先の無量寺の見学が早く済んだので時間的に余裕があった。三河三谷駅から徒歩で向かったのだが、今日も暑くて歩くとすぐに汗が吹き出る。足も痛くなってきた。時間もお昼近いので、偶然見つけたそば屋でハラを満たしつつ体を冷やし、休憩をとることにした。時間も結構あるし。注文したのはざるそばセット。ざるそばとミニかつ、ご飯。これがとてつもなく美味かった。久しぶりのまともなご飯に満足。
元気が戻ったところで再び歩き出す。しばし歩いたところで妙なものを発見。遠くの丘の頂点に怪しいものが立っているのである。
それからまたしばらく歩くとにわかに妖気が立ちこめる。どうやら大秘殿は近いようだ。「父さん、凄い妖気ですよ!」
この寺に来た目的は、爆発、炸裂的な十界めぐり。これだ。
入口はドーム状の建物の左の鳥居の奥だった。おばちゃんが中に消えると俄に洞窟の内部から怪しい音楽が流れ出す。どうやら今スイッチを入れたようです。というわけで、僕は今日最初の客です。
この後畳の上に寝ころんで天井の六道図を見上げるという広間に出ますが、そんなことをしたら汗びっしょりのシャツに埃がこびりついてしまうのでやりません。
広間の奥に入ると巨大な料理の神様の絵が迎える。はっきり言って気味が悪い。あまり見ると気持ちが悪くなるので早々に出る。これが「日本一お料理の神様」らしいが、未だに「日本一」の意味が分からない。取り敢えず「日本一」が大好きな寺らしい事だけは分かった。
出たところでおばちゃんと再会。おばちゃんはドーム形の広間へと誘う。ここには加持祈祷を行う祭壇めいたものがあって、その奥に「チベットのラマ教の秘仏」がある。
おばちゃんは「冷たいお茶でもどうぞ」と言ってくれた。どうやらかなりいい人らしい。
言い忘れたが、洞窟内では音楽が流れていた。怪しげな民族音楽とかであればいいのだが、洞窟のBGMは何故か演歌。それが終わるとこの寺がラジオ番組の取材を受けた時の放送録音が流れ出す。どうなってるの?脳は完全に混乱をきたしている。
さて、この「チベットのラマ教の仏像」ルームだが、すごーく怪しい。今まで見てきた洞窟内の物件も充分に怪しいのだが、ここはそれを完全にぶっちぎって妖しい。針がふりきれているのだ。ルームの壁いっぱいに怪しげなメッセージを書いた模造紙がところせましと張られていて、書いてある内容もぶっ飛んでいる。あまりきちんと読んでいるとこちらがおかしくなってきそうだ。さて、その内容は、画像サイズがでかいのでクリックして別に表示して下さい。
おばちゃんが奥で呼んでいるので行く。冷たいものが呑みたくなった。
おばちゃんが居たのは、円筒状のラウンジ。どうやら外で見たドーム状の建物の中にいるようだ。テーブルとイスがたくさんならんでいて、あたかも喫茶店のよう。カウンターまである。海側にたくさん窓がある。外の景色は凄くいい。おばさんは冷たいお茶と御菓子、扇風機をセッティングしてくれていた。これは凄くありがたい。
ここでおばさんとかなりの時間話し込むことになる。まず住職の事。住職は法華経のトップになられたとかであまりこの寺には来ないのだそうだ。ホントかよ!
しかし、やっぱりここは寺なのか。全然寺っぽくない。「寺、ということですけど、本堂はどこにあるんですか?」と聞くと、さっきの「チベットのラマ教の仏像」ルームが本堂らしい・・・。絶句。
洞窟についても語って呉れた。普通の寺だと人が来ない。そこで洞窟を造ったとか・・・。普通じゃなさ過ぎだよ!
茨城から来たこと、寺巡りをしていることを話すと、いつものように驚かれた。もうそろそろ慣れてきているけど。ちょっと疲れる。おばさんはこの辺の観光情報を話しはじめた。
かなり話している。と、ここで僕は気付いた。このおばさんは話相手が欲しかったのだと。そしてこの寺に来る客は殆どいないということを。この寺の職員はこのおばさん一人しかいないのだから、常におばさんは受付に居なくてはならない。それなのに僕相手にとうとうと語っている。よほどヒマだったのだろう。
まぁ、冷たいお茶は普通においしかったし、扇風機は涼しかったし(冷房はなかった)、窓から見える三河湾は本当に奇麗だったので、全然文句はない。竹島も見えた。というか、凄くお世話になりました。ありがとうございます。寺はとびきり炸裂でアタマがおかしくなりそうだったが、おばさんは非常に親切な方でした。観光ガイドマップも呉れて、滔々と説明しだした。こういうパンフレットみたいなのは大好きなので好かったけど。
話を聞いていると、このおばさん以外にもここで受付をやっているおばさんがいるようだ。
帰り際におばさんは、「開運」と書かれた紙を張り付けた水の入ったペットボトルを渡してくれた・・・。いらねー。「開運の水だからね」とのこと。まぁ、話のタネにはなりそうなので貰っておいた。
帰る途中に記念スタンプを見つけたので、当然捺す。
結局僕が入って、出てくるまで他の客は来なかった。多分僕は今日最初で最後の客なんだろう。どういう経営状態なんですか?普通の寺だと人が来ないから洞窟を造ったって事だけど、洞窟あっても人来てないじゃん。洞窟を造ったことによって人を寄せ付けなくなってるんじゃないの?
再訪を固く誓っておばさんに別れを告げた。ふー、非常に炸裂した物件だったなぁ。入場料千円は高くなかった。僕みたいな人間にとっては、なんだろうけど。普通の人が入ったら怒りだすだろうなぁ。
「開運の水」に関しては後に意外な展開を迎えることになる。また後ほど。
炎天下、延々駅に向かって歩く。
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