茂林寺
今回もまんじまるさんと関東の諸寺を巡った(まんじまるさんが運営されているサイトはこちら)。今までいつもプランをおまかせしてしまっていて、まんじまるさんにとっては既訪となる物件ばかりだったため、今回は私から栃木県足利市の名草巨石群と浄因寺を提案させて頂いた。
今回も車を出して頂いた。いつもありがとうございます。
まずは以前よりリクエストしていた茂林寺へ。群馬県は館林市の寺院。分福茶釜で有名だ。
「館林観光協会指定無料休憩所」とあるが、その割には「うどん」など書いてあり、商売気たっぷりなのが気になる。絶対に無料じゃないと思うのだが…。 「無料」の部分が消えているのは、自然に取れてしまったんではなくて意図的なものなのだろうか…。 ただ、こういう雰囲気の物件は嫌いではない。この「休憩所」の前には、何台ものバスの駐車を前提としたような広々としたスペースが確保されており、往時はにぎわっていたことを示唆している。今はこの「休憩所」関係の軽自動車、宅配便の軽自動車、そしてまんじまるさんの車の計三台のみが駐車されているに過ぎない。 |
駐車場の隅にはトイレがあり、その前にたぬきの置物が。茂林寺効果か。右はトイレの壁画。小山がたぬきになっている、ということだろうか。
なんと「たぬきの八相」を解説したものが。こんな意図があったとは知らなかった。 |
茂林寺の案内標識には特別なアイコンが! |
茂林寺の門前町はたぬきだらけのおみやげ屋が軒を連ねていた。茶釜堂というそのまんまなお店もあった。
茂林寺に一番近いおみやげ屋。二階の格子窓にもたぬきが。アクロバティック。なぜか店内にはたぬきではなくイタチの剥製があった。
いきなりこんなたぬきの置物も置いてあった。 |
さて、茂林寺の入り口に到着。やけに屋根が大きい総門をくぐると、たぬきの置物が左右に並んだ参道が。
像はそれぞれ異なったポーズ、表情をしている。右のたぬきは可愛かった。これはそのまんま分福茶釜だ。
左のたぬきも分福茶釜。なぜか「ちょうちょうの ふわりと飛んだ 茶釜かな」という一茶の句が。右は「狸罠 知りつくしたる 木魚打つ」とある。誰の句が分からないが、お坊さんの格好をして木魚を持っている像として造られている。
茂林寺の山門、茅葺きだ。なかなか立派なもの。
ただ、その下はベンチが設置されていて、意図的に休憩スペースになっていた。カメヤマローソクかと思ったが、「清酒 分福」とあったり、分福からとったと思われる「福分けだんご」なる文句が。しゃれている。
これが茂林寺の本堂。山門と同様に茅葺きだ。内部には「祝聖」の額がある。どういう意味かは知らない。
茂林寺は曹洞宗。もちろん本尊は釈迦如来で、その左右に文殊菩薩と普賢菩薩がひかえている。
さて、堂内に入ってみますか。ここから有料。下駄箱の上にはたぬきの剥製が並んでいた。いろんなポーズをとらされている。かわいい! 参道脇のたぬき像は実際のたぬきとは全然違うフォルムをしている。 |
本堂内部は様々な掛け軸が展示されていた。左は何を描いたものなのか判然としないが、とにかく中国製らしい。右はいわずもがな達磨像。
左は血書による羅漢像というが、血の色が褪せてしまっていて何が描かれていたのか分からなくなっている。右は十八羅漢像だ。
古今亭志ん生らによるたぬきの絵! かわいい! 背を向けていてもこれがたぬきの絵だと分かるのだから凄い。
特に左の絵は可愛いですな。太いしっぽが特徴的。
右の画像が伝説の茶釜。「賜天覧」とあるように、過去に天皇が見たのだとか。そのせいなのかは分からないが、展示物には御簾が懸けられている(左)。
昔話絵本の表紙絵、そして、もはや私は知らないが、駅前茶釜という映画のパンフレットが。右のかたつむりの絵はなんと山下清によるもの。
本堂の一角はやたらとたぬきに関するグッズであふれかえっており、さながら展示部屋のようになっていた。 |
分福茶釜縁起という仰々しいタイトルの屏風絵。 |
上は茂林寺本堂の裏手にある茶室とその前の露地(?)。あるいは庭園かもしれない。
本堂裏の回廊を渡っていくと、右手に回廊で繋がれた小さな堂宇がある。入り口にはなんと「狸コレクション室」という堂々とした額が。そのまんまだなぁ…。
果たして内部は大変なたぬきコレクションルームとなっていた。古今東西のたぬきグッズや剥製を集めてきた感じだ。
世の中にはいろんなたぬきグッズがあるものだ。剥製もあった。
左の像は可愛かった。右はなぜか「思春期狸」と名付けられている。木の幹を加工したものらしい。
ふてねたぬき、いたずらたぬきなど、ヴァリュエーション豊かなたぬきの数々。
剥製シリーズ。たぬきってこんなに可愛いんですよ! たぬきほどイメージと実物がかけ離れているの無いだろう。
何故か背後にはゴルフに熱中するたぬきらが…。右は下駄も履かされているし…。擬人化されてます。
たぬきコレクションルームの奥は立派な開山堂、あるいは位牌堂となっていた。
禅宗らしく、坐禅を組む際に使用する座布団のようなものがあった。座禅会が営まれているのかもしれない。開山堂からは本堂の中枢へと連絡していたが、順路としては戻らなければならないらしい。「戻」が→に囲まれているのが面白い。
なんと達磨になっているたぬきも…。畜生にも仏性があるということですかい…。右はなんとアンクルトリス!
さて、本堂の中枢へと向かう。この辺りは典型的な禅宗様式全開といった感じ。階段で上って叩く鐘なども本堂の内部にある。
本尊の左右奥には羅漢像が。 |
左右どちらの羅漢像たちの前に、四つ足の獣が置かれていた。これもたぬきか?
左は修利大権菩薩か。伽藍神かもしれない。右は達磨づくし。金色の像、妙にカクカクした達磨、水墨画による像などバリュエーションに富んでいる。
本堂を出る。天井組みが竹で為されているように見える。傘を広げたときのようだ。
なんと三宝荒神の石像があった。左で支えている下の三体はきっと見ざる言わざる聞かざるの三猿だろう。 |
守鶴堂と呼ばれる堂宇。その昔守鶴和尚という奇妙な名前の僧侶が住職を務めていたらしい。その後たぬきの化身として伝説化して、境内に鎮守として守鶴大善神として祀られているとのこと。
右はまたまた一茶の句。「蝶〃の ふハりととんだ 茶釜哉」とある。
守鶴堂もたぬきグッズであふれかえっていた。ひな壇にびっしりと置かれたミニミニたぬきグッズ。