信州異境巡礼 2003年7月19〜22日

今回、学会で長野は野尻湖へ行くこととなった。野尻湖畔の旅館に三泊し、昼間は研究発表、夜は酒宴とかなりハードな学会である。往復の交通費、宿泊費は結構な出費だった。野尻湖へ直行、学会が終われば直帰ではあまりにもつまらないし、勿体ないので異境巡礼も少しやることにした。せっかく長野へ行くのだから。

三泊とはいえ、22日の朝には開放される。そこで最終日はいろいろの物件を訪問しながら帰ることにした。

7月19日

今日は18:30までに野尻湖畔の旅館に到着すればよい。従ってそれまでの時間は自由なのだが、今回往路は先輩が同行するので、いつものような無理な行動はできない。

朝、家を出たところで小雨が降っていた。今年は梅雨が明けるのが遅い。もう明けていてもいい頃なんだけどな。上野から長野駅までは新幹線で直行することになる。先輩は毎年先生と車で学会へ行っていたのだが、今回は定員オーバーということで電車で向かうことにしたそうだ。「バヤスフランなら交通手段に詳しい」ということで同行をお願いされた。車中彼が「車に酔うし、それにいつも野尻湖へ直行してしまうのであまり長野へ行ったという感覚がなかった」と言っていた。これはチャンス!「戒壇めぐり、楽しいですよー」などと言いながら巧く「善光寺へ行く」という話へ持っていく。彼はあまりお寺が好きではない、というより反感すら覚えているような人だから、あまりこの話を持ち出せなかったのだ。しかし「いいね、行ってみよう。」との返答!すばらしい。

今日は夏休み初日&連休初日。勿論新幹線はガン混み。指定席は満席だ。自由席はどうなっているのだろうか。指定席を取っておいて本当に良かった。いつも遅く寝ている生活を続けているせいで、昨夜も早く眠ろうとしても眠れなかった。寝不足なので座れるということが凄く嬉しい。

軽井沢で大部分が降りてしまい、車中はがらがらになってしまった。

長野駅一つ手前の上田駅を出たところで、窓に目を遣るとなんと以前めきゅさんより情報を頂いていた岩鼻を偶然に発見!人間の鼻のように大きな穴が二つぽっかり開いている岩山だ。写真を撮ろうと急いでデジカメを取り出すが、新幹線はさすがに速い。撮影できなかった。意外と駅から近いことが判明。今度は上田駅で降りてみようと思った。

程なくして長野駅に到着。ここには半年前にも来ている。善光寺口へ迷うことなく直行。善光寺までは歩いて15分ほど。バスなら100円で行けるのだが、長野でそばを食べて昼食にすることが決定していたので、歩いて善光寺に向かい道中美味しそうな店に入ることになった。長野は雨が降っていなかった。曇り空だったが、時折太陽が姿を見せる。無視暑かった。この学会にはこれまで二度も参加している先輩だったが、今回初めて長野に来たような感覚だという。長野を歩くのが楽しそうだ。

善光寺前の信号機近くのお店に入った。店の名前は大丸だったかな…。とろろそばを食べる。無論美味しい。さすが本場だ。手作りならではの太い端などもあった。出てきたお茶も蕎麦茶。

おなかを満たし、善光寺の境内へ入る。去年の暮れに来た時は参拝客の姿など数える程しかなかったのに、今日はかなり混んでいた。ツアーも数組来ている。ツアー客が説明を受けている間に戒壇めぐりを済ませたいなぁ。

本堂内も混んでいた。チケットをもとめ、内陣へ。まるでディズニーランドのアトラクション待ちのような長蛇の列が既に形成されていた。係員が「こんなところで割り込みしてもしょうがないでしょ!」などと注意していた。そりゃそうだよなぁ。

