高月町での出来事…

長浜を出て北へ。今日は米原を出た後は一路北へ向かい、宿をとってある福井は鯖江まで向かう。10分ほどで到着したのは高月。ここは「観音の里」と呼ばれるほど評価の高い仏像が多い。そんなこの町でも随一なのが渡岸寺の十一面観音だろう。自分は渡岸寺を中心として、他にも町に点在するお寺を巡ってみたいと思った。

しかしこの町では大変な目に遭うことになった…。以下は怒りの文章です。あまり退かないでください…。

高月駅は無人駅。駅前も寂しい。自分が思っていたよりずっとイナカなところだ。観光に力を入れている町かと思っていたが、特にそんな雰囲気もない。不思議なところだ。

ここではレンタサイクルを使ってお寺を巡るつもり。2時間の滞在を予定している。駅を出て観光協会を探すが…。ない。「レンタサイクルこちら」という看板をやっと見つける。とある旅館の前に自転車が並んでいた。どうやら委託されているようだ。驚いたことに駅前に観光協会はないらしい。旅館に入ってみるが、誰もいない。自転車には鍵がかかっている。どうしよう。とりあえず、高月町の観光協会に電話を入れてみよう。観光協会には、訪問するつもりの正妙寺の予約連絡先を教えてもらうために一度電話している。電話番号のメモを持っていた。呼び出しがしばらく続いた後にやっと出た。
?「はい、高月町役場ですが」
 え?確かにこの番号は観光協会だったはず…。
僕「…観光協会ですよね?」
役場職員「…いえ、今日は閉庁していますが…」
僕「…あの、先日一度この番号にかけて観光協会に繋がったのですが」
役場職員「…産業課は今日誰もいません」
僕「いやいや、こっちが聞いているのは…。あの、日曜なのに観光協会だか産業課だかは休みなんですか?」
 納得がいかない。とりあえず、レンタサイクルの事を聞いてみる。
僕「レンタサイクルを使いたくて、○○旅館さんを伺ったのですが誰もいなくて借りられないんです」
役場職員「…うーん。旅館の人が居なければ…」
 どうも要領を得ない。
僕「日曜なのにレンタサイクルが使えないんですか?…関東から来ているんですけど…。レンタサイクルを使ってお寺を巡る予定で、拝観の予約を既に入れてしまっているんですよ。」
役場職員「…待ってください、とりあえず問い合わせますので、折り返し連絡をします」

ということでこちらの携帯に連絡を入れてもらうことにした。そんな事をしているうちに貴重な時間が無くなっていく。高月に到着したのが12:30頃。正妙寺の拝観予約は13:00に入れている。

3分後に携帯に連絡が入った。電話番号を伝えられた。そちらに問い合わせて欲しいとのこと。その番号にかけるとおばさんが出た。

僕「あの、役場の方から○○旅館のレンタサイクルを借りたいならこちらにかけて欲しいと伝えられたんですが」
 そういえば、役場の人からは番号先が誰なのか一切教えてもらえなかったな。どういう対応なんだろ。観光業にやる気ないんじゃないか?
?「私○○旅館の者なんですが、木ノ本町のレンタサイクルも預かっていて…」
 と訳の分からないことを言う。そんなことを聞いているのではない。
僕「借りたいのですがどうしたらいいのでしょう」
旅館のおばさん「運送屋さんが鍵を持っていったんですよ」
 そんな事情を話されても困るし、第一意味が分からない。要領を得ないので単刀直入に言った。
僕「借りられるのですか?借りられないのですか?お寺の拝観予約を13:00に入れてしまっていて、14:15にはもう高月を出なくてはならないのです。」
旅館のおばさん「だから、鍵を持っていっちゃったんですよ!」
 また意味不明。それに逆ギレだ。
僕「こんなことをしているうちに予約時間まであと10分しかなくなりました。」
旅館のおばさん「どうしよう…。何台ですか?」
僕「一台です。」
旅館のおばさん「じゃあ、今から私行きますから」


ということになった。まず日曜に観光協会が休みなのがダメ。日曜にレンタサイクルを使えない状況にあるのがダメ。そしてレンタサイクルを委託されている旅館に誰もいないのがダメ。さらに委託されている人が要領を得ないのがダメ。

待つこと5分。レンタサイクルに乗って旅館のおばさんがやってきた。すぐに手続きを済ませ、正妙寺に向かう。もう予約時間まで5分しかないぞ。時間が無い上に地理に不案内。どうすりゃいいのさ。とりあえず正妙寺の管理者を待たせてはいけないので地図を片手に全速力で自転車を漕ぐ。

高月のダメダメぶりへの怒りをパワーにして自転車を漕ぐ。天気だけは好調。降水確率70%の筈なのに晴れている。不思議だ。今日だけでなく、旅行が始まってからずっと雨に苦しめられていない。ひょっとしたら晴男なのかも。

農道のような道を駆けていくと、そろそろ正妙寺か?と思っていたところに建つお堂におじいさんが座っていた。この人が管理者なのだろうと思い、「すみません!遅れてしまって!」と陳謝し走ってお堂の中に駆け込む…が、雰囲気が違う。おばあさんがお堂の中に居て、「あらあらどうも」と言う。一応「遅れてすみません」と陳謝するとパンフレットを渡された。おばあさんは説明テープを流し始める。パンフレットを見ると「西野薬師堂」…。違う!間違えた!!ここは充満寺が管理するお堂で、正妙寺ではない!おばあさんに間違えたことを伝える。もうすでにパンフレットとテープ、そして仏像を一瞬でも観てしまっているので拝観料を払わねばならない。しかし全額を払うのは癪なので「すいません、半分の100円で勘弁してください」とお堂を出て、再び自転車に乗り、正妙寺を探す。お堂の前で待っていたおじいさんは拝観希望者だった…。おじいさんは「拝観の開始」を待っていたのだ。

