喜蔵院
竹林院を目指してとぼとぼ歩いていると、喜蔵院という寺が見えてきた。
どうやら宿坊らしい。ユースホステルとして登録されているようだ。ここ以外にも宿坊らしき寺院があった。吉野には泊まりがけで来るのが普通だったのだろう。 ところで門の両側につるされているのはなんだろう…。 レトロな西洋風のランプが下がっているのがいい。 |
玄関だろうか。軒下の彫り物が凄い。双龍だ。
他の堂宇の軒下にも龍が。指は三本。渦巻きはなんだろう。飛び出してきた海の渦潮を表現しているのだろうか。 |
なぜかクジャクが。吉野は寒いはずだが、一年を通して飼えるものなのだろうか。s |
竹林院
さて、今回の吉野訪問の最後を飾るのは竹林院。ここは庭園がある。 ここも先ほどの喜蔵院と同様に宿坊だった。 立派な山門の上を回廊が通っているのが面白い。おそらく旧館、新館をつなぐ連絡通路なのだろう。 |
櫓のある庫裡? 入母屋造りの屋根からにょきと出ているのが面白い。おそらく煙出しだろう。
玄関。これも立派だ。軒下の彫刻が面白い。まず一番上には鳳凰とおぼしき鳥。その下には目をむいた邪鬼? 邪鬼はよく塔の軒下で支えていたりするが、こいつも屋根の重みを支えているのだろうか。そしてその下にはつがいの虎。
玄関の中。 障壁画として、二匹の虎が対峙している様が描かれていた。一匹は白虎だ。 そして襖絵には三、四匹の亀。 |
本堂? だろうか。 えらく簡素な堂宇だが、役行者が安置されているので本堂で間違いないだろう。 |
中を覗いていこう。不動明王を中心として、左に役行者、右に蔵王権現が安置されていた。
まずはやっぱり蔵王権現。なんと二体重ねて厨子に入っていた。後ろの蔵王権現、怖すぎ…。真のボス、といった感じ。
隣には不動明王。後背の炎が凄すぎる。実はこれも背後にもう一体が重なっている。おそらく炎は赤く塗られているのだろうが、護摩を焚いたせいで煤けている。
蔵王権現と不動明王の組み合わせは凄いな。どっちも個性が強いからコンビにはなりにくそうだけど、これ以上はないくらい強そうなタッグだ。
手前にはそれぞれコンパクトな厨子に入ったミニ四天王が。フィギュアのような小ささだが、それだけに細かくできている逸品だ。強力なボスの登場前にこいつらが出動するのだろう。こいつらだけで全て蹴散らしそう。
役行者像。やっぱりこいつがいないと締まらない。 前鬼と後鬼を連れている。 |
本堂後ろはやっぱり様々な仏像の展示スペースになっていた。左画像では、切れてしまっているが、隣の厨子には弁財天がいる。
厨子入りの不動明王も。背後の炎の表現が細かい。
本堂裏にある群芳園と呼ばれる庭園。今の時期は葉が落ちているため、真の美しさは分からないかもしれない。池泉回遊式庭園だった。
右の写真は木に頭をぶつけないように、という婉曲的な注意書き。粋だね。
さて、一通り吉野を見終えたし、そろそろ戻らないとロープウェイの時間に間に合わなくなってしまう。引き返そう。如意輪時は残念だけど、またいつか来ればいいさ。
ある和菓子屋の軒先にあったウサギ。可愛すぎ。 |
なかなか今日も汗ばむ陽気になった。歩いていると長袖では暑苦しくなるくらいだった。 ただ、日が傾いてきた今、急激に気温が下がってきた。ちょっと寒さを感じる。気をつけないと風邪をひいてしまう。 写真は金峯山寺の山門あたりからの眺め。上空には銀色の夕月、足下には吉野の山々が見える。 なかなか様になる画だ。 |
名残惜しいが、吉野ともお別れ。帰りも特急を使って時間を短縮する。 写真の白いロッジが重なっているような建物は福神駅。奇抜な駅舎だ。 二日目を迎えてくたくた。特急のシートに身を埋めて少し仮眠を取った。 |
途中道明寺駅で乗り換え。 その時、ホームから満開の梅を見た。もう夕暮れ。 乗り換えを細かく繰り返してJR八尾駅に到着。 |
今日の宿は八尾市に取っている。てっきりJR八尾駅の周辺だと思って予定を組んでいたが、実は近鉄八尾駅の周辺にあることがここで判明。
都合良くバスが来たので乗車して近鉄八尾駅で降りたが、明日の予定が崩れてしまうおそれが出てきた。
明日はまず高野山まで行くため、JR八尾駅を6:48に出る電車で予定していたが、時間が早すぎて、近鉄八尾駅前からの始バスでは間に合わない。
ということで、近鉄八尾を始点として予定を組み直したところ、6:00に出る電車に乗らなければならなくなってしまった。当初の予定からは一時間ほど早まってしまったが仕方がない。宿代は先払いのため、明朝フロントに誰もいなかったら鍵を置いていけば大丈夫だろう。