北信ゆるゆる異境巡礼 2002年12月27〜28日

善光寺ちかくの権堂駅から長野電鉄という私鉄で移動。途中まで地下を走っている。外はひたすら雪が降っている。周りを見渡すと山々山々・・・。

終点湯田中駅で降りる。湯田中も有名な温泉地だが、宿泊地はここから車で5分強ほど行ったところにある渋温泉。少し進めば別の○○温泉が出てくるといった具合。宿のワゴンで移動。

渋温泉

宿のワゴンは細い雪道を激走!雪国の人にとっては楽勝なのかもしれない。

 
古久屋という宿。ここは400年の歴史がある古い宿だそうで、小林一茶も宿泊したことがあるというのがウリ。一茶は分かりやすくて好き。「大根引き 大根で道を教えけり」。玄関先には源泉が噴出していて、温泉卵が作られている。1個50円で買える。

中に入ると早速内部を説明された。この宿は複雑な構造をしていてまるで迷路のようだ。一旦外に出てみたり、同じ二階なのに違う階段を使わないと移動できなかったり、地下道(!)があったり。しかもどんどん説明していくので途中からどうもよく分からなくなった。案内してくれたおばさんが最後に「分かりますか?」と訊いてきたけど、適当に「はい」とも言えず、「後でじっくり探検します」と答えておいた。正直かなり興味をそそられる構造で面白い。


宛われた部屋は「よしの」。他に「だいご」、「さがの」などの部屋がある。何で京都風味なの?嬉しい炬燵!!案内のおばさんが冷蔵庫から茶菓子を出して呉れた。中に白胡麻だれがはいっている団子。とても美味しい!

 
窓から見える風景もいい感じ。温泉街といった風。右は陽が暮れた後。優しい灯りが点っている。


気になったのが、宿の向かいにある別の宿。木造4階建てというあり得ない構造を繰り出している。格好いいです。「歴史の宿 金具屋」というそうです。

さて、宿の観察が一通り終わったところで早速温泉。古久屋には内湯が8つあり、どれも特色ある温泉。21:00で男女交代。夕食までに一茶の湯、福六の湯に入浴。

一茶の湯は広い露天風呂。外はかなり寒かったが、気持ちいい。しかも一人。ゆったり浸かれました。

福六の湯は、古久屋の持つ6つの源泉をそのまま注ぐ6つの湯船が置かれた露天風呂。華の湯(湯の花が多い)、地獄の湯(少し白濁)、市左衛門の湯(古久屋で一番古い400年来の源泉)、ぬるまの湯(温度が低い)、熱の湯(一番熱い)、武の湯(新しい源泉)の6つ。華の湯、地獄の湯、ぬるまの湯、武の湯は何故か温度が低くて入れたものではなかった。中にはまるで水のような水温の温泉もあった。残念。市左衛門の湯がいい湯加減だった。ここでは親子に遭遇。

この宿には内湯の他に、露天風呂付きの部屋が4つある。いつかその部屋に泊まってみたいが、いろいろな風呂を楽しむには、却って普通の部屋のほうがいいかもしれないとも思った。

温泉でいい感じになったところで夕食の時間を迎える。食堂へ。

食堂といっても囲いがされていて、ほとんど個室。いい感じです。

まず出たのはお通し。野沢菜といくらと大根おろしを和えたもの。一度に全ての料理が出るのではなく、一品ずつ出される方式のようだ。これだと温かい料理がゆっくりと味わえるので好い。

次にいきなりしゃぶしゃぶ。信州牛という牛肉のようだ。脂身は少なくほとんど赤身だが、さっぱりして美味しかった。

しゃぶしゃぶを食べ終わったところで鯉のあらいと刺身。はじめて鯉を食べた。食べにくいという話を聞いたことがあるが、全然そんなことはなかった。美味しく頂けた。海無し県の宿で海の魚の刺身を出されるほど嫌なものはない。ここはちゃんと淡水魚を出したので感心。

次に出されたのが甘鯛と鶏肉の煮込み(山芋で包んであり、とろみがかけられ、上にわさびが載っている)。これが絶品!!美味しくて感動した!!なんと、最初に出たしゃぶしゃぶは前菜に過ぎなかったのだ!!赤身の肉を使っていたのはわざとなのだと気付く。

次に出されたのが虹鱒のパイつつみ。やっぱり淡水魚です。これも大変に美味しい!