やっとたどり着いたそこには神社が。多分正妙寺の鎮守社なのだろう。神社の後ろには階段があった。この先に小さなお堂が見えた。これが多分正妙寺なのだろう。階段を駆け上がる。膝を痛めているので非常に痛い。時刻は13:20。かなりの遅刻だ。管理者さんは待ちくたびれているはず。…お堂の前には誰もいない。怒って帰ってしまったのか?電話をかける。


僕「あの、遅れてしまって本当にすみません。今お寺の前にいるのですが…」
管理者「はいはい、今向かっているところなんだけど…」
 …おいおい。しかもテレビの音が思いっきり聞こえるんだけど。「向かっているところ」って何だよ。電話しなかったらすっぽかされたって事でしょ?
管理者「あと5分、いや10分かかるな。」
 とのんきなことを言って電話を切った。

 いやいやいや、この後渡岸寺も行く予定なんだけど。この調子だと電車の出る14:15に間にあわないんじゃないか?現在13:20。管理者到着まで10分、拝観に10分、渡岸寺まで30分…これだと渡岸寺での拝観時間が全くないじゃないか!!再び管理者に電話を入れ、断ることにする。

僕「○○さん(管理者)も時間を守って頂かなかったわけで、時間に間に合わないので拝観はもう結構です」
 と言うと
管理者「あ、はい、分かりました」

とだけ言って終わってしまった。…おいおい!こっちは怒ってるんだぞ。すみませんの一言もないのかい!!予約を入れた時、確かにあんたは「大丈夫です」と言ったよね?

…他の人の事は分からない。高月町に対していい印象を持っているのかもしれない。しかし、少なくとも今の僕は高月町に対して極悪の印象しか持っていない。ダメダメな町だ。やる気がない。

正妙寺では千手千足観音像を観るつもりだった。無住のお寺で民間の人が鍵を持って管理している。高月町の観光協会に問い合わせれば管理者の連絡先を教えてもらえる。正妙寺はお寺というより祠程度の小さなもの。創建当初から無住なのだろう。あ〜観たかったなぁ、千足。

とりあえず時間がない。このまま渡岸寺さえも拝観できなかったらこの町に何のためにやってきたのか分からない。渡岸寺は駅から徒歩10分で行ける距離にある。正妙寺が無理だということを知っていたらレンタサイクル借りずに済んだのに!500円も払わなくて済んだのに!

…もう泣きたい。とにかく激怒りのパワーで自転車を漕ぐ。途中、イナカのくせに横断歩道がなく、地下道を通らなくてはならない十字路にぶち当たる。意味ねーもん作るなよ…。疲れてんだよ、足痛いんだよ…。必死で重いレンタサイクル用自転車を押して地下道を出たそこには高月町役場があった。

中途半端に瓦葺き。この中に要領の得ない職員が居るのだ。もう悪い言葉しか出てこない。良いのは天気だけだ。これで降水確率70%なのが信じられない。

渡岸寺

高月駅から徒歩10分 地図


やっとのことで到着。駆け足で入る。


本堂から太鼓橋を渡って観音堂へ。


観音堂はこちら。内部に十一面観音と大日如来が安置されていた。

十一面観音はライトアップが絶妙。このお堂の一番の特徴は後ろの暴悪大笑面がよく観られるように周り込めるように像を配置していることだ。その暴悪大笑面にスポットライトが当たっている。…撮影禁止といっているが、これじゃフラッシュ焚いているのと同じじゃないか?意味が分からない。

実はこの像を観てもあまり感動は無かった。写真で見る方がいいと感じてしまった。なんなんだろう、これは。実物を見るほうがいいはずなのに…。暴悪大笑面が観たくて来たようなところもあったんだけど、下からではよく見えず、それなら写真で見るほうがいいのかも。

困惑しているうちに強力な団体どもが押し寄せた。もう身を置くところさえないし、電車が出る時間に間に合わない。這々の体で抜け出し、自転車で駅へ駆ける。しかし失敗したことに道に迷った!!

とりあえず線路を探さなくては!…どうにかこうにかレンタサイクル返却場所に到着したのが電車が出る3分前。痛む膝を押さえながら駅に入り橋を渡ってホームへ。息つく間もなく電車が来た。どうにか間に合った…。本当は正妙寺、渡岸寺の他にもいろいろ観てまわりたかったのに…。結局は渡岸寺だけ、しかも滞在時間5分で終わっちゃったよ。

もうこの後は放心状態。何も考えることができなかった…。

一度米原まで戻り、そこから特急で敦賀へ。一気に北陸へ出た。

滋賀のダイヤと北陸のダイヤは全くかみ合っておらず、境界駅である敦賀ではいつも変な待ち時間ができてしまう。しかし今回はこの待ち時間を上手く利用することにした。今夜の宿は鯖江にとってあるが、宿の周辺にはコンビニをはじめ食事処が全くないそうだ。そこでここ敦賀で食事を買い込むことにしたのだ。

駅前通りを少し歩いた先に平和堂があるはず…。また平和堂かよ。滋賀・北陸の駅前には必ずといっていいほどあるなぁ。


駅前通りには何故かメーテル…。首から下がったぽんぽん、このクドい服はメーテル以外のなにものでもない。足細っせーなぁ。折れるよ。煮干し食え、煮干し。

食事を買い込み、駅に戻るともう電車がやってきた。これに乗って30分ほど進むと宿のある鯖江に到着する。


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