奈良で二日目の朝を迎える。ただ、旅行はまだ始まったばかり。体調に不安を感じていたが、だいぶ良くなってきたような気がする。無理の無い範囲で続けようと思う。

朝食はホテルのバイキング。一人で摂るのは居心地が悪かった。

ホテルから数分の距離に海龍王寺や法華寺がある。両寺で秘仏となっている十一面観音像の公開があるので訪問しようと思う。会社の始業時間にホテルを出た。


ホテルから北へまっすぐ進むと海龍王寺だが、その途中にインパクトのある自動車整備工場が。


ほどなくして海龍王寺到着。ほんの3ヶ月前にもここに立った。汗を滝のように流しながら歩いたのはつい最近のことなのだ。その時はお盆中により拝観休止となっていて、境内に入ることができなかった。拝観開始まで5分ほどあるが、既に境内には参拝客が来ているようだ。

 
境内には不機嫌そうなネコ。「るせーなぁ、朝っぱらから」てな感じ。

平日だからか年配の客ばっかり。秘仏拝観バスツアーの参加客のようだ。

「佐保路の三観音」と題して、佐保の海龍王寺、法華寺、不退寺の観音像の公開が行われている(10/24〜11/12)。ただし不退寺の聖観音像は常時拝観可能なので、特別公開としては海龍王寺と法華寺の二寺。ちなみに佐保路とは一条通りのこと。平城京の最北の通りである。


うるさくて参ったのか、ネコはどこかに行ってしまった。

 
本堂と、秘仏の十一面観音。小寺の雰囲気だが、かつては大伽藍だった。平城京の皇后宮の東北隅に位置していたことから、隅寺とも呼ばれる。玄ムという僧侶が、唐より帰国する際に暴風雨に遭いながらも、海龍王経を唱えて無事帰国することができた。その彼が住したことから、海龍王寺の名が由来している。

十一面観音像については、三ヶ月前に写真で「拝観」している。その時の印象についてはこちらを。よく色が残っている美しい像だ。ただ、思っていたよりずっとずっと小さく厨子に収まっていた(1m未満)。裸足だった。


十一面観音像の両脇を文殊菩薩、愛染明王、不動明王、毘沙門などの人気者が固めていた。これらの諸仏が同一の場に安置されるべき例はないので、コンセプトも無いまま集められたもののようだ。おそらくは過去に諸堂宇に独立して安置されていた仏像を、伽藍が縮小した後に寄せ集めたのだろう。

本堂向かって左には、文殊と二体の四天王が構えていた。文殊は立像、左手に花、右手は錫杖を持つような形をしていたが、実際に持ち物はない。かつては何かがあったのかもしれない。

 
西金堂。ここの本尊のミニ五重塔は逓減率が著しい。西金堂にはこの五重塔以外何もない。仏像ではないが、塔とはほんらい仏舎利を収めるストゥーパであるため、本尊となりうるのである。


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