全国異境巡礼第三弾 2003年3月15日〜22日

3月17日(月曜日)

次の目的地は円福院。五百羅漢があるという。石山寺駅から京阪で粟津駅まで移動、そこから徒歩で登り坂を1km程。こたえる。足の痛みはピークに達していた。とても痛い。

そんな中でも飛び出し坊やのチェックは怠らない。
  
実は琵琶湖周辺は飛び出し坊やの多発地帯である。

円福院(五百羅漢堂)

地図


かなり分かりにくいところにある寺だが、やっと見つけた。足はもう限界だ。扉に手をかけると・・・開いてない!!苦労してやっとここまで来たのに・・・。隣に民家がある。ダメもとでインターホンを鳴らす。するとおばさんが出てきた。事情を伝えると快く承諾して頂いた!!!

鉄筋コンクリート製の五百羅漢堂だ。

 
一つ一つじっくりと観たが、特に変わった羅漢はなかった。中央に文殊菩薩と普賢菩薩を脇侍に従えた釈迦如来像があるそうだが、箱入りで秘仏だそうだ。おばさんに拠ると予約さえすれば観ることができるらしい。前立として白黒写真が飾られていた。快慶の作ということで、小さなお寺だがどうやら由緒ある寺であることが窺える。

おばさんの話に拠ればこの五百羅漢は天災に拠って半数が失われていたとのこと。戦後おばさんの父親が比叡山から降りて、修復したり半数を補充してやっと今、五百体に戻っているという。

先ほどおばさんが「比叡山から」と言っていたのに、僕は「こちらの宗派は禅宗ですか?」と聞いてしまった。五百羅漢があるし釈迦如来が本尊なので禅宗だろう、と錯覚を覚えたのだ。言ったすぐ後で気が付いて訂正しようとしたら、おばさんは「確かにこの配置は禅宗の様式だよね。でもここは天台宗なの。」と言った。どうやら複雑な事情があるらしい。元々この五百羅漢は琵琶湖畔のとある禅寺にあったものらしい。お堂を改築するときにこれら羅漢像を置く場所が無くなってしまい、おいそれと処分できないので円福院に預かって貰うことにした。そこで円福院は預かるならそれなりの扱いを、ということで禅宗様式に配置した。禅寺の方では改築が済んだのだが「返してくれ」とも言えず、そのまま今に至っているということだ。

貴重なお話が聞けたので良かった。やっぱりお寺の人に気に入られるといい展開が待っている。おばさんに丁寧に感謝の意を述べて円福院を後にした。


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