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越南漫遊記 2010年5月24~30日

グエン朝王宮跡

6:30-17:30
55,000VND

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グエン朝王宮跡(世廟)

最後は世廟。昨日既に訪れているが、時間の都合上よく見られなかったため再度見てみる。

先ほど奉先殿を探すのに迷ってしまい、方角が分からなくなった。時間も残り少ないし、ランドマークとなる午門も見えなくなったので心配だ。近くで作業をやっていた人に午門の場所を訊いてみる。

"i wanna go to go mon"

と言ってもベトナム語しか返してくれない。

"can you speak english?"

と訊いてもベトナム語しか返って来ない。完全に英語ができないようだ。そこでガイドブックの午門の場所(ベトナム語も書いてある)を指で指し示してみたが、方角のことを訊いているとは思わなかったみたいだった。ベトナム語、ある程度勉強すれば良かったな…。仕方がないので笑顔で

"i'm sorry,bye"

と言って別れた。もう勘で探すしかない。

適当に歩いていたらフラッグタワーが見えた。あの方角が南だ。画像中央には午門まで見える。ということはこの石畳の道をまっすぐあるけば世廟のエリアだ。

Cエリア。

再度掲載。昨日は右上の致祥門から入ったが、既に通り過ぎてしまったので、襟がの右側の通路を下に進み、廟門から入ってみよう。既に時間がない。

廟門から入る。先に見えるのは昨日も見た顕臨閣。これを突っ切って世廟前広場へ。

世廟。さて、時間が押している。世廟の内部を見るのは諦めて顕臨閣前に並ぶ鼎を見よう。

鼎とは、三本足で立つ青銅製の釜のようなもので、もともとは調理器具だったらしいが、そのうちに祭礼の道具として使われるようになったもの。鼎は全部で9つ、それぞれが9人の皇帝を象徴している。九鼎を作ったのは二代目のミンマン帝。

「高鼎」とあるが、これは初代皇帝ザロン帝の諡号の「高皇帝」から取っている。「高」は「偉大さ」を暗示している。なお、「高皇帝」は、清朝の太祖ヌルハチの諡号と同じである。

それぞれの鼎には高、仁、章、英、毅、純、宣、裕、玄の文字がある。これらはグエン朝の皇帝の廟号を示している。これら9つの鼎が二代目ミンマン帝の時代に作られたということは、各皇帝に送る廟号は予め定まっていたということであり、それが該当する皇帝の特性を正しく暗示していたり、評価しているわけではない、ということだ(初代ザロン帝は除く)。

それぞれの鼎には、該当する皇帝の属性を暗示するかのような模様がある。これがなかなか面白い。ザロン帝を象徴するのは、龍。指の数は五本だった。シナ王朝の帝王とタメを張っている。初代皇帝ということで、龍なのだろう。

虎。やけに愛嬌がある。龍と対比させてあるのだろうか。

波羅密とあるが、これはジャックフルーツのこと。

そして日。つまり太陽。皇帝の象徴。グエン朝の国旗も、太陽が図案化されているが、皇帝を示しているのだと思う。

何故かネギ…。こういうオチがあるのがこの鼎の特徴。

続いて「仁鼎」。2代目仁皇帝ミンマン帝の鼎だ。「仁」は「美徳」を暗示する。

月。初代皇帝ザロン帝と対になっているようだ。 豹。ザロン帝の虎と同じようなポーズをしているし、愛嬌があるのは共通している。

続いて「章鼎」。3代目章皇帝ティエウチ帝の鼎。「章」は「輝き」を暗示する。「章」を名前に使ったとき「あきら」と読むのは、「明らか」と同じように光り輝くことを意味するからだ。ちなみに「章皇帝」は清朝の同じ3代目の順治帝と同じ諡号である。意識したのだろうか…。

