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近畿の古刹巡り 2008年3月16〜18日

六道珍皇寺

りくどうちんのうじ

京都市東山区松原通東大路西入

京都市営バス「清水道」下車5分

マピオン

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六道珍皇寺

六道珍皇寺でも現在特別公開している。普段は「境内自由」という扱いの寺で、あまり訪れる人も少なく(訪れるのはオカルトマニアくらい)静かな寺なのだが、今日は混み混み。さらに後ろからバスツアー客が来てしまっている。彼らが来る前に観てしまおう。

境内に入ってすぐの宝物館のような堂宇に安置されている薬師如来。いつもは閉ざされている。今回は特別公開。

両脇に四天王(?)を従えていた。邪鬼を踏みつけていているからそうだと思うが、薬師如来に二天が付くのは珍しいので、ひょっとすると十二神将の一部かもしれない。

閻魔堂の閻魔像。たぶんに道教の影響を受け、人の死を司る北斗星君と習合し、日本で発展を遂げた典型的な「えんまさま」。

こちらは小野篁の像。その脇侍に善童子(左)、悪童子(右)。悪童子はいかにもな感じだが、善童子も怒っている。初めて知ったな、善童子、悪童子。司命と司録という説もあるようだ。他に地蔵菩薩の脇侍としても作例があるとか。閻魔大王の本地は地蔵菩薩だから、とりあえず、小野は閻魔と同一視されているようだ。

この閻魔堂は、普段は閉じられており、隙間から覗くしかない。

六道珍皇寺には特徴的な鐘楼がある。といっても見て分かる通り「楼」ではない。中は見えず、手前に穴から出ているヒモを「引く」ことで鐘が鳴る仕組みになっている。

実は、鐘は地表より低い場所につるされている。地獄道に墜ちた人にも聞こえるようにとの設計なのだ。

さて、拝観料を納めて方丈へ。ということは、薬師如来や閻魔堂は拝観料を払わなくても見られるということになる。

方丈と書院(?)の間の坪庭と手水鉢。

方丈東庭。露地のように飛び石が置かれている先には鎮守社。右画像の右手には水琴窟が置かれている。

方丈内には中国、朝鮮の地獄絵が描かれていた。以上の三つはどれも閻魔を描いている。先ほどの閻魔堂で見てきた閻魔とは違い、落ち着いた表情だ。これは、大陸では北斗星君と同一視されているからだ。中国風のスタイルをしてヒゲを生やす。猛り狂ったような表情は日本独特のものなのだ。

派手な中国の地獄絵。左は「水陸図」といい、四聖皇帝(上)と三官大帝(下、天・地・水を司るという)。これは思いっきり道教だ。右のは「焔口餓鬼図」で、別名「面燃餓鬼図」。中央で坐禅する妖怪は、面燃鬼王、面燃大士ともいい、中国の民間信仰に由来するという。「大士」というから、おそらくは道教に通じるものがあるのだろう。しかも、観音菩薩の仮の姿でもあるとか。目の前にはたくさんの餓鬼が食物に群がっている。日本では施餓鬼会にあたる、水陸会の本尊としてこの図が用いられるとか。

ただ日本では、焔口(エンク)は単なる餓鬼のこととして描かれ、中国とは扱いが異なる。エンクはその名の通り、口からいつも火が出ており、食べ物を口に入れてもすぐに燃えるためにいつも餓えている。このエンクが「神」のように扱われていることに驚いた。

見つけてしまった動物ランド。鶴と亀は分かるけど、妙に間の抜けたタヌキがいい雰囲気を出している。

さて、あと残るは東福寺の開山堂、特別公開中の東寺灌頂院。現在15時になろうかというところ。灌頂院は16時までなので悩むところだ。建仁寺と灌頂院の間に東福寺があるので、この順で回ろうと思う。

京阪で「四条」から「鳥羽街道」まで移動しよう。これが一番早いだろう。バスでは無理。東大路は混雑して進まないはずだ。

小ネタ。京都の古い家には鍾馗が飾られている。良くできているので撮った。

もう一ネタ。「魔」から手が出ている…。文字通り「魔の手」ということか…。

鳥羽街道に着いたのが15時半前。東福寺に行ったところ、なんとちょうど拝観終了になっていた。東福寺は15:30で終わりなのだった…。こんなに早かったなんて…。今から東寺に向かっても無理だろう。バスしかないし、混雑していれば着く前に16時になる可能性が高い。ちょっと早いけど今日は終わり…。

完璧な判断ミスだ。東福寺開山堂なんていつでも拝観できるのだから、建仁寺からまっすぐ東寺に向かえば良かったのだ…。

くやしいので、禅堂だけでも撮ってみる。

今日の宿は日本橋にとってある。京阪で北浜まで行き、地下鉄に乗り換えていく。かなり時間がかかる。

東福寺駅から特急。

駅で見た看板広告。「ご旅行中の方」。観光寺でたまに着物姿の人を見かけるが、こういうところで借りるわけか。手前のいすに座っている大正浪漫な感じがいいなぁ。

京阪樟葉駅で見た庭園。灯籠が立っている。構内にちょっとした日本庭園が。なぜなんだ。

「樟葉」、これで「くずは」と読む。

日本橋に着いたときには既に夜になっていた。食事を済ませて宿にチェックイン。

明日は生駒、信貴、当麻寺、吉野など奈良の広域を回る。そのため朝早くから出なくてはならない。疲れたしもう寝よう…。

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