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師走の洛北・洛西 2007年12月29〜31日

円通寺

えんつうじ

京都府京都市左京区岩倉幡枝町389

市バス「円通寺道」下車徒歩10分

マピオン

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円通寺

すっかり雨が上がり、バスに頼る必要もない。円通寺まではバス停2つ分くらい。

円通寺。受付では、壮年の男性が文庫本を読みながら受け付けていた。見るからに頑固そうだ。

受付左手にある蹲がとても素敵だったので、写真を撮りたかったが、入っていきなり「堂内写真撮影禁止」とあったし、受付のおっさんの様子からすると「この蹲をどうしても撮りたいんですけど…」なんて言ったって聞く耳を持たれそうにない。

あきらめて、有名な庭のある書院へ回った。

これが円通寺の庭園。比叡山を借景にしているのが特徴なのだが、あいにく曇りでなんだかよく分からなくなっていた。暗くなって分かりづらいが、御簾が下がっている。円通寺は昔の離宮跡ということだからなのかもしれない。

さて、書院には、既に先客が二人いて、正座して庭園を見つめたまま全然動かない。ホットカーペットが三つ用意されており、三人目の自分は空いていた一番右に陣取る。

書院右側の手水場越しの庭園。木と木の間に比叡山が顔を出すようだが、まだ雲が厚くかかっていてみえない。

 

書院内部は、というと襖絵が見事だったのだが、書院の片隅には、それを台無しにするような光景があった。

先ほども言ったように、円通寺庭園は比叡山を借景としているのを第一の特徴としているのだが、この「売り」が危機に瀕している、というのだ。

つまり、円通寺と比叡山の間にビルの建設計画があって、これにより、比叡山が見えなくなってしまう、ということらしい。そのための抗議活動、および世論を得るための、雑誌や新聞の記事などのコピーが、書院の一角にべたべたと貼られていて、なんだかなぁと思わざるを得なかった。

自分としては、需要がある以上、ビルの建設はやむを得ないことと思っている。円通寺が、ビル建設予定地の地主というのなら、円通寺に大いに理があると思うが、景色が悪くなるというそれだけのことで、他人の持ち土地を自由に利用させない権利など、円通寺にあるはずもない。

景観は、つきつめれば個人の趣味でしかない。誰もが価値を見いだす景観など、存在しないのだ。それをどうしても守りたいのなら、自分で金を払って土地を確保しておかなくてはならない。

それに、景観を守るべきといっておきながら、書院内部に雑誌や新聞のスクラップのような、目障りなものを貼っているその根性のほうも理解できない。すごく「うるさく」なってしまっている。

そんなことを考えながら見ていたら、おもむろに解説テープが流れた。「なお、説明中は撮影はご遠慮ください」とのたまっていた。これも「うるさい」。

「撮影禁止」の看板を立てること自体が凄く景観を壊しているように見えるのだが、禁止するほうは全く気づいていない。日本の観光地にはこういう台無しなものがたくさんある。「うるさい!」と注意する人がいちばん「うるさい」のだ。

比叡山が顔を出した。時間が経過するにつれ、雲がとれてきた。

 

寺の人間はすごく「うるさい」のだが、寺のたたずまいそのものは静かだった。

センリョウと思しき草花が咲いていた。冬も結構華やかなもんです。

中庭も。

閉ざされた観音堂。

この寺を訪れることはもう二度と無いだろう。

円通寺から北野方面へバスが走っているのだが、これの本数が最悪で、すんでのところで逃してしまった。とりあえず、本数が増えるところまで歩いてしまう。このまま待っていても寒いだけだ。

滋賀県湖東のほうでも見た、屋根の下に「水」の文字。京都の民家にもあった。なんだろう…。

岩倉自動車学校を過ぎると峠。さらに下っていくと、深泥池に出る。

はじめて見ました、深泥池。こんな光景が京都にあったとは。なるほど、実相院や円通寺が、隠居の地だったり離宮だったりした訳が分かります。山里だったんですな。
深泥池バス停のあたりまで来れば、バスの本数が増える。

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