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南両毛巡礼 2008年5月24日

名草巨石群

なくさきょせきぐん

栃木県足利市名草上町

足利駅から車で30分

マピオン

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名草巨石群

続いて足利市へ。佐野市よりさらに群馬県寄りだ。目指す名草巨石群は、山奥にある。

峠のような細い道で車を止めて、そこから徒歩で移動する。駐車スペース近くには、釣り堀か何かよく分からない施設があり、いくつかの家族連れなどがいた。車を止めると、みなこちらを凝視しはじめたのは謎。

山に向かって歩き出すと、こういったステキな物件に遭遇。左のライフガードの自販機には「つかみ取り出来ますマス 弁天堂」という張り紙。意味がよく分からない。商品見本には「きりり」もあった。懐かしい…。

右はそのすぐそばに置いてあった「戦車」。往時はこの辺りもにぎやかだったのだろうか…。

ちょっとしたハイキングコース。結構登る必要がある。

左には水が流れている。「弁天沢」というらしい。また弁財天だ。水場があれば弁財天ということなのか。

さっきの「弁天堂」の張り紙は、この弁天沢に由来しているのだろうか。

登坂途中で見つけた石。中央の緑色に見える部分は石英だろうか。

登り初めて10分。鳥居に遭遇。この先に名草巨石群があるらしい。何でもここは「足利七福神」の一つであって、その縁起は空海によるのだという。巨石の前で弁財天を勧請し、ここに祀ったとか。

「弁慶の割石」と呼ばれる物件。その名のとおり、弁慶が力で割ったようだが、おそらく度重なる気温の日較差による刺激によって、わずから亀裂が一気に割れたのだと思う。これも弁財天のセクシャルな側面をシンボライズしているのだろうか。

さて、これが巨石群。

二つの巨石が雪だるまのように重なっているが、誰かが乗せたわけでもなく、洪水などで石が重なったわけでもなく、もともとは一つの大きな岩山で、水によって削られるうちに二つの石として残ったようだ。

右の石の上に乗っている堂宇に弁財天が祀られている。明治の分離令により、厳島神社ということになったようだ。

では、なぜ弁財天が厳島神社の祭神となったのか。厳島神社といえば、宮島が有名で、全国の厳島神社の祀られているのは、市杵島姫命(イツキシマヒメ)、田心姫命(タギリビメ)、湍津姫命(タギツヒメ)の宗像三女神だ。彼女たちはスサノオの剣から生まれた姉妹で、いずれも水の神だという。タギリもタギツも激しく水が流れる様を意味するとか。

つまりは、女神かつ水神という理由で弁財天と同一視されたのかもしれない。

さて、橋が架けられているように、巨石を間近に見ることができる。雪だるまのような巨石と、厳島神社の間には、長細い卵型の巨石があり、その頂上から水が流れ落ちている。左画像の右部分奥に見えるのがそれだ。那智の滝のように広がって落水する。これも弁財天のセクシャルな側面を…と言ったら、考えすぎだろうか。右は、その水が落ちた部分。

「胎内くぐり」だという。修験道などでは、こういった岩の隙間を抜けることで、もう一度母胎から生まれ出でる、すなわち生まれ変わるという信仰経験がある。しつこいが、これも弁財天と関わりがないとは言い切れないだろう。

かなりアクロバティックなかたちで岩が組まれているが、先にも書いたようにこれらは全て元は一つの大きな岩山だった。水の浸食によって、部品化されたのだ。決して後から組まれたものではない。

水場の上には、三本の丸太によって橋が架けられている。左画像の中央奥が、先ほどの水の流れる岩。ビジュアル的にはさっきの大きな雪ダルマ的な岩の方がインパクトがあるが、ひょっとすると、ご神体はこの岩のほうかもしれない。

厳島神社から眺めた橋と、雪ダルマ的岩。そして右は水の流れる、ご神体と推測した岩。水によって削られた跡が何本もある。

ご神体と推測した岩から水が落下する様子を上から撮ったもの。

厳島神社。橋も岩も全てが格好いいね。

 

額には「厳島社」とあるのみ。

ここを後にし、さらに先へと続く道をたどっていくことにする。

この辺りに来ると、弁天沢に金色に光るものが見える。まさかとは思ったが、一粒をつまんで力を入れると…。見事に何枚もの箔に剥がれた。やっぱりこれは黄鉄鉱らしい。よく「愚か者の金」と呼ばれるそうだ。誰もが金と見間違えることを物語っているが、本当に金なら、砂の上には沈殿しない。比重が重いため、砂より下に貯まる筈だ。

さらに登る。もう既に誰もいない。まんじまるさんはもっと先に行ってしまった。

その奥で見たのは…。亀の甲羅のような岩盤に立つ碑。

そこには「天然記念物名草村ノ巨石群」とある。どうやら巨石群とは、先ほどの厳島神社ではなく、ここのことを指すらしい。

確かにこの辺りは巨石がごろごろしている。これらももともとは大きな岩山だったようで、浸食や風化によりそれぞれが個別の石になったようだ。

小さなほこらが建っており、信仰の対象になっているようだ。左の、巨石の下から生えている木が、なんだか「もののけ姫」を彷彿とさせた。

ちなみにこの先では、山林保全の為の工事をやっていて重機の音が聞こえていた。あんまり環境的にはよくないな…。

なつかしい。私の実家の方では「ヘビマクラ」と呼んでいた植物。正しくは「マムシグサ」と言うらしい。

名前と見た目も毒々しいが、やっぱり有毒植物らしい。球根はイモのようだとか。

うーん。神聖な空気が流れているように思う。

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