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播州の古刹巡り 2008年5月3日〜5日

伽耶院

かやいん

兵庫県三木市志染町大谷

神戸電鉄緑が丘駅から神姫ゾーンバス、伽耶院口下車、徒歩10分

マピオン

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伽耶院

湊川公園で神戸電鉄へ乗り換えて、緑が丘で下車。既にここがどこなのか分からなくなっている…。まったく土地勘がない。

バスへは4分の接続だったが、ちょうどお昼どきだったのでコンビニで食料を調達。

バスに乗ったのは数人の年寄りと私のみ。いったいみんなどこに行くのやら。

伽耶院最寄りのバス停で下車。自分ひとり。既に誰もいない場所だった。バスの運転手から伽耶院へ行く道を教えてもらい、歩き出す。

伽耶院までは10分ほどの道のりだが、途中は代わり映えのしない田園風景で退屈。歩く人もいなければ、車さえも通らない。本当にこの道でいいのか不安になってきた。途中でフジの花が咲いているのを見た。綺麗だ。

道が間違っていなかったのを示すような仁王門。

なんだか張りぼてのような仁王門だが、伽耶院の立派な表玄関だ。

しかしその主である仁王はどちらも朽ち果てており、胸部を残すのみとなっている。クロス(聖衣)みたいだ。

ずんずん進むとやっと伽耶院の入り口に行き着いた。

駐車場前にはほとんど流れのないごく小さな川があるが、その上部にはがりがりと削られた地層が剥きだしになっていた。これがいわゆる柱状節理というやつらしい。

珍しいものを見た。

さっそく境内へ向けて歩こう。

階段の先は「納経所」と案内されていたので、本坊かと思う。

伽耶院の境内はこの先ではない。

かつては130を超える坊を持っていた巨刹だったらしいが、その風格が左画像に現れているおうに思う。

まずは開山堂。法道仙人を祀るという。一乗寺でも法道仙人を祀っていた。本当にこの地域の古刹の開山はこの法道仙人ということになっているようだ。

正面の扉のかたちが面白い。右端が開いているので侵入してみよう。

外観は質実剛健といった風だったが、中は華美。天女や飛天(顔が女性の鳥)まで飛んでいる。きらびやかな装飾がほどこされている空間。

さて、伽耶院境内の中心部。手前が本堂で、奥が多宝塔。さて、この寺院、右画像を見て分かるとおり、いちいち御触書が粋で面白いのだ。「入山料は草ひき十本」なんていいじゃないですか。300円というちまちました金を取るくらいなら、こういうのがいいと思う。

さて、本堂に入ろう。中央には「毘沙門天」の額が。どうしてか毘沙門天信仰の寺院らしい。

左の御触書もまたいいじゃないですか。なんて粋なんだ。右のはちょっと笑える。別にそこまでいちいちことわりを入れなくても、という感じ。バカ丁寧というかなんというか。愛嬌のある寺だね。

「山伏の寺」とあるが、毘沙門天を祀っていることから、おそらくは金属信仰が核となっていると思われる。毘沙門天は金属神なのだ。眷属としてムカデ、タヌキがいるが、それぞれ鉱脈、ふいごを連想させるからだ。

内陣を激写。毘沙門天は厨子の中に入っているようで、非公開となっていたが、立派な厨子となっていた。右端にはなぜか人形が棚に並べられていた。人形供養の寺でもあるのだろうか。

多宝塔。塔はやはり軒下の組み物を見上げるように撮ると面白い。立派なものだ。内部には弥勒菩薩を安置しているというが、閉ざされており見ることは叶わない。

二天門。どうやらここが伽耶院境内の本当の入り口だったらしい。

勝手口のようなところから侵入してしまっていたようだった。

二天門の手前には上のような正体不明の石像が…。いろいろ彫られているようだが、それぞれが不明。妖怪のようだぞ。

伽耶院境内を外から見たところ。

緑の中にすっぽりと収まっている山寺だが、洗練されていて田舎っぽさは感じられない。ベンチなどもあり、ゆっくりできる。気持ちがいい。

帰りのバスまでは1時間以上あるのでゆっくりしていこう。

行者堂。ぼんぼりには「神変大菩薩」とある。役小角のことだが、内部にはやはり彼が安置されているらしい。残念ながら厨子入りで拝観叶わなかった。この厨子も立派だ。屋根が変わっている。

こんな立て札も。

「たたりなど無い、それは迷いだ。」とはっきり言っている寺院は少ない。仏教では霊魂の存在、ましてやそれに起因して起こる超常現象などを全て否定しているはず。それにも関わらず、霊がどーのこーの言う寺院は多い。

その側面から、私はここを信頼するに足る寺院だと思った。

ツツジが綺麗なんだな…。

30分ほどベンチでぼーっと過ごし、また農道を10分歩いてバスを待った。バス停の周りは田んぼばかりで、建物と言えば、200m先に小さな酒屋があるだけだった。

緑が丘駅に戻る際、道の両側がずっとツツジが植えられ、今見頃を迎えていることに気が付いた。こんな道がえんえんと続いていた。

実は、今回の旅程はこれで終了。

三ノ宮でロッカーから荷物を取り出し、新快速で京都へ。一時間もかからずに到着。

京都駅前では新たな京みやげとして売り出し中の「京ばあむ」の実演と試食が行われていた。抹茶入りのバームクーヘンらしい。

今回の旅はこれにて終了。初日でヘコたれそうになったが、後半、神戸に着いてからは様々な宗教の施設を見られたし、落ち着いた寺にも訪問することができ、まぁ良かったのかなと思う。

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