本堂で朱印を貰いに行きました。本堂にはおじいちゃん2人、おばあちゃん1人が居て、おばあちゃんが書いてくれました。1人のおじいちゃんがずっとこっちを見ている。若い人が、しかも茶髪がこんな寺に来て、その上朱印を貰うのが余程珍しいのだろう。この後どの寺に行ってもずっとこんな調子で見られる。一事が万事こんな感じなので大変だ。面倒くさいのでわざと気付かないフリをして無視する。
朱印を書いて貰っている間に「麦茶サービス中」とあったので、給水機から紙コップに麦茶を汲んで呑んでいました。これまで自販機が無かったのでこれはとてつもなくありがたい。キンキンに冷えていてアタマが痛くなりました。二杯ほど呑んだところでおばあちゃんが書き終えた。おばあちゃんは朱印帳をまじまじとみつめ、「日光ねぇ」とつぶやいてハイと渡してくれました。おばあちゃんありがとう、そしておじいちゃん、あまりこっち見ないで。僕が今持っている朱印帳は日光に行ったときに買ったもので、表紙に「日光山輪王寺」と書いてある。おばあちゃんはこれを読んだのです。
朱印ですが、今回はちゃんと朱印帳を持ってきました。そして勢いのある寺しか朱印を貰いません。勢いのある寺とは、すなわち僕好みの寺ってことです。
一通り見終わった後で野菜直売所のベンチに座ってしばし休憩。寺の門前に寄生するセンスのかけらもない店は大変な名前が付いていた。
しばし休んだ後で出発。実はこれからが大変。関市の中心部へは7km程。山道の7kmなのでまたまた大変。キアイを入れ直す。
迫間不動尊を出るとしばらく上り道が続き、トンネルが現れた。トンネルは車が通るとかなり怖い。トンネルを抜けるとあとはずっと下りになる。少し下ったところで人がたくさん群がっていた。何事かと見ると、
また少し下ったところで水が流れていました。呑むには少し勇気が入りそうな感じだったので、手に取るだけにしましたがこれが指がかじかむ程に冷たかった!凄く気持ちがいいので両腕にかけて気化熱で冷やすことにしました。
水の湧いている場所からは下界がよく見える。少し先に工場が建っている。地図で確認すると貝印の工場のようだ。刃物のまち関市らしい。
本当に何もない山道を延々下っていくと、開けた平地に出た。しかし周囲には小さな自動車整備工場が一つあるだけ。その傍らの小さな畑で作業をしているおじさんに駅までの道を訊いた
迫間川という小さな川を渡り、少し歩くと右手に大きいきれいに整備された土地が現れた。どこかの工場の敷地のようだ。この辺りは工業団地になっているみたいだ。この辺りで一度休憩を入れる。歩道の縁石に腰掛け、足を揉む。車はある程度走る道だが、歩道を歩く人など皆無。
立ち上がりまた歩みを進めると、大きな池が現れた。のんびり釣りをしている人がいた。その先にはゴルフ場が現れた。ゴルフ場をすぎると今度は右に小学校が。今日は休みなので児童はいない。休憩させてくれないかと様子を伺うが、不審者に思われたら面倒なので通過する。
山を延々下りて来て、やっと自販機があったのでジュースを購入。即呑み。その場に缶を捨てる。
農協が現れた。今日は休みのようだが、敷地内には入れる。一角で休ませて頂く。しかし足は限界に達しているようだ。初日にムリをして足を悪くするとこれからの予定がガタガタになります。ということで泣く泣くタクシーを呼びました。
タクシーが到着すると運転手は丁寧にも外に出て手でドアを開けてくれました。中はさすがに冷房がガンガンに効いていて涼しい。寒さを覚える程です。しばらく走ると運転手に話しかけました。「迫間不動尊から歩いてきたんです。歩いて新関駅まで行こうとしたんですがさすがにもう疲れて。」と言うと予想通り驚いていました。寺巡りをしていること、今朝の夜行で茨城からやってきたこと、鵜沼から迫間不動尊まで歩いてきたことを話す度にいちいち驚く。わざとらしくて少しいやになる。それに話す度にこっちを向くので危なくて仕方がない。
しかし悪い人ではなさそうで、関市のパンフレットを呉れました。こういうパンフレットは大好き。関市といえば刃物、という情報しか知らなかったので聞いてみると鰻が名物だそうだ。奇しくも今日は土用丑の日。元気をつけて旅程を全うする為に食べたい。
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