戒壇めぐりではよちよち歩きになり、ただでさえ進みが遅いのにお年寄りが多かった。そこで内陣に座って、パンフレットを広げて先輩と話しこむ。しかし空くどころか時間が経つにつれ段々列が長くなりだした。とりあえず並んでおかないといつまで経っても終わらないということで最後尾に並ぶことにする。列はとうとう内陣をぐるっと一周するくらいまでにふくれあがった。

10分くらい経ったところでやっと入り口へさしかかる。中はやっぱり暗い。前の人がどれだけ進んだか分からないので、よく体がぶつかった。かなり遅い進行なので少しいらいらした。しかし「凄いね、本当に何もみえないね!」と先輩も楽しんでいるようでほっとした。無事二人とも「極楽の鍵」を触ることができた。ハンドルのような形をしているので握ったという表現が正しいかもしれない。

かなり古いお寺であること、言い伝えでは仏教伝来の時に同時に伝わった仏像が本尊として安置されていること、長野市は善光寺の門前町として形成されたことなどを説明すると先輩も興味を持ってくれたようだ。彼の出身は北海道。「なんか、こういう観光地いいね。北海道には古いお寺とかが無いから新鮮だよ」とまで言ってくれた。戒壇めぐりもかなり楽しめたとのこと。

忠霊の塔に行ってみた。コンクリート製で、外見は三重塔だが内部は地階のある展示場兼信徒会館のようなもの。今回は普通は楼門にある文殊菩薩座像と四天王像が公開されていた。

先輩が本当に見るのかどうか不安だったが、当然のように忠霊の塔に行くことになった。どうやら彼は本当に楽しんでいるようだ。

その後輪蔵も見た。これで大方見終わったし、そろそろ観光をやめて野尻湖へ向かわないと学会に送れるので長野駅へ戻ることにする。帰りは100円バスを使うことにした。タイミング良くバス停に到着後1分でバスがやってきた。

しかし長野駅では変な待ち時間が出来てしまい、駅前のマックで休憩を入れることにした。

黒姫行きの電車は高校生が多かったように思う。想像よりずっと混んでいた。さあ、ここからは僕も未体験の土地になる。にわかにわくわくしてきた。長野駅を出ると標高が高くなっていく。耳がツーンとしてくる。電車は川沿いを走っていく。なんとか低い土地を走っているようだ。

途中牟礼という駅のホームに天狗像が立っているのをめざとく発見してしまった!カメラを取り出そうとするが、あえなく撮影できず…。この辺りは飯綱、それで天狗なのだ。

牟礼を出ると二駅でもう黒姫。果たして黒姫駅は廃れていた。


これが黒姫駅前。すばらしいね。とてもいい。今は零落しているが、往時は若者でにぎわったのだろうか。

駅前のバス停で大阪大学の知り合いと偶然に出会う。彼らは日本海側から電車でやってきたらしい。バスは10分ほどでやってくる予定だ。

野尻湖行きのバスには学会関係者10人と、外国人親子2人だけが乗車。途中誰も拾わず、終点野尻湖へ直行した。何でこんな辺鄙なところにわざわざ外国人が来るのだろう。日本人として謝りたいくらいだ。本当にすんません。というか、何でこんな辺鄙なところで学会やるんだよ!

バスで移動中、コンビニを二軒も発見して感動した。ほっとしたよ。所々赤いパイプが数本立っているのが見えた。どうやら消防関係の水道管のようだ。雪国だから埋もれないように高く立っているのだろう。家々の屋根も雪国独特になってきた。

終点野尻湖のバスターミナルは泣けるほどの廃れ具合だ。

本当にすばらしいね。期待を裏切らない。スベり知らずです。付近には観光客など誰一人見つけることができない。ものすごい寂れ具合だ。そんな中でも小さなお土産屋が営業していた。有線が店内に空しく響く

旅館まで、学会の案内には「終点野尻湖バス停下車、野尻湖に向かって徒歩」と書いてある。かなり適当な説明だが、それで到着できてしまうから凄い。学会の会場兼宿舎となるこの旅館は野尻湖の真ん前に立っているのである。

