更新履歴

越南漫遊記 2010年5月24~30日

バッチャン 焼きもの見学

minh hai ceramic
67 giang cao, bát tràng
7:30-18:00

pre / top / next

バッチャン 焼きもの見学

5/25/5:00。二日目。

5時頃に目が覚めた。この時間でも微かにバイクの音が聞こえるのがさすがとしかいいようがない。ベトナムの朝は早く、6時から開いている観光スポットも珍しくない。

6時起きの予定だったが、もう眠れそうにないので部屋の外に出てみて、夜明け前の様子を撮ってみた。ベトナムとは思えぬ穏やかな風景だ。

ホテルのテレビはLG製だった。衛星放送で各国の番組が観られる。

これはおそらく台湾のテレビ局かと思うが、やっているのはone pieceだ。左に「海賊王」とある。字幕はあるが、吹き替えも中国語(北京語)。

今日の天気が知りたくてベトナムの国営放送に注視していたが、なかなか天気予報をやってくれない。後で思ったのだが、ベトナムの人は日本人ほど天気を気にしないのかもしれない。雨が降れば雨宿りし、晴れたら行動する、という余裕のある生活なのだろう。

空は厚い雲に覆われているが、雨を降らすようなものではなさそう。今日も昨日と同様、曇りというベストな天気になりそうだ。そんなに暑くもなく(それでも暑いけど)、雨も降らないのが最高だ。

朝食は6:30からで、ロアンさんとの待ち合わせ時間は7:00だから、早速食べに行く。大きい荷物は部屋に置いた。部屋には金庫があるが、何も誰も信じてはいけないらしいので、貴重品は全て持っていく。置いていくのは着替えなどだけ。連泊なので「掃除してください」の方を表にぶら下げておく。

朝の「サンセット」バー。さすがに閉まっているが、エキゾチックなランタンや花がいい感じ。

本館への途上にホテルのプールがある。

夜が明けると分かりやすい。こんな感じ。

丸い建物がサンセットバーで、その奥の離れが我々の部屋。

朝食にはフランスパンでハムや香草などを挟んだベトナムサンドイッチ(「バイン・ミー」、「バイン」はパンのこと)をメインに。ベトナムでパンというとやっぱりフランスパンがデフォルトなのだ。

ベーコンの他、フルーツを。白い果肉にゴマのような種がいっぱいなのがドラゴンフルーツ。半分に割ったのがパッションフルーツ。鬼のように酸っぱくて自分好みだった。手前はスイカ、パイナップル、ドラゴンフルーツを賽の目切りにしたフルーツサラダ。プレーンヨーグルトをかけてさらにヘルシーにしてみた。で、奥のプレートの左にあるのがランブータン。

外面はグロテスクだが、中にはライチのような果肉が。結構うまい。「原付~」の企画でも紹介されていた。

ごちそうさまの後、カードキーをいったんフロントに預けようとしたら、フロントの方が"mini-bar?"と訊いてきたため、"no, i gonna go out"と伝えたら、"oh, sorry, please hold it"と言われた。カードキーは持ってていいみたいだ。出かける時にカギをフロントに預けるのは日本だけの習慣なのだろうか。

ロアンさんが来るまでロビーで待機。

その間、昨日チェックインした時に気になっていた「ドアガール」のベトナミーズにお願いをしてみる。人は替わっていたが、服は変わっていない。"i wanna take a your picture, ok?"と訊いてみたら、笑顔で手を組んでポーズをキメてくれた。頼んでないのに笑顔も作ってくれた。結構こういうリクエストが多くて慣れているのかもしれない。"thank you!"と言ってお別れ。

程なくしてロアンさん登場。ワゴンタイプの車でやってきた。今日はもう一組が一緒に行動するらしい。

今日は世界遺産のハロン湾クルーズを体験し、ハノイ郊外のバッチャンという村で焼き物を観るという予定だが、「ハロン湾に行ってからバッチャン村に行くのでは時間的に遅くなる」ということで、まずはバッチャン村に立ち寄ることにすると言う。ハノイ市街からは30分の距離。

今日も朝からベトナムは大混雑。

マンゴーを運ぶ女性。

ハノイ市街では、小さいが緑の多い公園が点在していた。ウォーキングやジョギング、体操をしている人がいた。みんなスリムなのは、食べるものがヘルシーなだけでなく、こうやって体を動かしているからなのだろうか。昨日もホアンキエム湖のほとりで運動している人たちを見かけた。

また、みんなお店で朝食をとっている。朝ごはんは外食が普通なのだという。

もう一組を途中でピックアップし、バッチャン村へと向かう。

途中登校する小学生たちを見かけた。スカーフを巻いていたので、はじめボーイスカウトかと思った。制服もベージュでそんな感じだったし。

途中ホアロー収容所を通過。ロアンさんが昔フランスが刑務所として使っていたところです、と説明してくれた。ベトナム戦争の際には捕虜の収容所として使われていたらしい。今は史跡として見学可能。

朝からバイクが凄い。この車種はHONDAのdreamIIと言い、日本で言うカブ。「原付~」では大泉たちが乗っていたのはこれ。現役で走っているのがなんだか嬉しかった。ちなみにベトナムではバイクのことを「ホンダ」というらしい。丈夫で燃費の良いカブはベトナムで支持されているとのこと。

