蘇梁館
江沼神社を諦めて駅へとぼとぼと歩いていたら、忽然と大きな屋敷が現れた。豪商の古民家で庭園もあるようだ。蘇梁館という名で無料で公開しているというので、時間はあまりないが、江沼神社の代わりに立ち寄ってみた。玄関前のちょっとした庭もいい感じ。
北陸の庭園という庭園を調べつくしたと思っていたが、抜けているもの、現地で見つかるものもあるのか。
蘇梁館の図面。ぐるっと屋敷を取り囲むように庭が設けられている。 |
玄関の先には更に土間があって、また障子戸をくぐったところで履き物を脱ぐことになる。多分豪雪地帯特有の形式なんだろうと思う。現在でも冬の寒さが厳しいところではコンビニでもこういうふうになっている。
座敷は縦二間横二間連続している。この突き抜け感が気持ちいい。余計な光が無いのも嬉しい。
玄関の天井。力強い梁も豪雪に耐えうるものなのだろう。蘇梁館は、江戸後期から活躍した北前船主の豪商久保家の母屋をここ大聖寺に移築したもの。ちなみに昨日見た金沢の武家屋敷跡である野村家は、離れの部分だという。移築した詳しい年は不明だが、ここ10年のことだろうと思う。その際に枯山水の庭が組まれたのだという。「若い」庭園のために調査から漏れたのだろう。 北前船とは瀬戸内海まわりで大坂へ向かう航路を辿る船のこと。久保家は名字帯刀を許されたが、それは藩を財政面で支えた功績からだという。 |
「波濤の庭」と名づけられた部分。石畳は玄関と勝手口を結んでいる。 |
庭の中央部分。「船石の庭」と名づけられており、北前船をイメージしているという。細長い踏み石がアクセントになっている。 |
奥庭の部分。池があるが、水は張られていない。 |
奥座敷の縁から見た奥庭。手水鉢などがあってひんやりした雰囲気。 |
北東の「ナカナンド」は書院造りになっている。付書院があるが、北向きのため光はそんなに取れない。 |
欄間にも繊細な透かし彫り。荒れる海に千鳥。 |
釘隠。 |
もう流石に時間がないため急いで駅へ。大聖寺の隣の駅はもう福井県。30分ほど普通列車に揺られて福井市まで。
福井県に入るとにわかにソバ畑が広がった。自分にとっては意外だったが、福井はソバ処なのだという。「越前そば」というメニューがあって、そば殻まで挽くので黒い麺になる。主に大根おろしを混ぜた出汁などで食べるという。 |
福井駅で昼時を迎えた。次の訪問地に行くバスが出るまで40分ほどあるためここでお昼を食べておく。福井といえばソースカツ丼で、駅前に有名店があるというが、駅構内に新鮮で安い回転寿司屋があるので今回はそこに。回転寿司といってもバカにできない。北陸ならではのネタもあるというので楽しみだ。「北のおやじ」という名前のお店。
左写真、上段左からさわら、さんま。下段左からかに、いか、しいら。さわらとしいらの寿司は食べたことが無かった。右写真は「みそ汁」。かに汁とか海老汁じゃない。みそ汁を頼んだら海老とワタリガニが入って出て来たのにびっくり。
左は北陸の魚、のど黒。焼いて食べると美味いらしいが、生で食べたらもっとうまいだろうと。結構な値段したけど、北陸に来たからには。右は甘エビ。これも北陸の味覚。
オリエンタルラジオ、麒麟がロケで訪れているらしい。「この味武勇伝」って書いてある。 |
さて、お腹が満たされたしバスの時間も近づいたので出よう。