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師走の洛北・洛西 2007年12月29〜31日

妙満寺

みょうまんじ

京都府京都市左京区岩倉幡枝町91

叡山電車木野駅下車5分

マピオン

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妙満寺

叡山電車の木野駅で下車。この駅も岩倉駅も無人だった。どこできっぷ買うんだろう? と思っていたらバスと同じ整理券方式だった。

さて、木野駅から妙満寺までは5分だという。たぶん「一条山(=モヒカン山)」だろうと思う山を迂回して妙満寺へ。

山門前には池があり、それを橋で越えて境内へ入る。立派な庭だが「犬散歩お断り」の看板が興ざめだ。境内に入るのは無料になっているため、迷惑をかける人がいるのだろう。

妙満寺は6年前の夏にも一度訪問している。そのときは、右の画像の仏塔を観ただけで立ち去ってしまった。このミスマッチ感がいい。

今回はこの仏塔ではなく、庭園を観たくて訪問した。

境内もミニ砂庭になっている。綺麗な寺だと思う。

拝観料を払い、まずは庭園を。

これが「雪の庭」と呼ばれる妙満寺一押しの庭園。書院(?)からの眺め。

雪が降って積もると綺麗に見えるということらしく、雪の降りそうな年末に訪問したのだが、寒いという京都でも、やっぱりいつも積雪があるというわけではない…。

 

ただ、「雪の庭」という名称の由来は、松永貞徳という人が「雪月花」のそれぞれにちなんで作庭したうちの一つ、ということらしい。シリーズものということで、実際の雪とはあまり関係ないかもしれない。雪が積もった時に、一番綺麗に見えるように作庭したかどうかよく分からない。実際、雪が積もってしまうと何も分からなくなってしまうんじゃないかと思う。薄く積もった場合には綺麗になるかもしれないけど。

ちなみに「月の庭」は清水寺塔頭成就院にあり、名にちなんで夜間に特別公開をすることがある。なお「花の庭」は現存しない。

手水場越しの雪の庭。

 

書院(?)には、こんな不思議な絵もあった。何をモチーフにしているのだろう。

寒い書院を出て、宝物館のようなところへ。暖房が効いていて、凍ったような足のつま先が溶け出す。

不思議な絵…。鐘を龍が護っている? 火の表現が凄いんだな。口からでなく、体全体から吹いてるよ。心なしか笑ってるしね。余裕だよ。

これは「安珍清姫の鐘」として知られ、妙満寺に安置されている鐘の縁起だった。安珍という修験者に惚れた清姫が、約束を破って嫁にもらってくれない安珍を恨み追いかけたところ、鐘の中に安珍が隠れたので、蛇に姿を変えて火を噴き、安珍を焼死させ、自害した、というお話。

凄い話だが、なぜ鐘でなくてはならなかったのか、なぜ清姫が変身したのが蛇なのか、そして蛇がなぜ火攻めしたのかが謎。それぞれが無関係なんだよな。レヴィ=ストロースだったらうまく説明できるのかも。とにかく、鐘が最初にあって、伝説が後から付けられたはず。

面白いのは、上の絵巻もので、蛇に変化した直後の清姫(右の蛇)と、鐘に身を巻き付けて安珍を焼き殺そうとしている清姫(左の蛇)が、一つの空間に描かれていること。要するに、コマ割りのない漫画なのだ。

ヴァス仙人を思わせるガリガリの老人。小さな厨子の中に収まっている。岩屋の中で籠もっている様子をジオラマとして見せている。いったい誰だろうか。日蓮系だから、羅漢だとか役小角ではないだろうなぁ。

さて、再び寒い回廊に出て、本堂へ。

本堂からは、比叡山が真正面に見えて格別のスペクタクルとなっている。境内全体を一つの枯山水庭園と見立てると、比叡山が借景となるように見える。

朝から少し降っていた雨もあがり、比叡山を覆っていた雲も取れてきた。いい光景が見られたよ。

ただ、カメラのファインダーを少し右にずらしただけで、凄い風景になるんだけどね。

興味が無いと見えてこないものっていうのが本当にあるんだなぁ。6年前の自分じゃあ今の光景は見られなかったよ。

次の訪問先は円通寺。妙満寺の前にはバスも通っているが、かなり本数が少ないので、歩いてしまう。そのくらいの距離しかない。

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