正法寺
二日目。今日は長らく行くことができなかった西山の諸寺を訪問したい。市内中心部とは違い、バスの本数も限られているため全てを観ることは不可能なので、代表的なものを中心に。
西山は阪急バスと阪急電車が支配する阪急王国になっている。どちらも今までほとんど利用したことがない。
まずはじめに訪問するのは正法寺。最寄りの南春日町バス停まで行くには、JRの向日町よりも阪急の東向日町からバスに乗った方が、本数が多い。
今日はかなり冷えている。空の雲行きもかなり妖しい。
バス停からはしばらく歩くことになる。
ご覧のようにのんびりした風景を見ながら。野菜の無人販売所が良い。「瀬戸内海」。
西山は竹の里ということだが、なぜに家の壁にまで? |
このレトロな感じがいいですなぁ。京都市内でありながら、西山はあまり観光地化されておらず、素朴な感じ。 |
さて、正法寺。春になれば、真正面の桜がきれいなんだろうなぁ。 |
正法寺門前の掲示板には、拝観客が詠んだ句が掲げられているのだが、その中にみうらじゅんの句が。「走り去る 夢を追いかけ 大黒天」。ここ正法寺には走り大黒がいる。 |
六角堂とも六角塔とも言えないもの。 |
通用門と山門。既に門松が立てられていた。
正法寺の拝観開始時間は9時だったが、受付のシャッターは閉まっていた。バスの本数はかなり限られているために、ここでもたもたしているわけにもいかないので、呼び鈴で知らせた。
山門の内側には枯山水庭園。観る角度によって表情を変える。
立派だ。 |
山門側から見た本堂。庫裡と本堂は回廊でつながっており、その奥から白砂が流れていて、本堂前の枯山水庭園へと行き着いている。
本堂の本尊は十一面千手観音だったが、その他にもいろいろ雑多に祀られていた。 |
他に馬頭観音の仏画。頭頂部にはちゃんと馬の絵が。でも、この馬の目の付き方は変。かなり擬人化されている。
本堂の右手は書院(?)。書院前の庭園がまた一段と素晴らしかった。朱と白で彩られた世界。
木になぜか大きめの鈴が下げられていた。クリスマスではあるまい。 |
書院前庭園の奥には池。水面に波紋が。正法寺に入った頃から小雨がぱらついていたが、いつの間にかみぞれになっていた。 |
角度を変えて。庭園の先は京都市内が見える。みぞれだったのが今度はにわかに雪になり出し、ぼっさぼさ降ってきた。寒いわけだよ…。なお、写真には撮れませんでした。雪を撮るのって難しいんだよ…。 |
さて、書院の仏像たちを。左は愛染明王。後背の炎の表現が凄いね。そして右がメインの走り大黒天。足と手が一緒に出ている。これがナンバ走りで、日本人はみんなこんな走り方をしていた。江戸後期に西洋式の軍隊教育が輸入され、明治期の学校教育にて普及していった。近代化は人の走り方さえも変えたのだ。
じゃあどうして西洋式の走り方に変わったのか。それは速く走れるからだ。じゃあなぜ速く走る必要があったのか。それは弾をよけなくてはならなかったからだ。つまり、近代化とは「速度」なのだ。
さて、書院を出て、本堂の左手、庫裡のほうへ。本堂と庫裡との間。
庫裡にあった仏画。釈迦如来と脇侍の文殊菩薩と普賢菩薩。そしてその前にいるのはおそらく十六羅漢。
びっくりしたのが左の画像。この鶴、作り物なんです。なぜここにそんなものがあるのよ…。坪庭と言うには細長すぎますが、犬やらいや竹、灯籠があり雰囲気はよい。
そしてさらに庫裡の左手、不動堂へ。
水琴窟とかわいらしい地蔵菩薩。
トイレにあった。おそらくウッチュシュマ。 |