普賢院はすぐ近くにあった。問題の仁王はこちら。
本堂の後ろに行ってみた。
そうこうしているうちに住職が帰ってきた。
住職「あ、どうも、なんの用かな?」
・・・。待っててくれと言われたから来たのに、うーん。
僕「御朱印を頂きたいのですが。」
住職「ほう、朱印。少しまっとってな。開けるから。」
流れで朱印を貰うことになってしまった。それほど欲しくはなかったのになぁ。
朱印帳を渡すと住職は今まで貰った朱印を眺めだした。唸っている。ふいに顔を上げてこちらを見る。
住職「こういうことを訊いていいのか分からんけど、何でこんなことしとるんじゃ?」
・・・。おもしろい寺を見るのが好きで、特に気に入った寺で朱印をもらっている、って言える?言えないよね。
僕「申し訳ないんですけど、特に信仰心は無いんです・・・」
言葉に詰まっていると、住職から質問が出た。
住職「学生さんか?」
僕「はい。」
住職「何を勉強しとるんじゃ?」
僕「歴史、モンゴルの歴史です。」
ここで僕はひらめいた。さっきの質問の答えを取り繕うことができる。
僕「モンゴルの歴史もやはり仏教とは関連が強くて・・・」
住職「そうじゃ、そうじゃ」
僕「それで仏教史にも興味があって・・・」
住職さんは機嫌をよくしてきた。納得してくれたようだ。別に僕はウソをついていない。どれも本当の事を言っている。
「朱印じゃったな?」
と言うと住職は奥へ行って作業を始めた。
・・・。
しばらくすると朱印帳をもってやって来た。500円を渡すと何故かお釣りで300円返ってきた。
僕「あれ、あの、300円じゃないんですか?」
住職「冷たいのでも飲みなさい」
と親切にも200円に割り引いてくれた。
僕「ご面倒をおかけしましてすみませんでした。ありがとうございます。」
とお礼を述べると
住職「元気でな」とわざわざ外に出て見送ってくれた。
僕「ご住職もお元気で」
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