山陰九州四国異境巡礼 2004年2月27〜3月5日

北九州市はこれまでまわってきた街とは比べ物にならない大都市だが、門司港駅から出た電車の車内は空いており、ゆったりと座ることができた。静かな時間は数分で終了。小倉で降りなければならない。

小倉は大都会。駅からはモノレールも出ていた。デイタイムというのにたくさんの人が行き交う。

小倉では永照寺というお寺を訪問する予定だったが、目星をつけていたところにはお寺などなかった。永照寺に関しては住所のみ情報が得られただけだったが、どうやらその住所は間違っていたようだ。
→正しい永照寺の場所はこちららしい。ちなみに永照寺には輪蔵がある。

駅に引き返し特急に乗り、次の予定地である青の洞門へ向かう。青の洞門へのバスが出ている中津は「福岡ゾーン」の東端であり、そこまでは特急の自由席に乗れる。九州は絶え間なく特急が出ているのでもとを取るのは簡単だ。

JR九州の特急は斬新だ。まるでおもちゃのようだ。ディズニーランドのアトラクション、もしくはパチンコ屋の店内のような感じがする。

これはソニックという名前の特急。変だよね…。なんだか落ち着かない。

30分ほどで中津に到着。既に時刻は16:00を回ったところだが、今から向かう青の洞門は自然景観であり、営業終了時間などはない。


中津駅の階段には雛壇がしつらえてあった。そういえば明後日は雛祭りなのだ。


中津はアナゴが有名なのだろうか、駅内に水槽があった。

中津市は福沢諭吉の出身地。「一万円の町」ということになっている。中津も城下町、それなりの観光地だが今回はパス、隣り町の本耶馬渓町へ向かう。

青の洞門までのバス代は580円、往復で1160円。100円得しようと1000円のバス回数券をもとめた。


乗車したバスの料金表は電光掲示板ではなかった。区間が変わるごとに料金表が回転する。初めてみたぞ。


中津市には人気者のちびっこが居るみたいです。

青の洞門

大分県下毛郡本耶馬溪町大字曽木 地図


これが青の洞門。禅海という僧侶が罪滅ぼしのためにのみをふるい、交通の難所であったこの地にトンネルを掘った。僧侶が実際に掘ったのは、実は先に見える自動車用道路ではなく、これに沿った小さいトンネル。


歩行者用のこのトンネルが僧侶が掘った部分。内部には地蔵菩薩も安置されていた。


最初の洞門を抜けて振り返ったところ。左に見える方が僧侶が掘ったトンネル。それでも偉業であることは変わりない。


青の洞門はまだまだ続く。全長700mくらいかな。

抜けた先には「競秀峰」という名のついた奇岩が繰り広げられている。

これは競秀峰の一部。中腹にえぐられたような溝があるが、過去に川の水面があのあたりまであったということを示すものだろう。うまくすれば塔のへつりのような回廊になっていたかもしれない。

競秀峰のあたりには3つほどレストハウスがあり、観光客向けに食べ物やおみやげなどを売っているようだが、オフシーズンなのか全て営業していなかった。こんな寒い日にこんなところを訪問する人は自分くらいしかいないのだ。自販機でホットココアを買い、暖を取る。少し歩けばコンビニのある国道に出られるので、それほど困るところではない。


橋を渡って、向こう岸から。青の洞門が掘られた岩山はそのまま崖になって川に落ち込んでいて、交通の難所であったということがよく分かる。こういう三次元の広がりを持つ洞穴と道路の融合体(?)のような物件は大好き。


洞門の辺りはこんな感じ。


せっかくなのでパノラマ合成して全景を。かなーり寒くてデジカメ用のアルカリ電池が使いものにならず、だましだまし撮った。


下流のほうに立派なアーチ橋がかかっていた。付近に美味しそうなパン屋を発見。そろそろ腹も減ったころだが、今夜は九州名物を食べようと思っているのでパス。

さて、ここ本耶馬渓町は町名が示すとおり、耶馬渓で知られる。青の洞門付近に繰り広げられる岩山(溶岩)の本体のようなもので、是非行ってみたいのだが、今回は時間の関係上パスせざるを得ない。また先に、洞穴に羅漢像が安置されている羅漢寺というこれまたそそられるお寺があるのだが、羅漢寺行きのバスは一日に一本しかなく、しかも羅漢寺の拝観時間が終わった時間に到着する。また羅漢寺から出るバスも一本で、羅漢寺の拝観時間が始まる前に出るという不可解なダイヤが組まれているため、自分のような公共交通に頼りっぱなしの旅行者には訪問が難しい。なんでこんな変なダイヤを組むんだか…。
→後で調べたところ、青の洞門から羅漢寺までは2km程。歩いて行けないところでもない。

可能な限り風をよけられる場所で帰りのバスを待機。風邪ひきそうです…。誰も来ないところで何やってんだか…。九州くんだりまで来てなんで凍えてんだか。今日は格別に寒いなぁ…。全国的に寒くなっていて、この状況は旅行中ずっと続くらしい。せっかく九州まで来たのに。どこに行こうと寒いんだ…。

ちなみに青の洞門と競秀峰の上を登っていくようなコースも設定されている。「青」とは「阿於」とも書かれ、どうやら地名のようだ。

バスで中津に戻った頃には、既に日が暮れていた。東日本と比べれば日が落ちるのは遅い。夕方に青の洞門を散策する計画も、この時差を考えてのことだった。中津では数分という絶妙の接続で博多行きの特急に乗れた。

今夜の宿は博多にあるため、このまま乗っていれば到着するのだが途中、折尾という駅で一度下車し、名物のかしわめしという駅弁をゲットした。折尾駅前には高校生とおぼしき連中が騒いでいた。「おぼしき」というのは制服を着ていないからだが、今日が3月1日であることを考えれば、浮かれた卒業生であることは容易に判断がつく。

博多駅前はそれほど活気に満ちたところではなかった。多分、繁華街は天神あたりなのだ。博多駅前は東京でいうところの東京駅、きっとオフィス街なのだろう。ある程度の大都市になると、「駅の周りが一番の繁華街」というわけではなくなる。名古屋駅や京都駅なんかがそうだ。

博多パークホテル


3900円。今回一番の安宿。料金相応の部屋だ。ちょっと隣りの音が気になる…。また宿の隣りが公園になっているが、そこでも今日卒業した高校生が騒いでいた。高校卒業でくらいで浮かれるんだから幸せだよなぁ…と毒舌。


さてさて九州名物「かしわめし」。茶色の部分は甘辛く煮た鳥のフレーク(シーチキンのような感じ)、黄色の部分は錦糸卵、黒の部分は刻み海苔。鳥が美味しいのは当たり前だが、海苔が香ばしくてとてもおいしかった。ちょっと冷えてて固かったのが残念だが、それを差し引いても優秀な駅弁だと思う。ごはんも鳥のスープで炊いてある。

「かしわめし」は折尾に限らず、九州北部の各駅で売られているが、今回は一番有名で美味しいとされる折尾の「かしわめし」を選んだ。ちなみに最初にかしわめしを駅弁として売ったのは、佐賀県の鳥栖駅(鳥栖駅のかしわめしはこちら)だが地味ゆえにあまり知られていない事実だ。

隣りの音が気になっていたが、23時をまわれば静かになった。良識のある人でよかった…。

今自分は九州にいる。なんだか凄いことだ。明日はさらに西の長崎泊。…そういえば今日の午前中は萩で自転車に乗っていた。昨日のことのように思える。移動量も凄いことになっているぞ。


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