゾーン」が設定されており、ゾーン内の新幹線、特急、普通列車が乗り放題(一部乗れない新幹線がある)。ゆき券、帰り券は通常のきっぷより学割で3割引き、一般でも2割引なのでオトクな感じがある。が、ゾーンの設定、価格設定に問題があったり、出発地からゾーンまでの距離が201km以上でないと発券できないなど細かで複雑なルールがあったり使いにくいきっぷとして有名でもある。

当初は4日につくばを出発、途中中継地として実家で2泊、6日に実家を出て、会津に向かうという予定だったが、元日早々高熱を出してしまい、2日に両親に迎えに来てもらい、予定より早く帰省することになった。

風邪が6日までに回復するかどうか心配だったが、なんとか食欲も戻り、間に合った。

6日

最寄りの黒田原駅から電車に乗る。8:00だというのにまだ駅員がいない。相変わらずやる気のない駅である。半無人駅じゃねぇか。駅舎で乗車証明チケットを取り、乗車する。

黒田原駅も雪がうっすら積もっている。昨晩から雪が降っていたのだ。今日は奇麗に晴れている。

黒田原駅の次の豊原駅は完全な無人駅。両親の話に拠れば20年前にはまだ駅員がいたそうだ。周りに民家は見えない。細いものの道路があるので「秘境駅」にはならないのだろうが、「準秘境駅」としてこの駅を推したい。勿論だれも降りないし、乗っても来なかった。

白河駅に停車。白河城が見えた。城に関して全くの素人だが、プロポーションが怪しい。何だか変だ。

郡山に近づくと乗客も増えてきた。隣の女の子二人の会話が聞こえてきた(聞いたのではない!)。訛りが凄いぞ。

郡山駅で乗り換え。相方とここで合流する予定。一旦駅を出て駅ビル内のロッテリアで待つ。隣の女子高生の話が聞こえてきた(聞いたのではない!)。どうやらこの2人は仙台に行きたいらしい。観光ガイドを拡げて見ている。訛りがひどい。携帯電話でどこかに問い合わせている。「すいません、バス出てますか?」電話だと訛りが少し無くなるのは謎。「運休だって〜!」もう一人に報告している。どうやら仙台までの高速バスが出ていないようだ。雪が凄いのだろうか。この先会津まで行けるのか、それからその先柳津まで行けるのかどうか不安になってきた。会津地方は日本有数の豪雪地帯。

女子高生2人は「電車でいくしかねぇ〜。」と訛りが戻る。そして次に彼女たちの口から発せられた言葉に耳を疑った。「フツーにありえないんだけど。」???どういう意味?「普通では考えられない状況だ」という意味かとも思ったけど、それでは「フツーじゃありえないんだけど」と言う筈である。どうやら「あり得ない状況が普通に発生している」という意味らしい。何て日本語だろう。恐れ入りました。それに女の子の一人称がだった。

郡山に来たら三万石という菓子屋の「ままどおる」という洋菓子を是非食べてみて欲しい。かなり美味しいお菓子である。お土産に最適ですぞ。

女子高生2人はロッテリアを出ていった。2人は何も注文せずに居候していたらしい。強いなぁ。ケチな僕でさえコーラのS頼んだのに。

相方からメールが届く。強風の為に40分ほど電車が止まったらしい。予定の電車には乗れない。柳津に行くには全然問題のない遅れだが、会津若松での時間が全くなくなる。そこで多少出費することになるが、特急で向かうことにした。

言い忘れていたが、柳津のある只見線という路線は、「フツーにありえない」ダイヤが組まれている。下り列車だと7:00代の次の電車がなんと13:00代!そしてその次が17:00代!上り列車でも9:00代の次が13:00代!一本逃すと予定ががたがたになってしまうが、逆に言えば予定が多少遅れようともビクともしない、次の列車までたっぷりと余裕がある、ということでもある。

相方も登場、特急に乗り込む。

 
雪国です。時刻表を見ると分かるが、この特急、快速列車とあまり変わらない速度。理不尽な特急である。「これ特急か?」と、乗っていてもその遅さを体感できる。

一時間後、3分遅れで会津若松に到着。12:00。会津若松に滞在できるのは1時間ほどしかないが、観たいものは一ヶ所のみなので余裕である。駅から1kmほどなので、タクシーで移動する。時間はないが、今夜宿で飲むために会津若松で酒を買う。僕も相方もあまり飲む方ではないので少量のやつ。

タクシーは、初乗りで済むかと思ったが何故か2メーターも上がってしまった。1km程なのに何故???

