大仏殿へは、中門からではなく回廊の途中(西南隅)から入る。中門からだと拝観料を取るスペースが無くなってしまうからなんだろうけど、そのせいで回廊を廻ることができなくなっている。本来の動線、すなわちプラダクシナー・パタが損なわれている。


入り口あたりから大仏殿を。上空にはたくさんの鳥。雨が近いことを知らせている。やはりやたらと人が多い。


南大門と同じような翼のような組み物。雲のような飾りが良い。

 
中央上にある扉。これを開けば大仏が外を見渡すことができる。東寺の金堂もこんな感じになっている。


有名すぎる像ですな。ヴィローシャナ、つまり大日如来。 やっぱり格好良くないなぁ。

それじゃ堂内を右回りに観ていきますか。


ヴィローシャナ右手の虚空蔵菩薩。


挑戦中でした。一定の距離を保って人だかりができていたのが印象的だった。離れて見ていたいんだね。


堂内西部には、なんと上層への階段が! といっても二階というよりは屋根裏なんだろうけど。東寺の講堂にもあったなぁ。


堂内北西に立つ広目天像。でかいよ…。これまでに観た四天王像で一番のでかさ。これも多分等身大なんだろう。後の衣が厚ぼったくだぼだぼしているのは、おそらくバランスを取るため。獅噛があるのかは不明。でかすぎて確認できず。西日が入っていて見えずらいし。


大仏の光背の菩薩像たちも相当のでかさ。なんだかアップダウンクイズみたいだ。

 
堂内北東に立つ多聞天像。分厚いね。やっぱりこいつのマントもぼたぼたしている。こいつは獅噛が確認できた。


多聞天を前方から。

 
ヴィローシャナ左手の如意輪観音。虚空蔵と変わらない…。個性がなくてあまり面白くない。宝冠前方中央からは如来(阿弥陀だろうか)が覗いていた。

本尊の周りをぐるっと一周できるお堂というのは、意外に存在しない。本尊後ろのスペースが物置になっていたり、拝観料徴収の都合上、動線を制限するためなど、理由はあるのだろうが、この大仏殿のように本尊の周りを巡らせるのも、一つのプラダクシナー・パタだと思うし、これこそが設計者が意図した拝観方法に他ならないのではないかとも思う。

補足:後日、大仏殿の天井から大仏を見下ろして撮った写真を見る機会があった。これにより、大仏が安置がされている壇が円形になっていることが初めて分かった。大きすぎるせいで普通に拝観しているとこのことにはなかなか気づかない。このことからも、設計者が大仏の周りを巡ることを意図していたことが推察できる。

以下『法隆寺の謎』で展開された論考をふまえ、自分なりに考えたことを。

午前中に拝観した新薬師寺などは、かえって周りを巡らなければ意味がないのだ。時と方位を隠喩する十二神将が、もし薬師如来の前に一直線に並んでいたとしたら、理念上無意味になってしまう。円周上に並び、環状となって繋がり、無限に時と空間が広がることを隠喩してこそなのだ。ちなみにサンスクリット語で円は「マンダラ」という。そしてこの語は「完成」という意味も持つ。つまり無限に続くこの円こそが、最も完成した形というわけだ。まさに新薬師寺の壇は曼荼羅なのである。そしてそれを拝観しようとするなら、動線も円になっていなければならない。

「仏像はみるものではなく、拝むものである」という理由で、はっきり目視するのを制限しようとするお堂がよくある。確かに仏像は信仰の対象であるが、それだけの理由で造像されているとも思えない。みるものでなければ像ごとに個性を出したり、詳細な部分まで表現することの理由が説明できない。

そもそもブッダは偶像崇拝を禁止した。すなわち「仏像はみるものではない」というのはそれだけで矛盾しているのだ。理念としての仏さえあれば事足りるところを、禁忌を侵してまで可視的にするのは何故か。

それはみるために他ならない。記号としての仏像を観て、その指し示すものを知るためだ。つまりみることは拝むことに先行する。仏像はみるものなのだ。

先ほどの『維摩経』で説かれているように、娑婆世界では言葉(記号)を以てしか悟りに至らせることができない。とすると、堂宇内の空間は全て記号と化し、無意味は許されず、徹底的に排除される。

蛇足だが、この考え方を突き進めて「一回転」すると、言葉も仏さえもいらない禅の境地に至る。つまり記号を使うことと、記号を否定することの差異を無意味化した世界だ。


まるでお城のようなつくり。格好いいね。


ここのびんずるも怖いんだよ…。白骨化してる。

東大寺には小さい子供もたくさんいた。静かであれば何でもないが、泣きわめく子もいて、どうして連れて来るんだろうかと、親の判断を疑ってしまう。子供にとってみればつまらないに決まっているじゃないか! 親の自己満足でしかない。


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