次にざるそば。コシがあって美味しい!もう「美味しい」という言葉しかでてきません。さっきから相方との会話が「料理が美味しい」という内容で続いている。今食べているものについての会話しかしていないのだ。これは異常な事態である!!

もうそばで終わりかな?と思っていたらここでご飯。野沢菜の漬け物、しば漬け、吸い物(海老つみれ、ゆば)が出てきた。相方は野沢菜でお茶漬けにして食べていた。見た目質素だけど贅沢なご飯でした。

そしてここでなんと天ぷら!!湯葉(山芋の練り物が包んである)、舞茸、ししとう。ここでも意地でも海老などは使っていない。海老に頼らず、山の幸で勝負。しかも大変に美味しい!!感動です。

最後にデザート。りんごの赤ワイン煮です。りんごの歯ごたえがしっかり残っていて美味しかった。

大満足の内容。山の幸は美味しい、ということを認識。海の宿だと安易にカニ、海老などに逃げてしまうところを、山の宿ではちゃんと料理で勝負している。却って山の方が美味しいのかもしれない。お腹をいっぱいにして部屋に戻る。

貸し切り風呂の時間となったので「清泉の湯」へ。脱衣所には冷蔵庫があり、中にビールやジュースが入っていた。お腹がいっぱいだったので飲めなかった。ここも露天。ゆっくりと過ごす。

男女交代の時間がせまったので、全種類制覇のため残りの「最勝の湯」を攻略。これは露天風呂ではないが、広くて気持ちのいい大浴場。関係ないが、「最勝」とは仏陀のことを指しているのだと思う。ここも一人。貸し切り状態である。

交代の時間を迎え、それまで女性が入っていた風呂へ。一旦外へ出なくてはならない。妙な作りの宿である。「華清の湯」は露天風呂。少し狭め。狭いくらいが落ち着いて好い。次に「古代檜風呂」。ここも狭めの風呂。露天ではない。気持ちよかった。

ちなみに、「柔肌の湯」という風呂は女性専用。残念ながら僕には攻略できない湯である。

これで古久屋の内湯は全て制覇したことになる。ここ渋温泉には外湯めぐりという楽しみがある。全部で9つの共同風呂(渋温泉の宿泊者、現地人のみが入浴可能)があり、各宿で販売している湯めぐり手拭い(300円)に各外湯に備え付けられている印を捺し、最後に高薬師というお寺に奉納するというもの。霊場巡りみたいで楽しい。


これが専用の鍵。各外湯はオートロック式になっていて、宿泊者はこの手形に付いている鍵で開けていく。


これが外湯。写真は結願の湯(最後の湯)、大湯である。各外湯は渋温泉街に分散している。歩いて巡れる。下駄を履いて外に出る。いきなり結願の湯になってしまったが、ここ大湯はいい湯加減で気持ちがよかった。茶色に濁っていて、湯から上がるときに体を拭くとタオルに茶色がついてしまう。

次に一番目、初湯。色は若干白濁していて、しじみ汁のようだ。ここもいい湯加減。

次に二番目、笹の湯。熱くてなかなか入れなかった!!三番目、綿の湯も熱くて大変!!

4つ廻ったところで外湯巡り終了の22:00になってしまった。渋温泉街には射的場があり、典型的な温泉街といったところ。

外湯巡りで冷えてしまった(雪が降りしきっていた!)ので内湯で暖まってから寝る。

28日(土)

昨日は雪が降っていたのに、今日は気持ちよく晴れた。

朝御飯の前に一風呂浴びることにする。浸みますな〜。


朝御飯。ミニ鍋がついてます。これって普通は夕食に出るものなんだよね。それが朝食に出るって凄いな。予想していた通り、山芋(千切り)が出た。焼き魚(鱒)、温泉卵(古久屋名物、美味美味!!)、野沢菜の漬け物、サラダ、海苔、あと一品は・・・忘れた。朝食もとっても美味しく頂けた。

大満足の宿だったなあ。外湯めぐりも途中で終わってしまったので、渋温泉にはまた来ることになりそうだ。その時はまた古久屋に泊まろうと思う。チェックアウトです。


大湯の前に立つ「飛び出しぼうや」!渋でも発見!なんと車にはねられる前に既に片足を失っている!

渋温泉近くに立つ平和観音像では胎内巡りができるとのことだが、今回は見送り。歩いて湯田中駅へ。


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