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越南漫遊記 2010年5月24~30日

海のシルクロード博物館(貿易陶磁博物館)

Bảo Tàng Gốm-Sứ Mậu Dịch ở Hội An
80 Trần Phú
7:00-18:00

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海のシルクロード博物館(貿易陶磁博物館)

15:15、海のシルクロード博物館着。ちなみにベトナム語で博物館のことをバオタンというが、これは「宝堂」のベトナム読み。

ここも一階から二階へと荷物を引き上げるための吹き抜けがある。

何故か肥前焼きが展示されていたが、かつて住んでいた日本人陶工のものだという。右はベトナムのもの。ホイアンで発掘されたのだとか。日本の焼き物が影響を与えたのかもしれない。なお、陶磁器以外にも沈没船から引き上げたものなども展示されている。その意味で「海のシルクロード博物館」なのだ。

どこから取り出したのか分からないが、クィンさんが指し棒で説明を始めた。博物館というものの、学芸員などはおらず、民間のガイドさんがこうやって説明しているらしい。指し棒は備品なのかもしれない。

これは日本人が描いた当時のホイアンの様子だという。絵に示されている通り、かつてホイアンはたくさんの船が行き交う港町だった。当然いろんな商品が売買される商業都市でもあった。いわゆる海のシルクロードの重要な中継地点だったというわけだ。

しかし今のホイアンは港町ではない。海へと注ぐ川(トゥボン川)の水に含まれる土砂のせいで、いつの間にか船が入れなくなってしまったという。それからホイアンは衰退していく。以後は午前中に通り過ぎたダナンが重要な港となったという歴史がある。

ホイアンは小さな漁村となり、歴史の表舞台から遠ざかるのだが、街並みが世界遺産に登録されたことで急に外国人がたくさん訪れる村になってしまった。登録以前は本当に田舎の漁村だったという。

おもしろいことに、建物は細長く、その途中で中庭がある。現在は観光客相手に小さなギャラリーとなっているが、京都の町家建築とそっくりだ。ただし京町家には二階はないが。

この博物館も、ホイアンの伝統的な建築となっており、京都の京町家のように、細長い。途中には同じように中庭も作られ、風通しを良くしている。

家を細長く造るのは京町家と同じだが、少しでも風通しをよくするため一直線になっているのと、そして、やっぱり税金対策なのだという。京都では、家の入り口の幅によって税金が決められていたため、できるだけ入り口を細くし、内部を長く造っている。ベトナムでも同じ事情があるのだという。

二階に上がってみた。

二階の通りに面した部分。中央には吹き抜け部分があり、先ほど見たフーンフンの家のように、ここから家具などを出し入れしていた。

海のシルクロード博物館の二階からの眺め。ランタンが目につくが、屋根の列びが面白いことに気づく。

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