全国異境巡礼第二弾 2002年7月19日〜27日

20日(土) 二日目

 名古屋を過ぎた辺りに車窓をみるとAISINという名の書かれた工場が。それがどうした、って感じだけど、AISINとは満州語で金という意味。清朝の太祖ヌルハチが建国した国号がAISINなのです。業界人しかウケない。

 岐阜に到着、高山本線で鵜沼へ。程なくして車窓に長閑な風景が広がっていく。鵜沼駅で下車。駅前はジャージを来た女子高生で溢れかえっていた。朝練帰りか?ところで鵜沼は全然流行っていない。駅前は寂れている。駅を出てすぐ左にあるキオスク風味のコンビニでアスパラドリンクとサンドイッチを買う。今日のメインは迫間不動尊。山奥の中にあり、バスも通っていない。でも心ときめく物件なので絶対行く。その為には歩くしかない。迫間不動尊へは地図上では4km、一時間も歩けば到達できるだろう。その道すがら、日乃出不動尊を見学することにする。いきなり遠くの場所に直接行くより途中にひとつポイントを設けておけば精神的にラクになる。寝たとはいっても一時間おきくらいに目が覚めていた。睡眠不足のこの状態で長距離を歩くのは辛い。ドリンクを呑んで効くとは思わないが、キアイを入れるつもりで。サンドイッチは朝食。そういえば12時間何も口にしていなかった。

 地図の4kmと山道の4kmは違うということにこの時点では気がついていなかった。それはこの後イヤという程思い知らされることになる。

 少し歩けばすぐに道は傾いてきた。この後ずっと登り坂が続くようだ。周囲は新興住宅地といった趣。山の斜面を削ったようだ。既に息をきらしている。苦しい。汗が滝のように吹き出ている。常にバックパックと密着している背中は渇くことはない。湿る一方だ。自販機を見つけるとジュースを買ってしまう。ジュースは一気に飲み干し、買ったところの空き缶入れに捨てる始末。呑むと汗が一気に吹きでる。自販機は憎いほどにいい間隔で設置されていた。迫間不動尊どころか日乃出不動尊に至る前に息を切らしている。夏場の山道を甘く見ていた。

 住宅地を抜けると延々山道が続く。途中しし鍋を提供する店を何軒か見かける。中には本物のしし鍋を出す店」と謳った看板を見つけたが、これは他の店に対してかなりやばい文句だと思うが、大丈夫か?

日乃出不動尊 岐阜県各務原市

 しばらく歩くと旗がたくさん立っているところに出た。どうやら日乃出不動尊に到着したようだ(こう書くと難なく到着したような印象になるけど、かなり辛かった・・・。暑いよ。)。ひとまずベンチに腰掛けて一息つく。ふー。

 観音が立っている下で水が出ていて、地元の方々が入れ替わりタンクやらボトルやらに詰めている。そんなに美味しいのだろうか。人が途切れたので僕も近づいてみる。触れると冷たい。おいしそうだ。口に含むとそんなに冷たくない。両腕に水をかけて冷やす。

 
 道路を挟んで向こうには本堂らしきものがある。お寺のはずだが、鳥居がある。鳥居をくぐると五円玉に擬した石が。意味はよくわからない。

 
 境内には達磨堂が。京都で達磨づくしの寺に行くつもりだったが、奇しくもここでも達磨と遭遇することになった。ここの達磨は至ってシンプルなオーソドックスな普通の達磨である。

 
 本堂の後ろには小高い山があって、その上に奥の院があるようだ。その途中にテングにであった。日乃出見晴天狗という格好いい名前が付いている。テングも大好きな物件なのでこんなところでテングに遭遇するのは感激ものである。

 
 階段を登る途中でスズメバチと遭遇。ここまで登るのにたくさん汗をかいたが、ここで冷や汗やら脂汗をかいた。いろんな汗をかくものだ。スズメバチを回避しながら登る。上には岩がある。これが本尊らしい。

 山の上から下界を望んだ図。下にみえるのは旗。かなり高いところにあるというのが分かる?それとかなりの山奥だということも分かる?ここまで登るは大変ですよ。

 
 境内には他に滝がありました。これもかなりいい感じの滝です。洗練された都会の寺にはこういう小粋な物件はないよね。これが山奥の寺を訪問する醍醐味です。

 少し休憩したあと、いよいよ迫間不動尊へ歩き出します。少し登るとあとは下りですが、上りより下りの方が足への負担がきつい。足がきしむような、悲鳴をあげそうになりながら歩きます。そして今度はもっと山奥に入っていくのでもはや自販機などありません。キアイを入れて出発します。そこまでして何故迫間不動尊に行くのかというと、いい感じの岩の洞窟があるからです。ここまでの労苦にみあうだけの価値が迫間不動尊にあるからだ。絶対到達してやる、絶対行く。キアイを入れないと倒れてしまいそうです。それくらいキツい。


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