京都異境巡礼 2003年7月27日〜8月2日

翌朝無事(?)目が覚める。のどのつかえはまだ感じるものの、昨日ほど酷くはない。一晩過ぎたら良くなったのかもしれない。それでも少し不安だったので、いつ病院に行っても大丈夫なように、一応有り金全部持って出かける。

京都会館美術館前バス停から東福寺バス停へ、JR東福寺駅から稲荷駅へ移動する。今日は午前は晴れるが、午後は雨が降るのだという。折り畳み傘を常備しておく。午前中はとても暑いかと思ったら結構涼しい。関東ではまだ梅雨明けしておらず低温の夏が続いているが、関西でもあまり気温が上がっていないようだ。昨日の天気予報でも「戻り梅雨」とか何とか言っていた。

稲荷駅から伏見稲荷大社はすぐ。このロケーションに因んで駅舎も赤く神社風味。京都トラベラーズインを知るまでは、この稲荷駅最寄りのアーバンホテル京都を利用していたため、この駅は結構なじみが深い。とても小さな駅だけど。

伏見稲荷大社も訪問先の候補になっていたのだが、今の体では境内をぐるぐる回れないと思い、断念。石峰寺へと向かう。

石峰寺

しかし石峰寺への道も結構厳しかった。ゆるい登り坂を延々上っていかねばならない。予想よりも駅から遠い。息が切れてきた…。同時にのどに不安を感じる。昨夜と同じ程度の苦しさが戻ってきた…。大丈夫だろうか。


やっと石峰寺の入り口へやってきた。ここは黄檗宗なので堂宇が中国風味。山門もチャイナだ。まずは本堂へ。本堂の欄干には卍型の文様が。ばりばり黄檗宗である。本堂の中はがらんとしていた。無駄に大きい感じがする。これといって何もなかった。

ここでは境内に石像の五百羅漢像があるという。拝観料300円を支払うと、おばちゃんから「蚊がいますので」とおもむろにスキンガードを手渡された。え?そこまでしなくちゃいけないの?半信半疑だったが、一応腕にスプレーしておいた。これでOKかと思いきや、「これで蚊を追い払ってください」とうちわを渡された…。そんなに凄いのか?…少し行きたくなくなった…。


本堂右の細い獣道のような通路を進むと、羅漢のある竹林に続く坂道と門が見えてきた。

羅漢像はこんな感じで立っています。風化していて輪郭がよく掴めない…。


テーマ別になっているようで、こちらは「説法」。中心の少し大きい石像が多分釈迦如来なんでしょう。顔や姿では判別不能なので大きさや配置などで憶測するしかない。


割と摩耗していない羅漢を見つけるのは大変。恒例の羅漢チェックも難しい。その中でこれは結構わかりやすいかな。ひょうきんです。


これは「涅槃」。横長の大きな石が釈迦如来なんでしょう。


これは「阿弥陀来迎」のようです。大きい石像が阿弥陀如来で、周りが二十五菩薩なんでしょうな。…あれ?いきなり釈迦如来から離れました。しかも羅漢が居ない。

…ん?終わり?あっけないなぁ。ちょっとこれで300円は高いぞ。しかもスプレーしたのに五カ所も蚊に刺されてしまった。

帰ろうとすると、先ほどの受付のおばちゃんが「おみやげ」と石峰寺の絵はがき2枚を呉れた。どう見ても売り物っぽいが、これは拝観料300円に含まれているものだと信じ、遠慮なく受け取った。この絵はがきには羅漢像の写真が使われているが、赤い葉などが写っているのを見るとどうも秋用のようだ。季節はずれだが、拝観料300円は寺サイドでも高いと思っていて、心苦しいので絵はがきをプレゼントしているということなのだろうか。…だったら絵はがきいらないから、拝観料を安くして。

駅まで戻るのも結構辛い。息は上がっている。なんとか稲荷駅に到着した時、ちょうど行き先の電車が入ったところだったが、息が苦しいし、暑いので駆け込むどころではない。体の事を考えると大人しく次の電車を待つほうがいい。

10数分後にやってきた電車に乗り込む。次は黄檗駅で降りる予定なのだが、なんだか急に息が苦しくなってきた。窒息するのではないだろうか…。なんだか体に違和感がある…。もう不安で座っていられない。息はどんどん上がる。もうどこでもいいから電車を降りたい!よろけながら出口の前に立って、棒につかまる…。窒息するのだろうか。体の動きが鈍い。近くに座っていたおばさんに「すみません…」と声をかけるのが精一杯。車掌を呼んで貰おうと思ったのだが。おばさん曰く「苦しいですか?」と。それに答えるのも大変だ。声にならない声で「はい…」。もう駄目か、と思った時に別のおばさん二人が駆けつけてきた。曰く「過呼吸になってる、私たち看護婦です。」と。…え?逆なの…?今度は努めてゆっくり呼吸をするようにした。「こういうの、初めて?」と聞かれた。勿論初めてだ。電車の中で過呼吸に陥る人々がいることをテレビで観たことがある。こういうのは、精神的なもののようで、あまり不安を感じてはいけないのだという。幸運にも電車は駅に到着。もはやどこの駅なのか分からない。この二人に抱えられ、駅のベンチに座ることができた。それでもまだ苦しい…。手足がもの凄くしびれる。そのことを告げると「やっぱり過呼吸」なのだそうだ。のどの違和感も告げると、その呼吸が苦しいという不安から呼吸をたくさんしようとして、過呼吸に陥ったのではないかとのこと。ビニール袋を渡され、口にあてて自分の二酸化炭素を吸うように言われた。何度か繰り返すとしびれが収まって来た。少し落ち着いたところで、この看護婦二人の事を心配した。電車を途中で降りて遅刻するのではないだろうか。しかし今まで乗ってきた電車は目の前にずっと止まっている。車掌が近づいてきた。「大丈夫ですか?駅員を呼びましょうか?」と聞かれたが、大分落ち着いてきたので「大丈夫です」と答えた。もしかしたら、僕のために電車を止めているのかと心配になったが、単にこの駅で待ち合わせをしているだけなのだという。僕のために乗り遅れてはいけないので、看護婦二人にはこの電車に乗って頂かなくてはならない。最後に「過呼吸は収まったけど、その原因であるのどのつかえが何なのか分からないから、不安を取り除くために病院で見て貰ったほうがいいね」とのこと。この辺りだと六地蔵総合病院があるのだという。大変お世話になりました。ありがとうございましたを言う。「私たちは赤十字の看護婦だから、良かったらどうぞ、コマーシャル!」と最後にオチを付けて電車に乗り込んだ。最初に僕が声をかけたおばさんが車内からこちらを見ていた。このおばさんにもお礼を言った。

大分落ち着いたので、とりあえずこれからどうするかを考えた。看護婦の最後の言葉からはあまり緊急を要することでもないことが伺える。しかし、のどの違和感をなんとかしないと、不安で再び過呼吸に陥ってしまうかもしれない。今度は近くに看護婦さんが居るとは限らない。もうあんな恐怖は二度と味わいたくない。しかも悪くなると、「また過呼吸に陥るかも…」という不安で電車に乗れなくなってしまうらしいのだ。というわけで、近くの六地蔵総合病院で診察を受けることにした。

降りたこの駅が病院の最寄り駅である六地蔵駅だとは知らず、間違えて一駅京都方向に戻ってしまった。この時、電車内ではなんとも無かったので、予定通り万福寺に行くことにした。まだ午前の診察時間には間にあうので、少し様子を看ることにした。


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