庄内・置賜・羽後・津軽巡覧 2005年5月2〜5日

善宝寺からバスで鶴岡駅へ。途中、市役所周辺には数々の擬洋風建築が。下調べ段階では検討しなかったが、急に興味が出てきた。だがここで途中下車してしまうと今後の予定がちょっと辛くなる。電車の本数が少なく、中途半端なところで無為に時間を過ごしてしまうことになりかねないのだ。擬洋風建築があることは覚えておいて、今後鶴岡で時間をもてあましてしまった場合に立ち寄ってみることにしよう。

鶴岡駅には8:00に着いたが、電車との接続が悪く待ち時間が50分ほど発生。駅前には特に何も無いことを確認済みなので、見事にやることがない。

仕方なくまたあの待合い室で時間を潰すことにした。あの老人はまだ居たが、こちらには気づいていないようなので、身を潜めるように最前列に陣取る。

待合室のテレビはテレビ山形専用で、朝のワイドショーを放映していた。JR西日本の脱線事故を詳しく解説していた。

秋田方面行きの電車が来る15分前になってようやく改札が開始された。この「奇習」が何のためにあるのか、いまいち理解できないでいる。

今回東北にやってきて最初に乗る電車だ。山陰の時のようにたった一両、ということは無かった。ゴールデンウィークなのでガン混みを予想していたのだが、そんなことはなく、余裕でボックスシートを確保。のんびりと進む。最近は電車をゆったり乗るということが無かったなぁ。


右の車窓にはずっと鳥海山が見えていた。割と会心の一枚。


酒田を出た後、日本海が見えてきた。いい天気です。

象潟

鶴岡から一時間ほどで象潟に到着。象潟といえば「奥の細道」最北端。それなりに観光地ぶっているのかと思っていたら、駅はこじんまりとしていて(みどりの窓口はあったが)、売店も観光案内所も無く、駅前にはこれといったものがなかった。

象潟で降りたのは、奇観「象潟」を観るため。近くに蚶満寺という寺があるのでひとまずそこへ行ってみる。

「象潟」は、かつて松島のように海に小島が点在する景勝地だったのだが、200ほど年前に地形が変動して陸地になってしまった。海に浮かんでいた小島はそれぞれ丘になっているというわけだ。


境内入り口付近からみた象潟。点在する松の生えているのがかつて小島だったところ。そして現在田んぼとなっているのがかつて海だったところ。田植えしてます。

 
山門に続く道には松が並んでいる。かつては海のすぐ近くだったということが分かる。

 
善宝寺と同様に山門の彫刻が細かい。日本海側の特徴なのか?

 
前方左右にはなんと仁王が山門と同化してしまっていた。上半身しかないけど余裕の表情です。両手が何故か獅子のそれになっているのは何故だろう…。半人半獣?


山門の中の仁王像。写真では小さくなってしまって分からないが、体のところどころにちり紙が張り付いている。

 
寺域入り口は猫溜まりになっていた。象潟ぬこ。拝観料はちょっと高め。


変わった鐘楼。境内は特に見どころ無し…。仏像も観られないので、「拝観料」を取るのはどうだろうという理不尽な思いが募る。

 
片隅に立っている百観音堂?阿弥陀堂? 円空風味の木像がぎっしり。

もの足り無さを残しながら境内を出る。

 
おそらく十王堂。中は荒れ放題…。手入れは特にしていないようだ。

 
閻魔向かって右手に青鬼が居るのだが、倒れちゃってます…。悲しい。

 
左手には赤鬼。自立できないのか、手前の桟に寄りかかる形でようやく立っている。ちょうど枠に顔が嵌っていて、そのひょうきんな顔を拝むことができる。

もうちょっと大事にしようね…。


最後にもう一度。全てを観て回るには広すぎて徒歩では無理そう。電車の本数も少ないし、次を逃せば象潟で何時間も過ごさなくてはならないので急いで駅へ。

次は秋田へ向かうのだが、ちょうど良い時間の普通列車はなく、特急を利用するしかない。心もとないのが財布の中。特急券を買ってしまったら100円程度になってしまった…。コンビニATMを利用するつもりで所持金を少なくしていたのだが、山形、秋田とATM設置コンビニを見かけない。ひょっとすると東北には無いのかも…。最近知ったが、青森にはセブンイレブン店舗が無いのだとか。ちなみに青森出身の新山千春はかつてセブンイレブンのCMに出演していた。

とりあえず秋田までは行ける。秋田は都会だと思うので、何かしら引き落としの手段はあるはずだ。ただ今日が祝日なのが不安にさせるところ。

自由席はほぼ満席。何とか席は確保できた。秋田までは一時間。さっきなけなしの金で買ったおにぎりが昼食。隣の客は美味しそうな駅弁をほおばっていた。

秋田着。秋田はさすがに都会だった。駅内のATMは稼働中で一安心。今日はここ秋田で終わりなので、時間の許す限り市内の寺町などを見て回る。バス時刻表をゲット。とりあえず郊外の全良寺を目指すことに。大徳寺、補陀寺なども候補にあがっていたが、ちょっと無理そうだったので次回へまわした。

総合運動公園付近でバス下車。少し徒歩。運動公園では少年野球の試合中。道ばたにはアイスを売るおばちゃんが。これがあのババヘラか!


全良寺入り口に立つ石仏。トタンです。


そしてこれが全良寺本堂…。すごいよね。これを寺と誰が思うのだろう。扉は閉まっていたし、ミラーガラスになっていたので中の様子はほとんどうかがうことができなかった。不思議な寺。こんなタイプの寺は初めてだ。

 
宝塔寺裏の石塔。かなりぼろっちく構造はチープ(ただ単に積み上げただけ=積木と同じ)少し力を込めたらがらがらと崩れそうで危険。手前の仁王もやはりトタンで覆われていて残念な感じ。


近くの小川でみた桜。少し散り始めている。明日は弘前で桜を観るつもり。東京では一ヶ月前に桜が終わっているのだが、青森では今見頃をむかえている。今回は桜前線を追いかける旅でもある。

秋田市街の寺町をぐるぐると観て回ったのだが、特に見所のある寺は無かった。実は城下町の寺はそのほとんどが葬儀・供養のためのもの。観光するような寺が無いのは当たり前だった…。疲れたよ…。寺町散策のために大徳寺、補陀寺を諦めたのだが…。ちょっともったいないことしたな。

すっかり疲れてしまったので少し時間は早いがもう宿へ向かうことにした。秋田駅で夕食として「鰰めし」と「鶏めし」を買った。

今回の宿は大曲。秋田から1時間ほど。この宿に二泊する予定だが、まぁ可もなく不可もない宿。

 
鰰めし。日本海名物の小魚。酢でしめた寿司。

 
これは比内地鶏を使用した大館名物の鶏めし。かなりシンプルな内容だが、御飯は鶏スープで炊きあげており、鶏肉はもちろん、おかずもなかなか。中央にまぶしてあるのは細かく刻んだゆで卵。

明日は青森の日本海側をぐるっと回る五能線の観光列車に乗る予定。出発が早いので早速寝た。


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