霊亀。甲羅の一番高いところが八角になっている。

犀。ベトナム人ともなるとサイを見たこともあったのだろうか。

菴蘿。これはマンゴーのこと。

鰐魚。つまりワニのこと。

鳥鎗。銃のことだ。

なぜか水星、土星、金星、木星、火星。土星には環が無い。

茉莉。ジャスミンだ。

続いて「英鼎」。4代目英皇帝トゥドゥック帝の鼎。「英」は「すぐれていること」を暗示する。

【虫冉】蛇。ただの蛇ではなさそう。なんだか二重になっているように見える。【虫冉】はうわばみ、にしきへびを意味するとか。

檳榔。ビンロウ。ヤシ科の植物で、東南アジアではこの樹の実をかみ続ける習慣がある。たばこのような嗜好品らしい。

北斗。いわゆる北斗七星のことだ。

鬱金。ウコン。

蝉。言わずと知れたセミなわけだが、これが皇帝の何を象徴しているのだろう…。

5代目ズクドゥック帝、6代目ヒエップホア帝については、在位年があまりにも短く評価することができないため、鼎が存在しない。

というわけで次は「毅鼎」。7代目毅皇帝キエンフック帝の鼎。「毅」は「意志の強さ」を暗示する。あるいは「いかる」。

南斗。南斗六星のこと。先ほど北斗があったが、それとの対比になっている。

象。

8代目ハムギ帝については鼎がない。

というわけで次は「純鼎」。9代目純皇帝ドンカイン帝の鼎。「純」は「まっすぐで真心のある様子」を暗示する。

葵花。ヒマワリ。日本では向日葵と、「葵」が入るのは共通。

風。自然現象シリーズ第一弾。雲がもくもくしていて、植物がうなだれているのを以て風を吹いているのを表現している。書けないものを状況で示しているのが面白い。

【虫半】。「どぶがい」「からすがい」という意味らしい。

登山魚。何がなんだか分からないが、肺魚のように、水の外でも暮らせるという魚のことか。

桃。道教では悪を退散させる魔力を持つものとして扱われている。

つづいて「宣鼎」。12代目宣皇帝カイディン帝の鼎。「宣」は「洞察力ひろく明らかにする」ことを暗示する。

訓読みは「おおがめ」で、「おおすっぽん」のこと。unicodeは9EFF。面白いのは、空に五つの星(何の星座?)と月が浮かんでいること。

豕。そのまま「ぶた」。

雲。自然現象シリーズ第二弾。シュールです。

龍眼。これは、フルーツのこと。ベトナム滞在中はついに食べることができなかったが、黄色の丸い実で、皮を取るとライチのように白い半透明の果肉がでてくる。ベトナム語ではニャン。

これは見た目そのままカブトガニ。unicodeでは9C5F。

次に「裕鼎」があるが、正直どの皇帝を指すのか分からない。私は裕皇帝という諡号を贈られたグエン朝皇帝を知らない。とりあえず「裕」は「富裕・寛容」を暗示する。

鸚鵡。オウムだ。

雷。自然現象シリーズ第三弾。面白いのは、火の玉のようなものが宙を飛んでいること。

蛤。

最後は「玄鼎」だが、これもその皇帝を指すのか分からない。「玄」は「神秘性・奥深い」を意味する。

茘枝。すなわちライチだ。

雨。自然現象シリーズ第四弾。

虹。自然現象シリーズ最後の第五弾。

廟一体それぞれにどんな意味があるのかは不明だが、いろいろと想像してみると面白いかもしれない。これらを説明するものがとにかく全くないのだ。

奥さんには9時にはホテルに戻る、と言ってあるので、9時を回った時点で心配をかけないためにも携帯で連絡をとってみたが、ベトナム語の自動音声オペレータが出てしまったためあきらめた。電話でうだうだやるより、急いでホテルに戻った方が早いかもしれない。

荷物になると思って水を持ってこなかったのが仇となった。やっぱり命取り。汗がだらだら出てきて困った。急げば急ぐほど汗が出るし体力を消耗するので早歩き程度にとどめ、走ることは控えた。

9:25頃、ようやくホテルについた。ロビーにはすでにクィンさんが待っている。部屋に戻ろうとエレベーターに乗ったはいいが、ボタンを押しても全く反応がない。そのうち扉が閉まって、上昇した。14階でようやく止まったが、扉が開かない。

openボタンを押しても反応がない。クィンさんを待たせてもいけないし、何より奥さんが心配している。また、自分自身やばい状態にある。ちなみにエレベーター内はエアコンが効いていない。既に汗まみれ、疲労困憊の状態なので死にそうだ。

callボタンを押してフロントに連絡。必死に状況を伝える。
フロント「どうしました?」
私「扉が閉まっている。開かない。今14Fにいる」
フロント「何階に行きたいのですか?」
私「8F」
とりあえず通じたようで、「今対処するから待っててくれ」との返答。ただ、エアコンが効かず、密室なのには代わりがない。立っていられず、へたりこんだ。

だめもとでG(日本で言う1F。このホテルは日本系なのにイギリス式の階数表示なのだ)を押してみたら、作動。1Fに到着。そこにはカードキーを持ったボーイさんがいた。「あなたですか?」的なことを言われた。彼はカードをエレベータ内のボタンの上の差し込み口に入れた。「カードをこうやって入れないと作動しませんよ」的なことを言われた。

実は、昨夜女性スタッフがカードを差し込んでエレベータを動作させていたのを説明していたのだ。それは覚えていたが、カードの部屋番号を読み込んで、自動でつれていく、という便利機能の説明であり、カードの差し込みは必要条件ではないと勝手に理解していたのだった。なるほど、宿泊客以外の人間が中に入らないような措置なのだな。

やっと奥さんの待つ部屋についたのは9:30。奥さんは何かあったのではとかなり心配していた様子。ごめんなさい…。

早々とチェックアウト。クィンさんと合流し、車でホイアンへと向かう。

昨日買って冷蔵庫で冷やしておいた水を補給。生き返った…。

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