夕食の18:30まで1時間以上ある。受付を済ませ、鍵をとって部屋へ向かう。例年ならウチの大学の院生は同じ部屋になるらしいのだが、今年は全くバラバラだった。まぁ、野尻湖まで来て一緒というのもつまらないし、横のつながりを広げる絶好のチャンスかもしれない。

あてがわれた部屋は三階。なかなか眺望が良い。

残念ながら今日は曇り。今にも雨が降り出しそうな空模様だ。手前の大きなスワンはこの旅館の所有物で、学会三日目の午後に参加者が乗る予定になっている。僕は辞退する予定…。名前は白鳥丸。アヒルじゃないのか…


これは野尻湖に浮かぶ唯一の島、琵琶島。別名弁天島というらしい。宇賀神社があるだけの島、というより島全体が神社なのかもしれない。ボートで上陸が可能になっているようだ。宇賀はウカノミタマで、つまりはお稲荷さん。日本では弁財天と同一視されたから、弁天島なのだろう。琵琶とは島の形ではなく、弁財天が持っているからなのだと思う。お稲荷さんというと普通なら豊穣の神として考えられるが、この辺りは水田は乏しいから、ここでは宇賀神の元々の機能、水神としてのそれなのだと思う。弁財天も水神だしね。

さて、部屋はどうなっているかというと、

…。凄いね。全くすばらしい!今時こんなテレビ、扇風機ねぇよ!却って嬉しいかも。今年の夏は涼しいが、元々この辺りは涼しいので部屋に冷房が必要ないのだそうだ。扇風機で十分らしい。それにしてもこの扇風機は無いよなぁ。僕が生まれた時代に販売していたような型だ。

壁にはヒビが入っていた。何故かおきまりの筈の金庫もない。

同部屋する三人はなかなか現れない。名簿で確認するとこの三人は龍谷大学の同学年、しかもM1で僕の一つ下。一抹の不安を覚える。この三人だけで盛り上がられたら困る。

18:20頃ようやく三人が登場。話を聞いてみると、京都からレンタカーで運転を交代しながらやってきたようだ。

一緒に夕食に行き、同じテーブルに座ることになったが、どうしても三人で盛り上がられてしまった。こちらから話しかけないと話さないし、話しかける度に三人の会話が途切れるので、邪魔をしているような感じになってしまう。こんな所まで来て内輪話して面白いか?疲れる…。諦めた。余計な神経使うのは止した。

さて、夕食だが山奥なのに何故か刺身が出た。他にエビフライ、サラダ、枝豆、ローストビーフ、すいか。エビフライと枝豆は冷凍バレバレだ。なんなんだ、これ。こんな食事でもお昼のそば以来何も食べていなかったので、箸は進んだ。おかわりをすると、参加しているウチの大学の学部生から「相変わらず食べますね」と揶揄された。細いのに食べるというキャラが定着してしまったようだ。

話を聞くと、車組は温泉に行ったようだ。

食事の後、ごく簡単な自己紹介となった。名前と所属と専攻を言うだけ。それでも結構緊張した。

部屋に戻ると19:30頃。今日はこの後一つ発表があり、20:30から始まることになっている。部屋で三人と気まずい時間を過ごすのもイヤなのでさっさと風呂に入ることにした。

20:30からは研究発表。スライド発表なので眠い。しかし内容は良く、面白かった。

発表終了後、酒宴になだれ込む。飲み会の雰囲気が苦手だ。はっきりいって嫌いだ。逃げ出したいが、仕方がない。1:00前には眠くなってしまい、部屋に戻ることにした。三人は残っている。部屋の隅に布団を敷き、三人が帰ってきても十分なスペースを確保した。

不眠症のせいで寝付けない。眠いのに寝付けないのは本当に辛い。4:00頃三人が戻ってきたような気がするが、何故か部屋には入って来なかった。いつの間にか眠っていて、7:00頃目をさます。明らかに睡眠不足だ。2時間ほどしか眠っていない筈だ。


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