目的は阿弥陀寺という寺。ここに御三階という木造三階建ての御堂がある。
 
三階に床があるのは確実だろうが、二階に床はあるのだろうか。中を観ることができないので分からないが、吹き抜けになっている可能性もある。二階にも床があれば凄いのだけど。右の龍は一階入口の上にあったもの。

この阿弥陀寺、残念なことが一つあった。

御三階を観たあと、阿弥陀寺の本堂へ入ろうと靴を脱ごうとしていたとき、どこかから声が聞こえた。顔を上げ見渡すと、住職が住んでいると思われる家の二階に、窓を開け、こちらを見ている人がいるのが分かった。どうやらこの人が住職で、僕らに声をかけたらしい。靴をはき直し近づくと、「閉まっているよ」と言った。・・・え?「今開ける」、もしくは「拝観はお断りしている」と言うなら分かる。どうして「閉まっている」と言ったきりこちらを凝視しているのか分からない。家から出てこようともしない。「入りたいの?」とも言ってこないので、「あ、あの御朱印を頂きたいんですが」と言うと「ウチはやってないの」と返してきた。うーん。まあやっていないお寺があってもいいのだけど、彼が矢継ぎ早に言った言葉が信じられなかった。

「そこに『土足お断り』って書いてあるの見えなかった?」

・・・。

この人は・・・。「靴を脱ごうとしていたところです!土足で上がるなんてことしません!」と言うと、彼は頷くだけで事を済ませてしまった。なんて住職、いや、なんて人間だろう。浄土系だからひょっとすると戒壇巡りがあるかも、と淡い期待があったが、この一件で完全に興味を失ってしまった。「本堂が閉まっているってどういうことですか?一般拝観はないんですか?それとも僕らだから開けないんですか?」と言っても、彼は訳の分からないことを言って「開いていない」と言うばかり、しかも降りて来ようともしないので呆れてそのまま立ち去った。ここはこれ以上居るべきところではない。

「土足お断り」ならきちんと掃除されているべきだし、雪でぬれているならシートを敷くなどして素足でも拝観できるような環境を整えるべきだ。実際ぬれていたが、それでも靴を脱いで入るまでの魅力は感じていたのに、あんなことを言われれば冷める。拝観に積極的でない寺、と思われても仕方ない。阿弥陀寺は会津若松の観光マップに出ている。完全な観光寺の筈だが。

寺を観ていていつも感じることだが、寺の人(住職、寺務員など)こそ人を見た目で判断するような人が多いような気がする。とても残念だ・・・。「気がする」だけだと信じたい。

気を取り直し、近くの和風喫茶で昼食をとることにする。何故か僕は春巻き定食、相方は韓国風辛口うどん。和風喫茶なのに・・・。うどんは石焼きビビンバ用の釜に入ってきた。ぐつぐつと血の池地獄のように沸騰している。ただでさえ辛いのに!!ちなみにどちらにも会津の郷土料理こづゆが付いた。浅い小皿に盛られる汁もので、小さく切った野菜が入っている吸い物。

いい時間になったので、近くの七日町駅へ。
 
無人駅のくせにかわいい駅舎だ。内部にはなんと喫茶店が!駅CAFEというらしい。びっくり。

ここから柳津へ向かう。この電車の次は17:00代なので絶対に逃せない。驚いたのはこの電車を使っている高校生たちがいたこと。日に数えるほどしかないダイヤなのに、逃したらどうするんだろう・・・。


雪の川。いい感じです。

 
雪原。どこまでも雪です。

30分ほど走ると山へ入っていく。ここから魅力的な駅が続く。ちなみに只見線の電車は非常に遅い。時速30km程だと思う。魅力ある景色をじっくり観ることができるから丁度いいのだ。

  
これは塔寺。以前はもっとぼろい木造の小屋だったのにちょっと残念な感じ。でも屋根つきの階段はそのまま。勿論降りる人はいない。誰が利用するのだろう。周りに民家が見えない。


林がつづく。まるで北アメリカ大陸みたいだ。

 
次は会津坂本。なんて駅なんだ!!

会津坂本の次が目指す会津柳津駅。支度をして待つ。


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