政府系の建物は黄色らしい。ベトナムの国旗は赤地に中央に大きな黄色の星というデザインになっている。その星の色が政府を象徴しているようだ。

早朝から大混雑。バイクに囲まれてしまった。

この女性は自転車に乗っているが、彼女が着けているのは前述したベトナム独特のマスク。このマスクはチェック柄で割とおとなしめだが、派手なものが多い。カラフルで種類が豊富。これにヘルメット、サングラスでバイクに乗る人も多く、スタイル的に結構やばいものがある。

だいぶ混雑していると思ったら、事故による渋滞だった。途中消防車が通ったが、驚いたのはその消防車に割り込んだ車がいたこと…。さすがベトナム…。ロアンさんに訊いてみると、ベトナムでも消防車や救急車は優先させなければならないみたいで、「あれはひどいです」と言っていた。

信号のない交差点では、ベージュの制服を着た交通警察が交通整理している。

一方こちらは偶然横に付いた公安警察。緑色の制服だ。パトロールをすることはなく、事件性のある事故が起こった場合に出動するのだそうだ。この制服は入国審査官も着ていた。そうか、公安警察が入国審査もやっているんだな。

ベトナム人はバイクで何でも運ぶ。どれだけ卵を積んでるんだろう…。そういえば「原付~」では門を積んで走っているバイクが写っていた。

さて、バッチャン村はハノイ市街のホン河を挟んだ向こうにある。一度タンチ橋(Cầu Thanh Trì)を渡る。この辺りまで来ると結構道も空いてくる。

左はグァバの栽培畑。で、それを道ばたで売っている。埃と排気ガスが凄いので、バイクに乗っていなくても女性がマスクをしている。そういえばマスクをしている男性を見かけないな。

ホン河沿いの草っ原でのんびりと草をはむ牛。ちなみにどの牛もこんな感じで放牧されている。なお、近くには牛舎などないので、本当に「野生?」と思ってしまうのだ。飼い主らしき人も見張っていないので、日がなこうやって放っておかれているらしい。

ここがバッチャン村。「陶芸の村」と聞いていたから、もっとこう頑固な職人さんが集まった、アーティスティックなところを想像していた。なのに妙に観光客慣れしていて拍子抜けしてしまった。ロアンさんはこの中の一つの店ミンハイ・セラミックに我々を案内した。

店には数カ国語で案内が書かれていて、ここが観光ルートになっているのが分かる。

絵付けの人たち。女性達がせっせと作っている。ちなみにでんと偉そうに構えた男性は何もしていない。テーブルに載っている水はLaVieという銘柄。後で分かったことだが、ベトナムでは最もメジャーな水。

なお、ここではガスで焼いている。

バッチャン焼きは赤絵が印象的でかわいい。他に青や緑もある。

本当はカップを買いたかったが、まだ二日目で荷物が増えてもしょうがないので、ここでは普段使い用にレンゲを買っておいた。袋も味気のないビニール袋ではなく、編んだ籠だった。これはいい感じ。

一階の会計係も女性。本当に女性ばっかだ。ベトナムの女性はみんな働きものだ。ロアンさんに聞いてみると、男性は出稼ぎに出ているのだとか。なるほど。でも、街中で昼間から男たちがカード賭博しているのをよく見かけるんだけどな…。あれは何だ?

ロアンさんが次に案内してくれたのは、細い路地に入ったところの、古くからあるような小さな工房。ここでは練炭を使った窯で、熱を微妙に調節することができないため、廃れつつあるという。

間近で見るベトナムの住宅。青い家って。特徴的だ。

昔ながらの工房では練炭で焼いているという。微妙な調節ができないので、難しいとか。というわけで、さっきの店のようにガスで焼く工房が増えているらしい。

奥のレンガ造りの小屋でおばさんが熱心に絵付けをしていた。一つのカップに絵を描き終えるのに5秒とかけていないのに驚いた。

ちなみにおばさんの手元に単三電池が六本ほど転がっていた。
昔「なるほど!ザ・ワールド」で、アフリカのどこかの国の村の人が、
電池の中身の黒い液を器にのばして塗っていたのを観たことがあったので、
ひょっとしたらそういう技術がここにもあるのかと思い、
ロアンさんに「この電池は何に使うんですか?」と質問してもらったところ、
工房に笑いがおこった。
おばさんの答えは「ラジオを聴くため」。
私も笑った。
これでバッチャン村は終わり。これからハロン湾へ。

バッチャン村近くには写真のような赤い土があった。これが焼き物に使用される粘土かと思って、「この辺りでは良い土が取れるんですか?」とロアンさんに訊いてみたら、確かにバッチャン村近くでは良質の粘土がとれていたが、近年それが枯渇してしまい、他のところから買って運んでいるとか。ただ、粘土が違っても「バッチャン焼き」としての技術は村に残っているので、そのブランドが続いているとか。

ちなみに写真の赤土は道路拡張工事のために用意された土であって、焼き物とは何の関係もない。

pre / top / next