更新履歴

播州の古刹巡り 2008年5月3日〜5日

東福寺塔頭退耕庵

たいこうあん

京都府京都市東山区本町15-793

東福寺駅から徒歩4分、東福寺バス停から3分

マピオン

top / next

東福寺塔頭退耕庵

今回は神戸や姫路の物件をメインとして二泊三日の行程で巡る。本来ならば、 3月の「近畿の古刹巡り」で観てくる予定の物件だったが、急遽予定を変更してGWに巡ることにしたのだった。というのも、神戸の太山寺の塔頭安養院の庭園がGW中に特別公開となるからだった。

また、折しも京都では春の非公開文化財特別公開実施中、また京都国立博物館では暁斎展が開催中とのことで、一日目は京都を巡る。二日目は姫路と神戸市街、三日目は神戸郊外の予定だ。

朝食は東京駅駅弁。もう何を選んでも一緒な感じがする。

とりあえず、「季節限定」とあるものを。少しでも変化のあるのがいいだろうと思ったのだが、結局はどうってことない感じ。

いや、美味しくないわけじゃなく、むしろ美味しいのだが、「これは!」とコメントできるものが特にない…。

京都駅に到着後、奈良線に乗り換え。まずは東福寺。

一緒に電車を降りた虚無僧。東福寺には明暗寺という塔頭があるのだが、そこは虚無僧でおなじみの普化宗の寺(実際は普化宗は、宗派としては明治に廃されたのだが、今では臨済宗の一派として生き残っている)。去年の秋には偶然にそこで奉曲大会があったので、今日も何かイベントがあるのだろうかと期待してしまう。

東福寺に向かう前に駅近くのファミリーマートで電池を購入したのだが、この虚無僧と一緒に入店した。さすがに虚無僧はカゴを取って素顔をあらわにしていた。とりあえずフルフェイスメットと同じだからね…。彼が何を買ったのかは関知していない。

退耕庵。予約すれば庭園などが拝観できるらしい。今回はそれを知らずに来た。とりあえず観られるものは観ておこうと。GWだというのに葉が色づいている。

境内には「小町寺」と額の掲げられたお堂が。どうやら小野小町ゆかりの堂宇らしい。

内部奥中央には白顔の地蔵菩薩像が安置されていたが、これは「玉章地蔵(たまづさじぞう)」と名付けられている。「玉章」は「玉梓(たまあづさ)」が訛ったもので、手紙を意味する。手紙を伝える使者は梓の杖をついていたことより、その杖を以て手紙のことを示しているという婉曲表現。「玉」は尊敬表現。皇帝や天皇の体のことを「玉体」というのと同じ。

で、なぜこの地蔵が「手紙地蔵」なのかというと、内部に小野小町宛の恋文が収められていると伝えられているかららしい。プレートにある解説の文体が面白いので転記する。なお、括弧内は私が勝手に仮名を振った部分。

「小町の美貌は、世の浮気男の心を悩乱し、遠近より贈る艶書は宛(あたか)も降雨の如しと云われた。老後小町はこれら愛執の罪を滅する標(しるし)にと自からこの像を建て諸方からの艶書を集めて像の腹中に納めたと云う。」

要するに「ウザかったので処分した」ということらしい…。恋文でいいのに「艶書」て。嫌がられ感たっぷり。「愛執の罪」ですか…。手厳しいなぁ。

「小野小町の作」とあるが、信じがたい。単に顔が白く口が紅いので、小野小町と結びつけられたのではないか。先ほどの解説には続けて、

「後に不心得者が腹中に艶書のある事を伝え聞いて此の像の後を破ったおり、復内に長さ三尺許(ばかり)の石の五輪あり慈眼大師の銘あり、豊臣秀吉公の北方政所の右筆(ゆうひつ)小野於津宇(おののおつう)の苗孫にあたる為特にこの像を貴敬し破損の時は自らの手でこれを修め彩色を施したと云う」

とあるように、結局「艶書」があったかどうかには触れていない。きっと無かったのだろう。右筆(=文官、書記)の「小野於津宇」という人物でさえ実在が疑わしい。しかもその苗孫(=末裔)というのだから、さら「でっち上げ」感が強くなる。具体的に何世孫とあるならまだ信憑性があるというものだ。

小野於津宇とはまた奇妙な名前だ。読みが「おつう」で合っているのか分からないが、きっとそうだろう。字自体に意味があるように思えないし、そもそも「於津宇」はカタカナの「オツウ」そのものじゃないか。

というかね、この際「豊臣秀吉公の北方政所の右筆」というのは、特に必要な説明じゃないのだ。これはトンデモ本がよくやる手で、権威のあるものから名だけを借りてくるもの。知り合いの知り合い。それって結局他人じゃねーか、というやつ。

しかもこの解説には、小野於津宇なる人物が小野小町とどんな関係があるのかさえ全く書いていない。共通点はただ単に「小野」という姓を持っているだけ。「オツウ」という名前はそこに取って付けたような感が強い。

この堂宇の天井には、いろんなスタイルの観音菩薩が。さしずめ観音写真集という感じ。きっと三十三あるのだろう。

私につられて家族連れが境内に入ってきた以外は誰も訪れなかった。

さて、この後開山堂を観るつもり。

駅から東福寺までの道は結構気に入っている。

ちなみに、一番先には、一緒にファミリーマートに入店した虚無僧がいる。

現在、「日中文華交流 〜東福寺禅と中国文化展〜」という特別寺宝展示が開催されている。開山堂を観たあと、立ち寄りたい。

top / next


SEO [PR] カード比較  冷え対策 温泉宿 動画無料レンタルサーバー SEO