北陸異境巡礼 2002月10月4日〜7日

直江津駅で17:30頃の電車に乗って、新潟方面へ向かう。もう既に日は落ち、暗くなり始めている。次の目的地は駅そのもの。

青海川駅

18:30頃、青海川という駅で下車。誰も降りない。僕一人だけ。車内の人の目線を感じる。「なんでこんな駅で降りてんの?」って感じ。結構恥ずかしいけど、優越感も感じた。なぜでしょう。この駅は、こういう駅だからです。
ホームを降りると目のまえに日本海が広がっているのだ。海から吹く風が心地よい。このロケーションを独り占めだ。さっきの優越感はこれなのだ。

ホームの下は崖になっている。さて、周りを散策することにする。既にあたりは真っ暗なので、懐中電灯で照らしながら。

駅名標はこんな感じ。ロマンだそうです。

とりあえず海に出たい。潮騒は聞こえているんだけど、どこをどうやって行くんだろうか。懐中電灯の光を頼りに、線路の下をくぐるトンネルを見つけた。

これはちょっと勇気が要ります。懐中電灯を相棒に先に進む。

海です。でも暗くてわかりませーん。海岸のすぐ近くには海にそそぎ込む清流がある。結構激流になっているようで水の音が激しく聞こえている。

さて、海の方はこれくらいにして、線路をはさんで向こう側、陸側をちょっと散策してみることにする。

陸側に向かって上を見上げると、50mもの高さの柱で支えられた陸橋が架かっている。その陸橋を支えているのは、こんな大きい、太い柱である。

 
これは凄く怖いよ。だって、
こんなカンバンがあるんだよ!50m以上はあろうかという高さからモノが墜ちてきたら・・・。こんな凄い状況なのに、陸橋の下には10数棟の集落が。怖くないのかな。陸橋ではトラックが激走してます。居眠り運転のトラックが墜ちてくる可能性だって充分に考えられるわけで・・・。こわーい!!

この集落は数十メートルの山々の谷間にあって、おそらく上界と連絡しているであろう道路の先は完全に真っ暗。先が見えない。つまり、この集落は孤立しているのだ。

数十メートル上方には緑色の光で怪しくライトアップされた巨大風車がぐるんぐるん廻っている。青海川駅ホームでも海風が結構強く吹いていた。数十メートル上方ではもっと強い風が吹いているに違いない。あんな大きな風車が廻っているのだから。ますます怖いよー。強風にあおられ、ハンドルをとられたトラックが墜ちてくるかも・・・(こればっかり)。

びくびくしてても始まらないので、散策を続ける。何か施設が・・・。「さけのふるさと公園」。だそうだ。この付近でサケの稚魚を放流しているそうで、それに因んだ記念館らしい。結構微妙ですが。かろうじて自販機が。この自販機はこの辺で唯一の自販機でした。

駅のすぐ近くには諏訪神社という小さな祠程度の神社があった。神社は高台の上にあって、戒壇がきつい。神社入口には「津波避難所」と書いてありました。この付近の住民は津波があればこの神社に避難するようです。

そろそろ駅に戻ります。駅に戻ると電車が来るまであと10分となりました。ということは50分もこの世界で過ごしたことになる。持て余した感もなく、充実した1時間でした。

駅舎には5匹の蛾が元気よくばたばたしてまして、リンプンを思いっきりまき散らしていました。

いい駅です、青海川駅・・・。また来たいなあ。

ホームには意味不明の文字列が・・・。矢印の先には、線路しかないんだけど・・・。男子たるもの、線路に飛び込めってこと?

やがて青海川駅に入ってきた電車に乗り込む。乗客の僕を見る視線が凄い。僕はさらに乗客を驚愕させる行動を取ることになる。すぐ次の鯨波駅という無人駅で降りてしまったのだから!!

鯨波駅は青海川駅のような秘境度はないが、無人駅で寂しい感じはする。本当はこの駅で下車する積もりはなかった。長岡で夜行に乗るのだが、このまま長岡に向かっても空気のよどんだ待合い室で永い時間を潰すしかない。だったら空気のいい文字通り誰もいない無人駅のホームで待つ方がずっとずっと快適、ということで、わざと無人駅を選んで時間を潰しているのだ。コンビニもないんだよ。

再び一時間後に来た電車に乗って、すぐ次の柏崎駅で降りる。ここは結構大きな駅。晩御飯をさがして街へ繰り出す。駅前の商店街は、まだ九時にもなっていないのに全部シャッターが閉まっているという最悪の状況。コンビニさえもない。やばいなあ、新潟。結構歩いた先にやっとイトーヨーカドーがあった。お総菜コーナーで弁当を探す。閉店間際だったので、半額以上値引きされていた。寿司が200円!のり弁が200円!贅沢にも二つ買って駅へ戻る。柏崎駅の待合い室は空気の入れ替えが良くできていて、その上テレビまであった。しかも夜だったから人も少なく(といってもまだ九時なんだけどね・・・)快適。ここでテレビを見ながらのり弁を摘む。ここで一時間半潰さなくてはならなかったが、待合室のイスの背もたれはいい感じに傾斜していて、その上テレビも結構面白かったので、楽しい時間つぶしでした。

 
待合室の自販機には地元乳業の良寛ブランドドリンク・・・。良寛って。関係ないよ。しかもこの大きさで100円って高くない?

一時間半後、長岡駅行きの電車に乗る。

長岡駅には良寛像が・・・。

長岡駅で2時間ほど時間を潰し、やがてやって来た夜行に乗り、帰途についた。


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