伊豆巡覧 2004年7月8〜9日

8日

朝ご飯にもお造りがでました。

さて、今日も暑いみたいです。珍スポットで知られる下田城に行きたかったのですが、歩く必要があるようなのでパス…。代わりに「下田富士」と呼ばれる寝姿山にも、と思ったのですが、こちらはロープウェーが運休中…。おとなしく、昨日考えたところをバスや電車を中心に行ってみることに。とりあえず下田駅まで宿の送迎バスで移動。エアコンがガンガン効いてます。バスに入った瞬間にメガネが曇りました。なんて気温差、なんて高湿度。


写真は下田駅前から見た下田城。高温多湿のこんな日に、あそこまで歩くのはタルい…。また来るよ…。

下田駅は半島のどん詰まりの終着駅だが、それなりにでかいバスターミナルを持つ。ただし便数は多くなく、一時間に一本以下の路線などザラ。さてさて、ちょうどいい時間に出るバスは…と。上原仏教美術館と下田達磨寺を通過するバスが20分後に出るので、これにしよう。

やはり寂しい路線でした。田んぼと山にかこまれた場所でバスを下車。帰りのバスまで3時間…。

さて、歩きますか。あまり情報がなくて心配でしたが、バス停のすぐ近くに「上原仏教美術館→」との看板があったので、ここで下車して正解だったようです。しかして達磨寺は?と思ったら、美術館の看板のすぐ隣に、同じ書体で「達磨寺→」という看板が立っていた。たぶん達磨寺が美術館をやっているんでしょう。

ほのぼのとした道を歩く。そのうちに小雨がぱらついてきた。そういえばまだ梅雨が開けていなかったのだ。あんまりいい天気が続くから忘れてしまっていた。

方舟のような建物が見えるとそこは美術館。相当に大きい。入り口にはだるま茶屋という、観光地にありきたりな風の和風喫茶が。

仏教美術館は300円。それに隣接する、上原近代美術館もあるが、こちらはパス。

ここの美術館は一風変わっている。なんの飾り気もない木彫りの仏像が如来、菩薩、天部などに分けられ、展示されていた。特に壇が有るわけでもなく、線香もない。指定文化でもなく、信仰でもない。ただひたすら展示されているだけだ。そんな訳なので、特に撮影は禁止されていなかった。

 
弁財天。ちゃんと稲荷神も。細かいです。とにかくここの仏像はディティールまでちゃんと彫られている。信仰なのか、美術なのか、それとも工芸なのか。よく位置づけはわからないけど、とても楽しい空間。作った人はたぶん仏像が大好きなんだ。

 
何大将なのか分かりませんが、寅と巳。薬師如来の前に、十二神将が全体そろっていた。それぞれ表情もポージングも違う。実に細かい仕事。一体どこの仏像がモデルなんでしょうか。

 
ガルーダとヴァス。千手観音とセットで、二十八部衆が全体ありました。細かすぎ。


同じく二十八部衆の一、サンジュニャーナ(散脂大将)。顔が二つに割れ、中から別の顔が出ているという異形の神ですが、ここのはあまりそんな感じはありません。ただ顔の皮がはがれた感じはありますね。脱皮感。ぺろぺろしてます。


天燈鬼まで!とにかく、メジャーなものは網羅したいという意気込みが伝わります。ここは「ほとけ」たちのパンテオン。


メジャーどころはもちろんのこと、なかなかお目にかかれないプレミアム仏像も。こちらはアヌッタラ(阿耨達童子)。確か「最高の」という意味だった…かな?ふつう「阿耨多羅三藐三菩提anuttara samyaksambodhih」と「最高の正しい悟り」として使われますな。『般若心経』にもある有名なセリフです。レインボーマンもこの言葉を数回唱えて変身します。どうでもいいけど…。


愛染明王。相変わらず乗ってます、正体不明の猛獣。他に不動明王を中心に、四明王が立体曼荼羅を成してました。

 
十一面観音も。ちゃんとうわさの暴悪大笑面もおさえてます。

とりあえずだいたいの仏像は網羅されてます。どれもプレーン(可も不可もない)なので仏像の種類を知りたいならここに来ればいい。明るい空間で仏像を好きなだけ眺められる。ほとんどの仏像をカメラに収めてきました。楽しい空間でした。ただ、1時間も居たんですが、誰一人として他に客は来ませんでした。人気は無いみたい。


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