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近畿の古刹巡り 2008年3月16〜18日

當麻寺

たいまでら

奈良県葛城市當麻1263

近鉄「当麻寺」駅から徒歩15分

マピオン

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當麻寺

信貴山下駅から次の当麻寺駅までは、少々複雑な乗り換えが必要。王寺駅から田原本線に乗り換え。同じ近鉄にもかかわらず、一度改札を出なくてはならないため、面倒。また、運賃の計算も通してできないため、ロスが生じる。

田原本線の終点西田原本駅からもさらに150mくらい歩いて田原本駅へ(同じ近鉄)。橿原線で橿原神宮前駅まで、そこでさらに南大阪線へ乗り換えて、ようやく当麻寺駅に着く。時間にすれば1時間ほどなのだが、4つのことなる線を乗り換えなくてはならない。今日のスケジュールで當麻寺へ行くのは、かなり無茶があるということだろう。

駅から當麻寺までは徒歩で15分ほど。門前町になっており、移動中も楽しめた。

民家のようだが、その昔は参拝客を相手にした料亭だったような雰囲気がある。梅が綺麗に咲いていた。心なしか香ってくる。

こちらも街道沿いにありそうな民家。左は虫籠のような格子が特徴的。右の民家は、寺院のように塀の中に庭がある。

犬やらいがあり、京都にありそうな感じの民家も。

立派な鶴の彫刻が施されている民家も。

いったいどうしたんだ、この門前町は。

さて、當麻寺に行き着いた。仁王門。

いかにもな奈良の古刹の門。

広い當麻寺の境内にはそこかしこにネコが。ちょっと汗ばむくらいの陽気になってきたので、ネコも冷たくて気持ちのいい日陰の土の上でリラックスしている。右写真には六匹も写っている。

気を抜きすぎだよ、君たち。ただ、右のような看板があるように、當麻寺としてはネコは招かざる客のようで、境内にいつくことを快く思っていないようだ。

金堂と講堂が気になったが、まずは本堂を。中央には文亀マンダラが安置されており、これが當麻寺の本尊となっている。手前の仏は下半身がややボディコンで清涼寺式風の阿弥陀如来。當麻寺では来迎仏と呼んでいる。

本尊の文亀マンダラは、観無量寿経に説かれている西方浄土を描いている。ところで當麻寺の本堂は東を向いている(=境内入り口が東)のは、本尊が「西方」だからである。なお、この文亀マンダラの後ろにも、通称「裏板マンダラ」が描かれているのだが、通常は拝観できない。5/13〜15に開扉するとか。

内陣と外陣は格子で区切られている。

本堂西南に安置されている役行者像。

脇侍の前鬼、後鬼も、正座していたり、立て膝をついていたり、手をかざす、髪型が違っていたりと個性的である。

次は講堂。これも典型的な奈良の古刹といった雰囲気の外観。中央には本尊である阿弥陀如来。手前の大きな像は地蔵菩薩で、他にも多聞天、不動明王、妙幢菩薩、小さな阿弥陀如来像、千手観音などが安置されているが、どれも大きさがまちまちであり、あまり相互に関連性はなさそう。おそらく、いろんな堂宇で本尊として安置されていたものが集まっているだけだろう。妙幢菩薩とは、単に地蔵菩薩の別名である。

講堂の奥には、ひっそりとひな壇に乗っている小さな像が。姿からは十王像っぽいが、明らかに10体以上居るし、最上段の中央には如来っぽいものがある。なんだろう…。手前の棚の中には大士像が。おそらく輪蔵にあったものだろう。

続いて金堂。

 

中央に弥勒仏、四隅に四天王、弥勒物の手前に不動明王というフォーメーション。多聞天は鎌倉時代、不動明王は藤原時代、他は全て白鳳時代の作というので、不動明王はその微妙なポジションからも、客でしかないのが分かる。一方多聞天は失われたために補作となったものであろう。

上画像は増長天。しぶそうな顔と、あごひげがダンディだ。味わい深い表情をしている。

広目天。こちらも若干あごひげがのびている。無精ヒゲっぽい。怒りの表情は見られない。

持国天。こちらも涼しい顔をしている。振り袖が長い。

唯一気を吐いているのは多聞天。鎌倉の補作だと思われるので、作風に違いが出ているのかもしれない。

それでは、それぞれの邪鬼コレクションを。左は足のつっぱり方から、かなりの重圧を受けているように感じられる。それとは対照的に左の邪鬼はぐっとこらえている感じ。全く身動きが取れないのか、それとも諦観しているのか…。

左の邪鬼はうつむいている。「おれ何してんやろ」と反省している感じがする。右の邪鬼はこころなしか笑っている。諦観を通り越して笑うしかない、という状況なのだろうか。カラ余裕。

そして手前の不動明王と弥勒仏。それほど特徴的な何かがあるわけではないが、不動明王の後ろの火炎の表現が単調でないので面白い。

當麻寺塔頭の護念院。本堂と客殿を結ぶ回廊をくぐり抜けて庭園へ。

池泉回遊式庭園。ただ水の濁りと植木の手入れの作業員が入っていたので、それほど風情は感じられなかった。

上の案内板によれば、この先に「双塔園」と呼ばれる牡丹が咲く庭があるが、今はまだシーズンではなく、土が目立って見るべきものは何もなかった。

護念院の客殿の奥に見えていた西塔。これも奈良っぽい。

塔頭西南院。奥に見えるのは、西塔。

西南院は池泉回遊式庭園。東の側から見ると、ちょうど池に西塔が映える。これは素晴らしい。池の周りをぐるっと回る際、階段を上るので、池を中心とした庭が次々と表情を変えていく。

今度は中之坊。庫裡には竈があった。伽藍神のように祀られていたのは、おそらく役行者と前鬼と後鬼。こんなに小さな彼らは初めてみた。

寒山・拾得も。怪物チックに描かれることの多い彼らだが、ここでは幾分かわいらしい笑顔を浮かべている。どれも笑顔ではあるが、気持ちが悪いのが多い。

庭園へ。「香藕園」という名が付いている。名の通り、香る草花を集めた池泉回遊式庭園だ。

書院。その先には茶室「丸窓席」が付随している。

茶室の意匠というのは、何度見ても驚かされる。この大胆な作りはどうだろう。

心字池。

もう一つ茶室である「知足庵」。

たった二畳だが、障子窓の取り方、格子窓など、しびれさせてくれる。凄い空間だ。

最後は霊宝館。

写真はよく分からないが、ジオラマ風になっている興味深い厨子。

中央に本尊、その手前左右に脇侍があるのは分かるが、それ以外のミニミニな像はいったい何だろう…。

當麻寺はここまで。予定の電車の時間が迫っているし、ちょうど見るべきものも見終えた。

次はいよいよ吉野だ。一時間弱の移動。もちろん普通電車に乗っていたのではたどり着けないので、尺土からは特急を使ってしまう。

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